この記事の結論
全戸にシャワーヘッドを配る方法と、元栓直下に1台付ける方法の違いは、対象になる水の範囲と、戸数が増えたときの費用です。シャワーヘッドを配ると浴室のシャワーだけが変わり、戸数ぶんの費用と、紛失や交換の管理が続きます。元栓直下に1台付けると、台所・洗面・浴室・洗濯機まで元栓を通る水すべてが対象になり、戸数が増えても台数は1台のままです。
初期費用だけなら、シャワーヘッドを1個25,000円とした場合、12戸までは配るほうが安く収まります。
全戸の水回りに手を入れたい賃貸オーナーさまに向けて、各戸にシャワーヘッドを配る方法と、元栓直下に1台方法を、金額・対象になる場所・手間の3点で並べました。
2つの方法を、同じ表で比べる
入居者さまが毎日使う水に手を入れる方法は、大きく2つあります。各戸にシャワーヘッドを配るか、建物の元栓直下に1台かです。
シャワーヘッドについての記事の多くは、入居者さまに向けたものです。「賃貸でも交換できるのか」「退去のときに元に戻すのか」という話で終わっていて、オーナーさまが全戸ぶんを負担したときにどうなるかは書かれていません。ここではその前提で比べます。
初期費用だけで決めると、あとから足りなくなる
金額だけを見ると、戸数が少ない物件ではシャワーヘッドを配るほうが安く済みます。ただ、入居者さまの不満が浴室のシャワーだけに集まっているかどうかは、別の話です。
退去のときに出てくる水回りの指摘は、台所の排水口、洗面台、洗濯機の周り、浴室の4か所に散らばります。どこまでを対象にしたいのかを決めてから、金額を見てください。
| 比べる項目 | 各戸にシャワーヘッドを配る | 元栓直下に1台 |
|---|---|---|
| 対象になる場所 | 浴室のシャワーだけ | 台所・洗面・浴室・洗濯機まで、元栓を通る水すべて |
| 戸数が増えたとき | 戸数ぶん増える | 1台は1台のまま |
| 入居者さまの手間 | 自分で付け替える。外した純正品の保管も必要 | 何もしない。工事の日の在室も不要 |
| 交換の予定 | 数年ごとに買い替えるかどうかの判断が来る | 可動部と消耗品がないので、交換の予定を組まない |
| 紛失・持ち去り | 退去後に無くなっていることがある | 建物側の設備なので動かない |
| 水圧 | 製品によって下がることがある | 減水率は約5% |
| 募集図面での見せ方 | 写真が撮れる。目に見える | 設備の名前で書く。内見では蛇口で見せる |
シャワーヘッドを配ると、どこまで変わるか
浴室のシャワーから出る水が変わります。入居者さまが付け替えた日から変わります。工事も断水もありません。ここは、この方法のはっきりした利点です。
対象は浴室のシャワーだけ
台所で洗い物をする水、洗面台の水、洗濯機に入る水は変わりません。排水口のぬめりも、浴室の床の排水口だけが対象になります。
台所の排水口と洗濯槽は、退去のときに写真を撮られやすい場所です。ここが対象外であることは、先に把握しておくほうが判断が早くなります。
紛失・持ち去り・自己交換が起きる
配ったものは、戸ごとの備品になります。退去後の点検で無くなっていれば補充することになり、そのぶんの手間と費用が毎回発生します。
入居者さまがご自分の好きなシャワーヘッドに替えてしまうこともあります。悪意ではなく好みの問題なので、止めることはできません。配った設備が使われているかどうかを、オーナーさまが確かめる手段がありません。
数年ごとに買い替えるかどうかの判断が来る
シャワーヘッドは器具です。パッキンが劣化し、内部に汚れが溜まります。何年で替えるかは製品と使い方で変わるので、ご自身で周期を置いて計算してください。
計算の形はこうです。1個の単価 × 戸数 × 10年のあいだの交換回数。ここに、退去のたびの点検と補充の手間を足します。この合計と、元栓直下に1台場合の総額を比べると、判断の材料がそろいます。
元栓直下に1台と、どこまで変わるか
元栓型の方式では、水道メーターのすぐ先に装置を1台付け、そこから建物に分かれていく水をまとめて対象にします。引き込みが1系統の建物なら、必要なのは1台だけです。
台所・洗面・浴室・洗濯機まで、元栓を通る水がすべて対象になる
排水口のぬめりが出にくくなると、掃除がラクになります。そこで止めずに、もう一段先まで見てください。退去のときに原状回復として見積もりに上がる範囲が小さくなり、立ち会いでの話し合いが短くなります。
給排水管の内側に汚れが付きにくくなると、詰まりや赤水で呼ばれる件数が減ることにつながります。管理会社さまの緊急対応と巡回の工数が減り、他の物件へ人を回しやすくなります。
入居者さまは何もしなくてよい
付け替えも、説明書も、元の器具の保管も要りません。入居者さまが気付かないまま、蛇口をひねるだけで対象になります。
配らないので、紛失も持ち去りも起きません。設備管理台帳に載るのは1台だけで、戸数が増えても行数は増えません。
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戸数が増えるほど差が開く理由
シャワーヘッドは戸数ぶん要ります。元栓型は1台です。この違いがそのまま金額の形になります。
表は、シャワーヘッドの単価を1個25,000円と置いた場合の計算です。単価はご自身が検討している製品の金額に置き換えてください。
口径は戸数ではなく、引き込みの太さで決まる
表の口径は目安です。実際には、水道メーターの口径と系統を見て決めます。製造元が公開している例に、32戸の新築マンションを40A 1台でまかなった構成があります。
初期費用だけで見れば、12戸までは配るほうが安く収まります。ただ表の左と右は、対象になる場所が違います。左は浴室のシャワー1か所、右は元栓を通る水すべてです。金額の差だけでなく、対象が浴室のシャワー1か所か、元栓を通る水すべてかの違いを合わせてご判断ください。
| 戸数 | 各戸にシャワーヘッドを配る(1個25,000円の場合) | 元栓型1台(口径と総額・税抜) |
|---|---|---|
| 6戸 | 150,000円 | 25A / 650,000〜680,000円 |
| 12戸 | 300,000円 | 25A / 650,000〜680,000円 |
| 24戸 | 600,000円 | 40A / 2,650,000円 |
| 32戸 | 800,000円 | 40A / 2,650,000円 |
| 50戸 | 1,250,000円 | 50A / 3,650,000円 |
この表は計算の例です。シャワーヘッドの単価はよく見かける価格帯を置いたもので、ご自身の数字を入れて確かめてください。税抜。
どちらを選ぶかは、物件の条件で決まる
条件を6つ並べます。ご自身の物件に当てはまる行を探してください。
| 物件の条件 | 向いている方法 | 理由 |
|---|---|---|
| 戸数が10戸以下で、浴室の印象だけ変えたい | 各戸にシャワーヘッド | 初期費用が小さく、その日から使える |
| 単身向けで、内見のときに見せる一点が欲しい | 各戸にシャワーヘッド | 目に見えて、写真が撮れる |
| ファミリー向けで、台所と洗濯機の水も変えたい | 元栓型1台 | 対象が浴室に限られない |
| 築年が古く、水回り全体の印象を上げたい | 元栓型1台 | 排水口4か所すべてが対象になる |
| 入居者さまの入れ替わりが早い | 元栓型1台 | 配布・回収・補充が発生しない |
| 管理の手間を1本にまとめたい | 元栓型1台 | 台帳が1行で済み、窓口も1つ |
次に確かめること
どちらを選ぶ場合でも、手元にそろえておくと話が早い情報があります。
- 戸数と、間取りの種類(単身向けかファミリー向けか)
- 水道メーターの口径の表示と、メーター周りの写真
- 受水槽があるかどうか
- いまの平均空室期間と、退去のたびに水回りで上がっている見積もりの項目
- シャワーヘッドを検討している場合は、その製品の単価と水圧の記載
よくあるご質問
オーナーが負担して全戸にシャワーヘッドを配ると、いくらかかりますか
1個の単価に戸数を掛けた額です。単価25,000円で12戸なら300,000円になります。これに、退去のたびの点検と、無くなっていた場合の補充が続きます。
元栓直下に1台ら、各戸のシャワーヘッドは交換しなくてよいのですか
交換は要りません。元栓を通った水がそのまま蛇口とシャワーから出るので、器具は今のままで対象になります。
元栓直下に設備は、退去のときに原状回復の対象になりますか
なりません。建物側の設備なので、入居者さまの入退去とは関係しません。配ったシャワーヘッドは戸ごとの備品になるため、こちらは点検の対象になります。
水圧は下がりませんか
ほとんど下がりません。UFB DUAL® の減水率は約5%です。泡の発生量と水圧の維持を両立させるために、流路を分けて再び合わせるデュアル構造のノズル(特許第6182715号)を使っています。
戸数が少ない物件では、どちらが安いですか
初期費用だけを見れば、12戸あたりまでは各戸にシャワーヘッドを配るほうが安く収まります。対象が浴室のシャワーだけになる点と、数年ごとの買い替えの判断が来る点を合わせてお考えください。
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