人気設備の上位は、もう近隣の物件も入れています。差がつくのは、まだ誰も手を付けていない水回りです。
元栓に1台つけると、その建物で元栓を通る水がすべて変わります。各戸に配る必要も、入居者に何かしてもらう必要もありません。
空室が埋まらない、でも家賃は下げたくない。そういうオーナーさま向けに、水回りの設備という打ち手を、費用と工事の条件まで含めて整理しました。
人気設備ランキングは「あって当たり前」の一覧になった
入居者に人気の設備を調べると、インターネット無料、宅配ボックス、オートロック、独立洗面台、追い焚きが並びます。どの調査でも顔ぶれはほぼ同じです。
問題は、同じ一覧を近隣のオーナーさまも見ていることです。上位の設備を入れても、近隣も入れているので差になりません。ランキングを紹介している記事自身が「人気設備は競合もすでに導入済みで差がつかない」と書いています。
そこで代替案として挙がるのがスマートホームです。ただ、これも同じ道をたどります。一覧に載った瞬間から、差は薄れていきます。
値下げは一度やると戻せない
空室が続くと、まず家賃を下げる案が出ます。ただ、一度下げた家賃は次の更新まで戻せません。近隣の相場にも影響します。
フリーレントや礼金の廃止も同じで、一度出した条件は次の募集でも期待されます。設備は残りますが、条件は残りません。
入居者が毎日触っているのに、募集図面に書かれていないもの
内見で入居者が実際に触るのは、水です。蛇口をひねり、シャワーの勢いを見て、浴室の床を覗きます。ところが募集図面の設備欄には、水のことが1行も書かれていません。
設備欄に書かれているのは、目で見て確認できるものばかりです。書かれていないものは、比べられないまま決まっていきます。
内見で触るのは水
水圧の弱さ、蛇口から出る水の見え方、浴室に残る前の入居者の汚れ。内見の数分で受ける印象は、この3つでほぼ決まります。
クロスの張り替えや照明の交換は写真に写りますが、水は写真に写りません。だから現地でしか伝わらず、伝える言葉も用意されていません。
住んでからの不満は水回りに集まる
排水口のぬめり、浴室の汚れ、洗濯物のにおい。どれも毎日のことなので、積み重なると住み替えの理由になります。
更新のタイミングで住み替えを考えるとき、この積み重ねが判断を押します。募集図面に書かれないものが、退去率という数字になって出てきます。
水回りで打てる手を、費用の順に並べる
水回りに手を入れるといっても、やり方で桁が変わります。安い順に並べます。見るところは、効く範囲と、戸数が増えたときにどうなるかです。
| やり方 | 効く場所 | 戸数が増えたとき | 入居者の手間 |
|---|---|---|---|
| シャワーヘッドを各戸に配る | 浴室だけ | 戸数ぶん増える | 自分で付け替える。紛失や持ち去りがある |
| 水栓を交換する | その蛇口だけ | 箇所ぶん増える | 工事で在室が要ることがある |
| ユニットバスを入れ替える | 浴室全体 | 戸数ぶん増える。桁が変わる | 在室できない期間が出る |
| 元栓に1台つける | 台所・洗面・浴室・洗濯まで、元栓を通る水すべて | 1台は1台のまま | 何もしなくてよい |
出典:自社の価格表と工事費表(2026-09-26 時点)
もう少し詳しく:なぜ元栓だと戸数で増えないのか
水道メーターの二次側に1台入れて、そこから先の水をすべて対象にするためです。建物への引き込みが1系統なら、装置も1台です。
口径は戸数ではなく、引き込みの太さで決まります。32戸の新築マンションに40Aを1台という構成の実例があります。
元栓1本で、建物じゅうの水を変える
水道メーターの二次側に、ノズルを1台入れます。そこから先を通る水が、ウルトラファインバブルを含んだ水になります。台所・洗面・浴室・洗濯機まで、元栓を通る水がすべて対象です。
ウルトラファインバブルは直径1マイクロメートル未満の泡で、肉眼では見えません。小さすぎて浮き上がらず、水中をただよい続けるため、元栓に入れた1台の効きが建物の端の蛇口まで届きます。
戸数が増えても台数は1台のまま
各戸に配る設備は、戸数ぶんの費用と、戸数ぶんの管理が付いてきます。誰の部屋に何が付いているか、紛失していないか、退去時に残っているか。この管理が、戸数に比例して増えます。
元栓側に1台なら、その台帳が要りません。紛失も持ち去りもなく、入退去のたびに確認する項目も増えません。
電源も薬剤も要らない
水道の水圧だけでウルトラファインバブルを作り続ける構造です。コンセントも配線も要らず、薬剤の補充もありません。可動部と消耗品がないので、フィルターの交換もありません。
これは維持費の話だけではありません。修繕計画に「毎年の点検」「消耗品の発注」の行が増えないということです。管理会社さまへの引き継ぎも、設備台帳に1行足すだけで済みます。
水圧の減水率は約5%
泡を増やすと水圧が下がる、水圧を保つと泡が出ない。この二律背反を、流路を分けて合流させるデュアル構造の特許(特許第6182715号)で両立させています。減水率は約5%です。
給水装置としての認証も取っています。日本水道協会(JWWA)の認証とJETマークの両方で、給水装置としての認証は日本初です。飲む水の系統にそのまま入れられます。
費用と、戸数で割った1戸あたりの金額
本体と工事費を足した総額を、戸数で割ると次のようになります。口径は戸数ではなく建物への引き込みで決まるので、下の表は「その口径1台でまかなえる建物」に入れた場合の金額です。
メーターまわりの仕上げによっては、復元の費用が別に必要です
水道メーターの周りが意匠性の高いタイルや石材で仕上げてある場合、掘ったあとに元どおりへ戻す費用がかかります。現地の仕上げを見ないと金額が出せないので、写真をいただいた段階でお伝えします。
この総額のあとに、毎年かかるものはありません。電源も薬剤もフィルターも使わないためです。
| 口径 | 主な対象 | 本体(税抜) | 工事費の目安 | 総額 | 戸数で割ると |
|---|---|---|---|---|---|
| 25A | 小規模の建物 | 600,000円 | 50,000〜60,000円 | 650,000〜660,000円 | 8戸なら約82,500円/12戸なら約55,000円 |
| 40A | 中〜大規模の建物 | 2,500,000円 | 150,000円 | 2,650,000円 | 24戸なら約110,400円/32戸なら約82,800円 |
| 50A | 大規模の建物 | 3,500,000円 | 150,000円 | 3,650,000円 | 50戸なら約73,000円/80戸なら約45,600円 |
出典:自社の価格表と工事費表(2026-09-26 時点)。税抜。
何で回収するのか
回収は家賃を上げることだけではありません。空室が1室、1か月ぶん短くなるだけでも、失わずに済む金額があります。
たとえば24戸に40Aを1台(総額2,650,000円)入れたとして、家賃80,000円の部屋で年に4室ぶん空室が1か月ずつ短くなれば、年320,000円です。この見方を置くと、設備の判断が家賃の上げ下げと切り離せます。
| 家賃 | 空室が1か月短くなると | 年に2室で | 年に4室で |
|---|---|---|---|
| 50,000円 | 50,000円 | 100,000円 | 200,000円 |
| 65,000円 | 65,000円 | 130,000円 | 260,000円 |
| 80,000円 | 80,000円 | 160,000円 | 320,000円 |
| 120,000円 | 120,000円 | 240,000円 | 480,000円 |
この表は計算の例です。ご自身の家賃と、いまの平均空室期間を入れて確かめてください。
工事の条件と、募集図面への書き方
工事するのは水道メーターの周りだけです。満室で稼働している建物でも進められます。
- 断水は1〜2時間(工事全体は3時間〜半日)
- 各戸への立ち入りは一切なし
- 1か所あたり半日
- 車が通る場所にメーターがある場合は、埋め戻しの養生が要る
設備欄には何と書くか
検索条件の一覧にない設備なので、設備欄の空きか、備考・フリーコメントに書くことになります。「全戸ウルトラファインバブル水(元栓一体型)」のように、対象の範囲が分かる書き方にします。
効き目をうたう書き方はしません。設備として何が対象になるかだけを書きます。仲介会社さまに渡す説明メモの文面は、募集図面の書き方の記事にまとめています。
よくあるご質問
退去のときに原状回復の対象になりますか
なりません。元栓側に付ける建物の設備なので、入居者の入退去とは関係しません。各戸の器具にも手を入れないので、入居者が返す対象にも入りません。
管理会社を通したほうがよいですか
どちらでも進められます。工事日の告知と立ち会いをどちらが持つかだけ、先に決めておいてください。見積もりでは、本体・工事・保証の内訳と、故障したときの窓口がどこかをご確認ください。
10年保証の中身を教えてください
メーカー保証2年と、当社の延長保証8年を合わせて10年保証です。窓口は当社ひとつです。
見積もりにはどんな情報が要りますか
水道メーターの周りの写真、口径の表示、建物の全景の3枚があれば概算をお出しできます。図面があれば、あわせてお送りください。
築年数が古い建物でも入れられますか
入れられます。判断するのは築年数ではなく、引き込みの口径とメーターまわりの作業スペースです。ただし配管そのものが交換の時期に来ている場合は、先に更新工事の可否を確かめるほうが順序として早いです。
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ご相談とお見積もりは無料です。写真で判断できることも多く、必要な場合は現地を拝見します。


