この記事の結論
食品工場の水道代とガス代は、茹で湯を入れ替える回数から見直すのが、設備を大きく替えずに始められる方法です。湯を1回捨てるたびに、上水と下水の料金、常温の水を沸点まで上げ直す燃料、釜が止まる時間が同時に出ていくからです。
まず釜の容量、1日の入れ替え回数、台数、稼働日数から、年間に捨てている湯の量と金額を数えます。茹で水をウルトラファインバブルを含む水にすると、うどんの茹で湯の濁りとでんぷんの流出が抑えられ、入れ替えの回数を見直す検討材料になります。
本社から製造原価とユーティリティの削減案を求められている工場長・製造部長さま向けに、水源を替える大きな投資の前にできることを、工程の順に並べました。
削減案として出てくる手段を、投資の大きさで並べる
水道代の削減を調べると、自家水道や地下水の膜ろ過、排水の再利用といった、水源そのものを替える提案が上位に並びます。どれも効果の大きい手段ですが、設備投資と水質管理の手間も大きくなります。
同じ請求書を下げる手は、ほかにもあります。投資の大きい順に並べると、次の表のようになります。使い方の側は、配管と工程をいまのまま残して見直せるのが特長です。
| 手段 | 何を変えるか | 投資の大きさ | 製品に触れる水への影響 |
|---|---|---|---|
| 水源を替える | 井水・地下水・膜ろ過の設備 | 大きい | 水質の検査と管理の仕組みを新たに持つ |
| 再利用する | 排水を処理して別の用途に回す | 中〜大 | 製品に触れない用途に限って使う |
| 契約を見直す | 口径・料金区分・減量認定の申告 | 小さい | 変わらない |
| 使い方を変える | 湯替えの回数・すすぎの水量 | 小さい | 上水のまま使い続ける |
使っている水の行き先を、工程で分ける
工場の水は、大きく4つの行き先に分かれます。どこにどれだけ流れているかが分からないまま削減案を選ぶと、効果の小さい場所に投資してしまいます。
- 茹で:釜に張る湯と、差し水。入れ替えのたびに釜の容量ぶんが出ていく
- 洗浄:CIPのすすぎ、分解部品の洗浄、床とラインの洗浄
- 冷却:製品や設備の冷却。蒸発する分と、排水に回る分がある
- 洗い場:器具・容器の洗浄と、手洗い
捨てている湯の量を数える
茹で工程の水は、数えやすい量です。釜の容量に1日の入れ替え回数、釜の台数、稼働日数を掛ければ、年間に捨てている湯の量が出ます。
計算の例として、容量0.5立方メートルの釜で1日4回入れ替え、3台を年280日動かしていると、年間1,680立方メートルの湯を張っては捨てていることになります。ご自身の釜の数字を入れると、この量が茹で工程の水道代の土台になります。
湯を1回捨てるときに、同時に出ていくもの
入れ替えで出ていくのは水だけではありません。常温の水を沸点まで上げ直す燃料、注水から再沸騰までその釜が生産しない時間、でんぷんを含んだ排水の負荷が、1回ごとに一緒に出ていきます。
水、燃料、止まる時間、排水の負荷の4つを足したものが、湯替え1回の原価です。数え方は、茹で湯の記事で費目ごとに表にしています。水道代だけを見ていると、燃料と止まる時間のぶんを見落とします。
上水と下水は、どちらも使用水量で決まる
請求書の上では別の行でも、上水と下水はどちらも同じ水道メーターの数字から計算されています。下水に流した量を別に測っているわけではなく、使った量をそのまま流した量として扱うのが基本の考え方です。
つまり注ぐ水を1立方メートル減らすと、上水の料金と下水道の料金が両方下がります。蒸発する水や製品に入って出荷される水を申告で外す制度もありますが、これは自治体ごとに要件が違う別の話で、下水道料金の減免の記事にまとめています。
使い方の側で見直せるところ
茹で湯の濁りとでんぷんの流出が抑えられれば、入れ替えの回数を見直す検討材料になります。回数が減れば、注ぐ水と捨てる湯、沸かし直す燃料が同じだけ減ることにつながります。
UFB DUAL® は給水の元栓、または茹で釜の系統に取り付ける設備で、茹で水にウルトラファインバブルを含む水を使うと、うどんのでんぷん質の茹で崩れが抑えられ、湯の濁りとでんぷんの流出も抑えられます。
水量を大きく絞る方式とは違い、減水率は約5%です。水圧と水量が変わらないので、洗浄ラインやCIPの流速の条件を作り直さずに済み、現場の手順もいまのまま使えます。電源も薬剤も消耗品も使わないため、導入後に続く費用もありません。
使い方では変わらないところ
朝の立ち上げで張る湯と、保温のあいだに蒸発する分は、回数とは関係なく出ていきます。製品に入る水、冷却で蒸発する水も、使い方では変わりません。
法令と社内基準で決まっている洗浄と殺菌の工程、その記録も、これまでどおり続けていただくものです。使い方の見直しは、この線の内側で回数と水量を見直す作業です。
どこから手を付けるか
最初は、湯替えの回数と、その判断の基準を記録するところからです。1回の原価に回数を掛けた年額が出れば、設備投資と同じ桁で比べられるようになります。
設備は、工場全体の元栓に入れるほか、茹で釜の系統だけに入れて確かめることもできます。口径は給水管の太さで決まり、40A・50A の本体価格と工事費は、価格の記事にまとめました。釜の容量と1日の入れ替え回数、給水管の口径が分かれば、ご相談の欄に書いていただくだけで概算をお出しできます。
よくあるご質問
水道代はどのくらい下がりますか
下がる量に一律の数字はなく、茹で湯の入れ替え回数をどこまで見直せるかで変わります。まず1回の原価と年間の回数を数え、1回減らしたときの差を出してください。その差が、判断の物差しになります。
水源を井水に替えるのと、どちらがよいですか
目的が違います。井水は単価そのものを下げる手で、水質の検査と管理の仕組みを新たに持つことになります。使い方の見直しは上水のまま回数と量を減らす手で、両方を組み合わせることもできます。
節水型の器具を付けると洗浄が弱くなりませんか
水量を絞る節水型の器具では、水の出方が変わるぶん洗浄が弱く感じられることがあります。UFB DUAL® は減水率が約5%で、水圧と水量をほぼそのまま保てるため、洗浄の手順と時間を作り直す必要はありません。
導入後に費用はかかりますか
かかりません。電源・薬剤・消耗品を使わず、可動部もないためです。保証は計10年で、メーカー保証2年と筆頭正規特約店 株式会社ライヴスの延長保証8年を合わせたものです。
茹で釜だけに入れることはできますか
できます。元栓で工場全体を対象にするほか、茹で釜の系統や洗浄用の系統だけ、という範囲を限った取り付けもできます。対象を絞ると口径も小さくなります。
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