この記事の結論
CIP洗浄の時間と水量の多くは、薬剤の入らないプレリンスと中間リンス、最終リンスに入っています。給水をウルトラファインバブルを含む水にすると、汚れが配管の壁に付く力が弱まり、流すだけで離れる汚れが増えるので、これらのすすぎの時間と回数を見直す検討材料になります。
UFB DUAL® は減水率が約5%で流速をほとんど落とさないので、CIPの流速と時間の条件、洗浄の記録はいまのまま使えます。見直す順番は、落ち方の変化を記録で確かめてから、すすぎの時間と回数、最後に薬剤の濃度(品質保証部の判断で)です。
CIPの時間と水量、薬剤の使用量を見直したい品質保証部と設備保全のご担当者さまに向けて、給水の水質から見直す場合の考え方と、見直しの順番を書きました。
CIPで見直す条件に、給水の水質を加える
CIPの効率化で扱われる条件は、洗剤の種類と濃度、温度、流速、時間、配管の設計、そしてインラインの計測です。どれも大切ですが、いずれも洗浄液と設備の側の話で、配管に入ってくる水そのものは、一定の条件として扱われてきました。
給水の水質を条件に加えると、見直せる範囲が広がります。とくに、薬剤を使わない前後のすすぎは、水の性質がそのまま洗浄の働きになる工程です。洗剤や設備を替える前に、手順も条件も変えずに試せるのがこの方法の特長です。
CIPの時間と水量は、どの工程に積まれているか
定置洗浄は、プレリンス、アルカリ洗浄、中間リンス、酸洗浄、最終リンス、仕上げのサニテーションという順に並びます。このうち薬剤が働いている時間は、全体の一部です。
時間と水量の多くは、前後のリンスに入っています。プレリンスで残留物をどこまで流せたかで、アルカリ工程の負荷が決まり、中間リンスと最終リンスの回数も決まります。ここが短くなると、洗浄全体の停止時間が短くなります。
| 数える項目 | 数え方 | 自社の数字 |
|---|---|---|
| 1回のCIP時間 | 工程ごとの時間の合計(分) | |
| 1回の使用水量 | 各リンスの流量 × 時間(m3) | |
| 1日の回数 | ライン数 × 1日のCIP回数 | |
| 年間の水量 | 1回の水量 × 1日の回数 × 稼働日数 |
この表は計算の例です。ご自身の数字を入れて確かめてください。
落ちにくい汚れは、3種類に分かれる
ひとつめはタンパク質と脂質です。熱をかけた面に焼き付くと、アルカリでゆるめてから流す工程が必要になります。ふたつめは無機のスケールで、熱交換器やノズルの内側に固まり、酸洗浄の対象になります。
みっつめがバイオフィルムです。微生物とその分泌物が壁面に定着した層で、いちど定着すると水流だけでは離れにくくなります。表面にスケールのざらつきがあると、その上に定着しやすくなり、2種類の汚れが重なって残ります。落ちにくい場所は、たいてい流速が落ちる継ぎ目とバルブの周りに集まります。
くわしいご案内監査で毎回同じところを指摘される|清掃・防虫・機器の付着を、水の側から
給水の水質で変わる工程
すすぎの水が変えるのは、汚れと配管の壁のあいだです。UFB DUAL® を通った水には、直径1マイクロメートルに満たないウルトラファインバブルが含まれます。この泡はマイナスの電気を帯びていて、油やたんぱく質の汚れに吸い付き、壁にしがみつく力をゆるめます。水が壁になじみやすくなるので、継ぎ目やバルブまわりの細い隙間まで届き、流すだけで離れる汚れが増えます。
変化が見えやすいのは、薬剤の入らないプレリンスと中間リンス、そして分解した部品のつけ置きです。厨房機器メーカーのラボで行われた洗浄力の比較試験では、つけ置き洗いで差が大きく出ています。
設備側の条件は変わりません。減水率は約5%なので、既存のCIPポンプの流量設計とノズルの条件をそのまま使えます。密閉配管の中だけで泡をつくるため外気を取り込まず、水質を変えないので、衛生基準の厳しい工程にも入れられます。いまの洗浄とサニテーションの工程、その記録は、これまでどおり続けていただきます。
薬剤と水量を、どの順番で見直すか
順番は、記録、リンス、薬剤です。まず落ちやすさが変わったことを目視と拭き取りで確かめます。次に、プレリンスと中間リンスの時間と回数を1段ずつ下げ、結果が変わらないことを同じ記録で確認します。
薬剤の濃度を変えるのは最後です。濃度は洗浄の設計値であり、バリデーションの根拠と結びついています。変えるなら、変更の記録と再バリデーションを前提に、品質保証部の判断で進めていただく領域です。
水量と停止時間が減れば、上水と排水の費用、ボイラーの燃料、そしてラインを止めている時間が同時に減ります。洗剤の在庫と薬剤の取り扱いにかかる安全管理の手間も、見直しの対象に入ってきます。
検証と費用は、別の記事にまとめました
比べるときは、同じライン、同じ薬剤濃度、同じ時間で回し、給水だけを切り替えます。見るもの、見る期間、監査で出せる記録の形は、洗浄の検証の記事にまとめています。配管の奥と排水の側は、変化が出るまでに半年以上かかる場所です(食品工場の排水管では6か月を過ぎたころから変化が出た事例があります)。
工場全体に入れる40A・50Aの本体価格と工事費、洗浄用の系統だけに限って入れる場合の金額は、価格の記事と部分導入の記事にあります。監査で繰り返し指摘される清掃・防虫・機器の付着を、水の側から見直す全体の順番は、監査の記事で扱っています。
よくあるご質問
既存のCIP設備を改造する必要はありますか
ありません。取り付けるのは水道メーターの二次側(メーターより建物側)か洗浄用の系統で、CIPポンプ・タンク・ノズルはそのまま使います。減水率は約5%なので、流量の設計条件も保てます。
洗浄時間や薬剤はどれくらい減りますか
一律の数字はなく、汚れの種類と設備の状態、水質で変わります。まず導入前の時間・水量・拭き取り結果を2週間ぶん取り、同じ手順で比べてください。
衛生管理の工程を置き換えられますか
置き換えるものではありません。洗浄とサニテーション、そして記録は、いまの手順のまま続けていただきます。水の側でできるのは、汚れが付く力を弱めて落としやすくするところまでです。
工事で製造を止める必要はありますか
止めるのは、水が止まる1〜2時間です。配管をつないだ接着剤が固まるまで通水できないためで、全体は3時間〜半日なので、計画停止や休日に合わせて組めます。受水槽がある工場では製造側は止まりません。
導入後の費用と保証はどうなりますか
可動部と消耗品がなく、電源も薬剤も使わないため、導入後の費用は発生しません。保証は計10年で、メーカー保証2年と筆頭正規特約店 株式会社ライヴスの延長保証8年を合わせたものです。窓口は当社ひとつです。
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