茹で湯の入れ替えにかかる費用は、注ぐ水の上下水道料金、沸かし直す燃料、釜が止まっている時間、排水の負荷の4つに分かれます。この4つを足すと、1回あたりの原価が出ます。
回数は、濁りと粘りを誰がどう見るかで決まります。茹で湯の濁りとでんぷんの流出が抑えられることは、その回数を見直す検討材料になります。
うどんの茹で釜を持つ工場で、湯替えの回数が多いことは分かっているのに金額で語られていない、という状態を解くための記事です。生産管理と原価のご担当者さま向けに、数え方から書きました。
湯替え1回の原価を、4つに分けて数える
現場では「濁ってきたから替える」で決まりますが、その1回には4種類の費用が乗っています。まとめて見るとぼやけるので、分けて数えます。
- 注ぐ水:釜の容量ぶんの上水と、それに連動する下水の料金
- 沸かし直す燃料:常温の水を沸点まで上げるボイラーの燃料費
- 止まっている時間:注水から再沸騰までの間、その釜が生産しない時間
- 排水の負荷:除害設備の運転と、下水道料金に効く有機物の量
| 数える項目 | 数え方 | 自社の数字 |
|---|---|---|
| 注ぐ水 | 釜の容量(m3)×(上水単価+下水単価) | |
| 燃料 | 釜の容量 × 温度差 × 燃料単価 ÷ ボイラー効率 | |
| 止まった時間 | 注水から再沸騰までの分 × その釜の1分あたり生産額 | |
| 排水の負荷 | 除害設備の運転費と、有機物量に連動する費用 | |
| 1回の原価 | 上の4つの合計 |
この表は計算の例です。ご自身の数字を入れて確かめてください。
1回の原価を、年額に伸ばす
1回の原価が出たら、1日の回数と釜の台数、稼働日数を掛けます。ここで初めて、湯替えが設備投資の判断と同じ桁で並びます。
たとえば1日に4回替えている釜が3台、稼働が年間280日なら、年間3,360回です。1回の原価が仮に1,000円なら年間336万円、2,000円なら672万円になります。自社の単価を入れると、この桁が見えます。
この数字を出すと、会議の議題が変わります。「濁りをどうするか」ではなく、「何回に減らせるなら、いくら戻るか」という問いになるからです。
| 数える項目 | 数え方 | 自社の数字 |
|---|---|---|
| 1日の湯替え回数 | 1釜あたりの回数 × 釜の台数 | |
| 年間の回数 | 1日の回数 × 稼働日数 | |
| 年額 | 1回の原価 × 年間の回数 | |
| 1回減らしたときの差 | 1回の原価 × 釜の台数 × 稼働日数 |
この表は計算の例です。ご自身の数字を入れて確かめてください。
湯替えの回数は、いま何を見て決めているか
多くの現場で基準は、濁り、粘り、におい、そして泡の立ち方です。いずれも見た目と手ざわりで、判断するのはその時間帯の担当者です。
だから同じラインでも、人によって替えるタイミングが前後します。早めに替える人と、限界まで使う人がいて、記録には回数だけが残ります。金額で見えていないので、どちらが正しいかを議論する材料もありません。
最初にやることは、濁りの判断を測れる形にすることです。濁度計でもよく、同じ照明の下で同じ容器に汲んで写真を残すだけでも、人による差は小さくなります。
濁りが抑えられると、判断の基準はどう動くか
ウルトラファインバブルを含んだ水で茹でると、でんぷん質の茹で崩れが抑えられます。崩れが減れば、湯に溶け出すでんぷんの量も抑えられることが期待できます。
濁りの進み方が緩やかになれば、同じ基準で判断しても、次の湯替えまでの時間が伸びます。回数を決めていた条件そのものが動くので、回数を見直す検討材料になります。
どこまで伸びるかは、食材と調理条件、水質で変わります。数字は自社の釜で取るのがいちばん確かです。基準を測れる形にしてあれば、その記録が根拠になります。
同じ湯で、うどんそのものも変わる
変わるのは湯だけではありません。ウルトラファインバブル水で茹でたうどんは、でんぷん質の茹で崩れが抑えられ、食感とおいしさの持続時間が長くなります。
これは冷めた状態で食べられる商品でいちばん意味を持ちます。弁当とテイクアウトでは、盛り付けてから食べられるまでに時間があり、そこで麺の状態が変わります。持続時間が伸びれば、その振れ幅が小さくなります。
効果が確かめられているのは、うどんです。炊飯では、炊きたての香気成分が増え、冷めたときのすえた臭いが軽くなる結果が出ています。
回数が減ると、どこまで効いてくるか
1段目は、湯に溶け出すでんぷんが抑えられることです。2段目は、湯替えの回数を見直せることと、排水に出ていく有機物の量が減ることです。
3段目が、工場の数字です。上水と下水の料金、沸かし直しの燃料、釜が止まっていた時間が同時に動きます。排水中の有機物が減れば、除害設備の負荷も軽くなる方向です。
排水管の内側は、いちばん変化が遅い場所です。壁面への付着と堆積が緩やかになれば、詰まりのリスクが下がり、餌源となる有機物の残留を抑えることは、防虫管理の負担軽減につながります。
ラインでの確かめ方と、費用
同じ釜で、水だけを変えます。麺の種類、投入量、茹で時間、湯の温度はそろえます。見るのは濁度と、次の湯替えまでの時間の2つです。回数の判断はいまの基準のままにしておき、結果が出てから基準を動かします。
茹で釜の系統だけに入れることもできます。元栓で工場全体を対象にする場合は、口径で価格が決まり、40Aが2,500,000円、50Aが3,500,000円(税抜)です。工事費は150,000円程度が基準になります。
水が止まるのは1〜2時間です。配管を切って UFB DUAL® をつなぎ込んだあと、接着剤が固まるまで通水できないためです。全体は3時間〜半日なので、計画停止の日に入ります。保証は計10年で、消耗品と電源は要りません。
よくあるご質問
湯替えの回数はどのくらい減りますか
食材と調理条件、水質で変わります。濁りの進み方が緩やかになる方向なので、まず濁度と次の湯替えまでの時間を記録し、自社の釜で幅を出してください。
釜を止めずに導入できますか
取り付けのあいだ水が止まるのは1〜2時間です。配管をつないだ接着剤が固まるまで通水できないためで、全体は3時間〜半日です。計画停止や休日に合わせて組めます。
茹で釜の系統だけに入れられますか
入れられます。元栓で工場全体を対象にするほか、洗浄用の系統だけ、加工場だけ、という範囲を限った設置もできます。対象を絞ると口径も小さくなります。
いくらかかりますか
40Aが本体2,500,000円、50Aが本体3,500,000円(税抜)で、工事費は150,000円程度が基準です。水道メーターまわりの仕上げが石材やタイルの場合は、復元の費用が別に必要になります。製品代と工事代を明らかにし、お見積もりで提出した以上の金額は一切頂きません。
お見積もりには何が要りますか
水道メーターまわりの写真、口径の数字が読める写真、対象にしたい系統が分かる資料があれば概算をお出しできます。給排水の図面があれば、あわせてお送りください。
この記事に書いていないことは、直接お聞かせください。
ご相談とお見積もりは無料です。写真で判断できることも多く、必要な場合は現地を拝見します。


