設備投資の稟議を、どの数字で通すか

設備投資の稟議を、どの数字で通すか

この記事の結論

水回りの設備投資の稟議は、総額、続く費用、条件を明記した試算、効果の確かめ方の4つを1枚に並べると通しやすくなります。試算は削減額を見込む形ではなく、目標の期間で取り戻すには何回減ればよいかを逆算する形にすると、読む人が自社の数字で確かめられます。

たとえば茹で釜の系統に25Aで入れる総額680,000円(税抜)を3年で取り戻すには、湯替え1回の原価が1,000円の工場なら、年227回、稼働280日で1日あたり約0.8回の入れ替えが減ればよい計算です。

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水回りの設備は削減額を数字にしにくく、稟議に乗せにくいと感じている食品工場の経理・購買・経営企画のご担当者さま向けに、条件を先に書く試算の組み立て方をまとめました。

目次

稟議に並べる数字の型

設備投資の稟議で読む人が探すのは、いくらかかるか、ほかに何がかかり続けるか、いつ取り戻せるか、効果をどう確かめるか、の4つです。この順に1枚にまとめると、判断に必要なものが揃います。

水回りの設備では、3つ目の「いつ取り戻せるか」が書きにくいところです。そこで、効果を先に約束するのではなく、目標とする期間で取り戻すには何がどれだけ減ればよいかを逆算して示します。

水回りの投資が通りにくい理由

電気の設備なら、消費電力の差を掛け算すれば削減額が出ます。水回りの設備で変わるのは、湯を入れ替える回数、すすぎの時間、清掃の手間といった工程の側で、変わり方が工場ごとに違います。

そのため、売り手が一般論の削減率を出しても、読む人は自社に当てはまるかを判断できません。自社の工程の数字で逆算した表を添えるほうが、社内の議論を先に進めます。

もう1つの理由は、効果が複数の費目に分かれて出ることです。茹で湯の入れ替えが減れば、上水、下水、燃料、止まる時間が同時に減りますが、請求書も担当部署も別々です。費目ごとの小さな額を1回の原価にまとめて示すと、合計の大きさが初めて伝わります。

条件を先に書いてから試算する

試算の前に、次の4つの条件を書きます。どれも自社の記録で確かめられる数字です。

  • 口径:取り付ける給水管の太さ。25A・40A・50Aで総額が決まる
  • 工程:元栓で工場全体か、茹で釜や洗浄の系統だけか
  • 湯替えの回数と1回の原価:注ぐ水、沸かし直す燃料、止まる時間、排水の負荷の合計
  • 稼働日数:年間で釜を動かしている日数

くわしいご案内40A・50Aの本体価格と工事費|工程を限定して入れる場合の費用

自分の数字に置き換える表

次の表は、目標の期間を3年と置き、湯替え1回の原価が1,000円と2,000円の場合に、年にどれだけ入れ替えが減ればよいかを逆算した例です。1日あたりの回数は稼働280日で割っています。

範囲と口径 総額(税抜) 1年あたりの額 原価1,000円なら 原価2,000円なら
茹で釜の系統・25A 680,000円 約227,000円 年227回(1日約0.8回) 年114回(1日約0.4回)
工場全体・40A 2,650,000円程度 約883,000円 年883回(1日約3.2回) 年442回(1日約1.6回)
工場全体・50A 3,650,000円程度 約1,217,000円 年1,217回(1日約4.3回) 年609回(1日約2.2回)

この表は計算の例です。ご自身の数字を入れて確かめてください。25Aは工事費を80,000円で置いています。

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限定導入から始めるという通し方

表を見ると、同じ3年でも、系統を絞った25Aと工場全体の40A・50Aでは、減らすべき回数の桁が違います。釜が多い工場なら全体に入れたほうが1台あたりの回数は小さくなりますが、最初の稟議としては、茹で釜の系統に絞った小さな投資のほうが通しやすくなります。

限定導入で取り付け前後の記録を取り、入れ替えの回数がどれだけ減ったかを自社の数字で示せれば、次の稟議では逆算ではなく実績を並べられます。茹で湯のほかに、すすぎの時間や清掃の時間が縮んでいれば、それも同じ表に加えます。

続く費用が無いことの扱い

UFB DUAL® は、電源・薬剤・消耗品を使わず、可動部もありません。導入後に毎年かかる費用が無いので、稟議の表の「続く費用」の欄は0円です。設備の管理台帳に保守対象として載せる事務の手間も生じません。

続く費用が無いことは、逆算の表をそのまま使えるという意味でもあります。保守費や交換部品の費用を毎年差し引く必要がないため、1年あたりの額がそのまま減らすべき原価の額になります。保証は計10年で、メーカー保証2年と筆頭正規特約店 株式会社ライヴスの延長保証8年を合わせたものです。

よくあるご質問

何年で元が取れますか

湯替え1回の原価と、減らせた回数で決まります。表の例では、25Aの茹で釜の系統で原価が1,000円なら、1日約0.8回減らせば3年で取り戻せます。自社の数字では、まず目標の期間を置き、その期間で取り戻すには何回減ればよいかを逆算してください。表では3年を置いた例を示しています。

削減額を保証してもらえますか

減り方は工程と条件で変わるため、削減額はお約束していません。代わりに、条件を明記した逆算の表と、取り付け前後の記録の取り方をお示しし、自社の数字で確かめていただく形にしています。

稟議にはどんな資料を添えればよいですか

総額と内訳のお見積もり、続く費用が0円であること、条件を明記した逆算の表、取り付け前後の記録の計画の4つです。お見積もりは本体・工事費の内訳まで明記してお出しします。

補助金は使えますか

UFB DUAL® については、補助金の対象になるとはご案内していません。省エネの補助金は、エネルギーの削減量で審査するものが中心です。制度ごとに要件が違い、枠によっては回収年数の下限も置かれているので、補助金の記事で見方をまとめています。

湯替え1回の原価はどう出せばよいですか

注ぐ水の上下水道料金、沸かし直す燃料、注水から再沸騰まで止まる時間、排水の負荷の4つを足します。数え方は、茹で湯の記事で費目ごとの表にしています。

試算の条件は誰が決めればよいですか

湯替えの回数と原価は製造と生産管理、稼働日数は工場の計画、目標の期間は経理が持っている数字です。3つの部署の数字を1枚にまとめると、稟議の場で条件そのものを疑われにくくなります。

アリージェンス合同会社 代表 沼倉孝秀

沼倉 孝秀(ぬまくら たかひで)

アリージェンス合同会社 CEO。UFB DUAL®・emiiR®(エミール)・α-HT® の正規一次販売店として、製品の選定から設置、設置後の窓口までを担当しています。

アリージェンス合同会社

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