この記事の結論
茹で湯の濁りは、麺の表面から溶け出したでんぷんと打ち粉、小麦のたんぱく質の一部です。濁りが進む速さは、主に麺の種類(生・半生・冷凍)、湯量に対する1回の投入量、投入で下がった湯温が戻るまでの時間、茹で時間で変わります。
茹で水をウルトラファインバブルを含む水にすると、うどんの茹で崩れが抑えられ、湯の濁りとでんぷんの流出も抑えられます。濁りの進み方が緩やかになれば、同じ基準で判断しても、入れ替えや差し水までの時間が延びることが期待できます。
うどんの茹でラインで、湯の濁りが早く、入れ替えや差し水に追われている食品工場の製造・品質のご担当者さま向けに、濁りを決めている条件を工程の言葉で並べました。
濁っているものの正体
茹で湯が白く濁るのは、麺の表面から湯に移ったでんぷんと、麺どうしがくっつかないように付けた打ち粉が溶け広がるためです。小麦のたんぱく質の一部も溶け出し、湯に粘りを加えます。
濁った湯は粘りが増し、泡が立ちやすくなります。麺の表面にまとわりつくと、茹で上がりのぬめりや、ほぐれの悪さにつながります。濁りは見た目だけの問題ではなく、製品の状態と結びついています。
濁りが進む速さを決めている条件
同じ釜でも、濁る速さは条件で大きく変わります。現場で変えられるものと変えられないものを分けて見ると、手を付ける順番が決まります。
- 麺の種類:生・半生・冷凍で、表面のでんぷんと打ち粉の量が違う
- 投入量:湯量に対して1回に入れる麺が多いほど、溶け出す量が増える
- 湯量:同じ投入量でも、湯が多いほど濃さの上がり方は緩やか
- 温度:投入で下がった温度が戻るまでのあいだ、表面がふやけやすい
- 時間:茹で時間が長いほど、表面から出ていくでんぷんが増える
濁った湯を抜いて足す運用
濁りを一定に保つために、釜の下から濁った湯を抜き、同じ量の湯や水を足していく運用があります。全部を入れ替えるより止まる時間が短く、湯の状態を一定に近づけられます。
その代わり、足した水の分だけ温度が下がり、戻すための燃料がかかります。抜いた湯は排水に回るので、水の量とでんぷんを含んだ排水の量は、入れ替えと同じように積み上がっていきます。どれだけ抜いているかを記録しておくと、全部の入れ替えと比べられます。
くわしいご案内茹で湯を1回入れ替えるのに、いくらかかっているか|水・燃料・止まった時間で数える
水の側で変わるところ
茹で方を変えずに、水の中身を変える方法があります。湯の濁りを左右するのは、表面からでんぷんが出ていく量です。直径1マイクロメートルより小さく、目に見えないまま水にとどまる泡をウルトラファインバブルと呼び、この泡を含む水で茹でると、うどんの茹で崩れが抑えられ、湯の濁りとでんぷんの流出も抑えられます。
UFB DUAL® は給水の系統に取り付けて、この水をつくる設備です。茹で釜の系統だけに入れることもでき、水圧と水量はほぼそのままなので、注水にかかる時間も変わりません。濁りの進み方が緩やかになれば、同じ基準で判断しても、次の入れ替えや差し水までの時間が延びることが期待できます。
変わらないところ
投入量が多ければ、湯は濁ります。濁りの進み方が緩やかになっても、入れ替えや差し水そのものが要らなくなるわけではありません。
濁りが抑えられることが確かめられているのは、うどんです。どこまで緩やかになるかは麺の配合と茹で条件で変わるので、自社の釜で、麺と投入量と時間をそろえたうえで確かめるのがいちばん確かです。
濁りの記録から、次に数えるもの
濁りを抑える手を選ぶ前に、いまの濁り方を記録しておくと、後の判断が速くなります。記録するのは、入れ替えの時刻、そのときの湯の写真か濁度、前回から入れた麺の量の3つです。
この記録がそろうと、1回の湯で何分、何玉まで使えているかが見えます。そこに湯替え1回の原価を掛ければ、濁りの進み方が1割緩やかになったときに年間でいくら変わるかを、自社の数字で試算できます。原価の数え方は茹で湯を1回入れ替える費用の記事で、判断の基準の作り方は湯替えの判断の記事で扱っています。
工場の担当者どうしで話すときも、濁りを「早い」「遅い」ではなく「何分で基準の濁度に届いたか」で言えるようになります。水や投入量を変えたときの差を比べる物差しにもなるので、設備の検討より先に始めておく価値があります。
よくあるご質問
茹で湯が早く濁るのはなぜですか
湯量に対する投入量が多い、打ち粉が多い、投入で温度が下がって戻るまでに時間がかかる、といった条件が重なると早く濁ります。まず1回の投入量と湯量の比を確かめてください。
差し水で濁りを抑えるのと、全部入れ替えるのはどちらがよいですか
差し水は止まる時間が短い一方、温度を戻す燃料と排水が積み上がります。どれだけ抜いて足しているかを記録すると、全部の入れ替えと費用で比べられるようになります。
水を変えると湯は濁らなくなりますか
濁らなくなるわけではなく、濁りの進み方が緩やかになる方向に働きます。投入を続ければ湯は濁るので、入れ替えは続きます。ウルトラファインバブルを含む水では、うどんの茹で崩れと湯の濁り、でんぷんの流出が抑えられます。
茹で釜だけに入れられますか
入れられます。工場全体の元栓のほか、茹で釜につながる系統だけに取り付けることもできます。対象を絞ると口径が小さくなり、工事の範囲も小さくなります。
取り付けの工事で茹でラインは止まりますか
止まるのは、水を止める1〜2時間です。配管を切って器具をつなぎ込んだあと、接着剤が固まるまで水を通さないためで、作業全体は3時間〜半日です。定期の停止日や休日に合わせて組めます。
濁りを抑えるために打ち粉を減らしてもよいですか
打ち粉は麺どうしの付着を防ぐためのものなので、減らすと茹でる前の工程でくっつきが出ることがあります。変えるときは1つずつにして、茹で上がりの状態と湯の濁り方を同じ記録で比べてください。
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