この記事の結論
食品工場でナノバブルが役に立つのは、茹で、洗浄、排水の3つの工程です。茹ででは、うどんの茹で崩れと湯の濁りが抑えられ、洗浄では汚れが面に付く力が弱まり、排水管では時間をかけて内側がきれいになっていきます。
「効かない」と言われるのは、泡が目に見えないこと、装置の種類で水が変わる範囲が違うこと、変化が表れるまでの期間より前に判断していることが重なったときです。工程ごとに見る期間を決めて、取り付けの前後の記録で確かめられます。
ナノバブルの設備を勧められたが、本当に効くのか、怪しくないのかを確かめたい食品工場の工場長・品質保証のご担当者さま向けに、工程ごとに何が起きるかを書きました。
「効かない」と言われる理由は、たいてい同じところにある
ナノバブルに効果がないという声を並べると、理由はだいたい3つに分かれます。泡が見えないので入っているのか分からない、装置によって水が変わる範囲が違うのに同じものとして比べている、変化が表れるまでの期間より前に判断している、の3つです。
どれも、装置の良し悪しより先に、確かめ方の問題です。何をどの期間で見るかを決めずに入れると、変化があっても記録に残らず、効かなかったという印象だけが残ります。一般論としての根拠と研究の状況は、別の記事でくわしく書いています。
泡が目に見えないこと
国際規格のISO 20480-1は、水中の泡を直径で分け、1マイクロメートル未満のものをウルトラファインバブルとしています。一般にナノバブルと呼ばれているのは、この大きさの泡です。この記事では、ナノバブル(ウルトラファインバブル)をナノバブルと書きます。
UFB DUAL® がつくるナノバブルは、中心の粒径が約150〜200ナノメートルです。この大きさの泡は水を白く濁らせず、目では見えません。浮き上がる力より水の分子の動きのほうが勝つため、浮かんで消えずに水の中にとどまります。泡の表面は約−20〜−40ミリボルトのマイナスに帯電していて、泡どうしが反発して合わさりにくくなっています。
見えないので、効いているかは水の見た目ではなく、工程の記録で確かめることになります。
据置・循環型と、元栓一体型で対象が違う
ナノバブルの装置には、タンクの水を循環させながら泡をつくる据置型と、給水管の途中に取り付けて通る水に泡をつくる元栓一体型があります。据置型は、そのタンクの水や、つないだ設備に向いています。
元栓一体型の UFB DUAL® は、取り付けた給水管の先のすべての蛇口の水を変えます。茹で釜、洗浄、洗い場まで同じ水になるので、工場では工程ごとに装置を置かずに済みます。電源も薬剤も使わず、水道の水圧だけで、約0.05MPaの低い水圧でも泡をつくります。比べるときは、どの範囲の水が変わる装置なのかをそろえることが先です。
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工程ごとに、何が起きるか
食品工場で変化が記録に現れるのは、次の3つの工程です。どれも、汚れや成分と水の境目で起きることです。
茹で
ナノバブルを含む水でうどんを茹でると、でんぷん質の茹で崩れが抑えられ、食感とおいしさの続く時間が長くなります。湯の濁りとでんぷんの流出も抑えられるので、入れ替えの回数を見直す材料になります。
洗浄
マイナスに帯電した泡が汚れに吸着し、面にくっつく力を弱めて水流で離れやすくします。落ちた汚れが再び付くのも抑えます。すすぎやつけ置きのように、水で汚れを離す工程で差が出ます。
排水
排水管の内側では、汚れの付着と堆積が緩やかになる方向に働きます。ここは変化がいちばん遅い場所です。
時間がかかること(排水の側は半年以上)
変化が記録に現れるまでの期間は、工程ごとに違います。茹で湯の濁りやすすぎの落ち方は、使い始めてから比較的早く差が出ます。
排水管の内側は時間がかかります。食品工場の排水管では、取り付けてすぐは変化がなく、6か月を過ぎた頃から清浄化が進みました。数週間で判断すると、この場所の変化は見落とします。見る期間を工程ごとに分けておくことが、効いたかどうかを正しく判断する条件です。
工場で確かめられる項目
確かめるときは、同じ工程で変えるのを水だけにして、取り付けの前後で同じ記録を取ります。泡が見えなくても、工程の数字で差を見られます。
- 茹で:湯の濁度、次の入れ替えまでの時間、茹で上がりの重さ
- 洗浄:工程ごとの時刻、洗浄後の写真と拭き取りの結果
- 排水:排水溝と升の状態の写真。半年以上を区切りにする
- 水圧:末端の蛇口の水圧と、CIPの給水の流量。減水率は約5%
よくあるご質問
ナノバブルは本当に入っているのですか
入っています。メーカーの測定では、泡の中心の粒径は約150〜200ナノメートルで、目には見えません。水を白く濁らせないので見た目では分からず、確かめるのは工程の記録です。茹で湯の濁り方やすすぎの落ち方の差で見ます。
食品工場で効果が出にくい工程はありますか
水が汚れや成分に触れない工程では、変化は出にくくなります。変化が記録に現れるのは、茹で、洗浄、排水のように、水が汚れや成分に触れる工程です。排水管の内側は時間がかかり、食品工場の排水管では6か月を過ぎた頃から変化が見え始めた事例があります。
泡がはじけて汚れを落とすのですか
はじける力で落とすのではありません。マイナスに帯電した泡が汚れに吸着して、面にくっつく力を弱め、水流で離れやすくします。泡は浮かんで消えずに水の中にとどまります。
据置型の装置とどちらがよいですか
水が変わる範囲が違います。据置型はつないだタンクや設備に、元栓一体型は取り付けた給水管の先のすべての蛇口に向いています。工場全体か特定の設備かで選んでください。
工場で試してから決められますか
できます。茹で釜や洗浄の系統だけに限って取り付け、記録で確かめてから範囲を広げる進め方ができます。系統の給水管が25Aなら、本体600,000円(メーカー希望小売価格850,000円・税抜)、工事費50,000〜80,000円が目安です。
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