この記事の結論
内見での「なんか臭う」は、原因が2つに分かれます。水を流せば数分でおさまる封水切れと、水を流しても発生源が残る配管のぬめりです。
封水切れは内見前の通水で直りますが、ぬめりは通水だけでは消えません。どちらが起きているかを見分けることが、対応の第一歩になります。
内見で「なんとなく臭う」と言われて終わる部屋を、原因の切り分けから見直したいオーナーさま向けの記事です。
内見で「臭う」と言われて終わる部屋には共通点がある
内見の担当者から「なんとなく臭う」という感想だけが返ってきて、原因がはっきりしないまま次の内見を迎える。この状態が続く部屋には、共通点があります。原因が1つではなく、封水切れと配管のぬめりという、性質の違う2つが同じ「臭う」という感想の中に混ざっていることです。
この2つは、直し方がまったく違います。片方は水を流すだけで直り、もう片方は通水だけでは直りません。混ざったまま「なんとなく臭う部屋」として扱っていると、直せるはずの封水切れまで、直せないもののように見えてしまいます。
原因1:封水切れ|空室の間、水が流れていないだけ
封水(ふうすい)とは、排水口の内側にたまっている水のことです。この水が、下水管とお部屋の間にふたをして、下水のにおいや虫が上がってくるのを防いでいます。
空室の間は誰も水を使わないため、封水は少しずつ蒸発していきます。ふたの役目をする水がなくなると、下水のにおいがそのまま上がってきます。これは配管の汚れとは関係のない現象で、水を流せば封水はすぐに戻ります。
原因2:配管のぬめり|流しても戻ってくる場合
通水してもにおいが消えず、数日でまた臭う場合は、封水切れではなく、排水管の内側に付いた汚れ(バイオフィルム、いわゆるぬめり)が発生源になっています。
前の入居者さまが使っていた間に、皮脂や洗剤の残り、髪の毛などが配管の内側に少しずつ付着し、そこに臭いのもとが住み着きます。この膜は水を1回流した程度では剥がれず、発生源として残り続けます。
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内見前にできる、封水切れの直し方
封水切れは、対象の排水口に水を1〜2分ほど流すだけで直ります。台所・洗面・浴室・洗濯機・トイレ、すべての排水口が対象です。1か所だけ直しても、ほかの排水口の封水切れは残ります。
空室が続く部屋ほど、内見のたびにこの作業が必要になります。巡回の際に主要な排水口へ通水しておくと、内見直前に慌てて回る手間が減ります。
もう少し詳しく:巡回できる時間が限られるとき
空室のすべてを毎回まわりきれない場合は、内見の予定が入っている部屋を最優先にします。次に空室期間がいちばん長い部屋、そして配管の末端に近い部屋の順に回ると、限られた時間でも対応の効果が出やすくなります。
ぬめりのほうは、内見の直前対応では戻らない
配管の内側に付いた汚れは、通水では剥がれないため、内見の当日にできることはほとんどありません。物理的に洗浄するか、日頃から汚れが付きにくい状態を保っておくかのどちらかになります。
水の側から手当てする方法もあります。マイナスに帯電したウルトラファインバブルが、汚れの粒子に吸着して配管の面に付く力を弱め、水の流れで剥がれやすくします。配管の内側をウルトラファインバブルが覆うことで、汚れが再び付着するのを抑える働きも期待できます。この対策は入居中から続けておくもので、内見の前日に整うものではありません。
空室期間が長い部屋ほど、この2つが重なりやすい
空室期間が長い部屋ほど、封水切れとぬめりの両方が重なりやすくなります。誰も使わないので封水は切れやすく、前の入居者さまの間に付いた汚れも、そのまま手つかずで残っているからです。
内見で臭いを指摘されたときは、まず通水して封水切れの分を切り分け、それでも残るにおいがあれば、配管側の対策として検討します。建物の水回りの印象全体をどう整えるかは、親記事にまとめています。
どちらの原因かを毎回1から考えるのではなく、この2つに分けて確認する手順を巡回担当の間で共有しておくと、報告のばらつきも減ります。内見の前後で気づいたことを簡単にメモしておくだけでも、次に活きます。
よくあるご質問
封水切れは何もしなくても戻りますか?
はい。水を流せば、通常は数分から数十分で封水が戻り、においはおさまります。ただし空室中に何度も封水切れが起きる部屋では、内見のたびに同じ対応を繰り返すことになります。
ぬめりが原因かどうかは、どう見分けますか?
水を1〜2分流したあと、においが引くかどうかで見分けられます。封水切れなら通水で消え、ぬめりが原因の場合は通水後もにおいが残ります。
内見前は毎回、水を流しに行く必要がありますか?
空室期間が長い部屋ほど、その必要が出てきます。巡回の際に主要な水回りへ通水しておくと、内見直前の対応を減らせます。
ぬめりを解消するには、清掃しかありませんか?
高圧洗浄などの物理的な清掃が対応方法の1つです。あわせて、給水側の対策で汚れの再付着を抑える方法もあります。
全戸でまとめて対策できますか?
給水の元栓に設置するタイプの設備なら、建物の給水系統全体が対象になり、各戸を個別に工事する必要はありません。
巡回の記録は残しておいたほうがよいですか?
残しておくと、内見の直前対応だけでなく、封水切れが起きやすい部屋の傾向も見えてきます。次回以降の巡回の優先順位づけに使えます。
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