この記事の結論
工場の水道代は、上水道の料金、下水道使用料、工業用水道の料金(引いている工場だけ)の3つでできています。上水と下水はどちらも同じ水道メーターの数字で計算されるので、上水を1立方メートル減らすと2つの料金が同時に下がります。
次に、使用量を茹で・洗浄・冷却・洗い場の工程ごとに分けると、どの工程の水を減らせば請求書のどの行が下がるかが分かります。削減の手段を選ぶのは、その後です。
水道代を下げろと言われたものの、請求書のどの行が何で決まっているのかから確かめたい、食品工場の経理・購買・設備のご担当者さま向けの記事です。
請求書に並んでいる項目
上水道の請求には、口径で決まる基本料金と、使った量で決まる従量料金が並びます。下水道使用料は、多くの場合この上水の請求と同じ用紙に載っていますが、料金を決めているのは下水道の側の条例です。
工業用水道を引いている工場では、工業用水の料金が別に請求されます。まずは直近12か月分の検針票を並べ、口径、使用水量、上水・下水・工業用水の金額を1枚の表に写すところから始めます。
検針の周期は、水道事業者によって毎月の場合と2か月ごとの場合があります。2か月ごとの請求を月の数字に割るときは、稼働日数の差で季節の山が消えてしまわないよう、稼働日1日あたりの使用量に直してから並べると、繁忙期と閑散期の差がそのまま見えます。
上水の単価が変わる区分
基本料金は、水道メーターの口径が大きいほど高くなります。従量料金は、使用量の段階ごとに単価を変えている水道事業者が多く、使う量が多い工場ほど上の段階の単価がかかります。
区分は水道事業者ごとに違うので、自社の検針票の口径と使用量を、その事業者の料金表に当てて確かめます。1立方メートル減らしたときに消える単価は、平均の単価ではなく、いちばん上の段階の単価です。
下水は何で決まっているか
下水道使用料は、使った上水の量をそのまま汚水の量とみなして計算するのが基本です。大阪市の下水道条例施行規則第12条は、上水または工業用水を使用するときは、その使用水量を汚水排出量とみなすと定めています。
自治体によっては、汚水の濃さでも料金が加わります。大阪市では、汚水が月1,250立方メートル以上で、BODなどの濃度が1リットルあたり201ミリグラム以上の事業場に水質使用料がかかります。水量と濃さを工程ごとに分ける見方は、下水道料金の記事で扱っています。
くわしいご案内食品工場の水道代とガス代を、使っている湯の側から見直す
工業用水がある工場の場合
工業用水は砂や不純物を取り除いた水ですが、飲用となる処理はしていません。そのため食品工場では、冷却など製品に直接触れない用途に使われます。
単価は上水より低いことが多い一方で、下水道の側では工業用水の使用量も汚水の量として数える自治体があります。大阪市の施行規則はその例です。工業用水に切り替えた分も、下水道使用料の対象からは外れない場合があることを、試算の前に確かめておきます。
メーターをどこに付けているか
請求の根拠になるのは、敷地の入口にある水道メーターです。工場の中の使い分けは、このメーターからは読めません。工程ごとの使用量を知るには、系統ごとに子メーターを付けるか、流量と時間から数えるかのどちらかになります。
蒸発する水や製品に入る水を申告で外す減量認定に使うメーターは、自治体ごとに条件があります。私設メーターの付け方は、下水道の減量認定の記事にまとめています。
使用量を工程ごとに分ける
子メーターが無くても、工程ごとの量はおおよそ出せます。数えやすい工程から埋めていき、最後に入口のメーターの数字から引いた残りを、洗い場とその他に置きます。
| 工程 | 数え方 | 自社の数字 |
|---|---|---|
| 茹で | 釜の容量 × 1日の入れ替え回数 × 台数 × 稼働日数 | |
| 洗浄(CIP) | すすぎの流量 × 時間 × 1日の回数 × 稼働日数 | |
| 冷却 | 補給している水量(蒸発する分を含む) | |
| 洗い場・その他 | 入口のメーター − 上の3つの合計 |
この表は計算の例です。ご自身の数字を入れて確かめてください。
内訳が分かったあとに見ること
茹でと洗浄の割合が大きい工場では、使い方の側で見直せる余地が大きくなります。茹で湯の入れ替え回数とすすぎの水量は、上水と下水の両方の行に反映されるからです。
UFB DUAL® は減水率が約5%で、取り付けても工程ごとの流量がほとんど変わりません。電源や薬剤を使わないので、請求書に新しい行を増やすこともありません。内訳を表にしたうえで、湯の側から見直す全体の順番は、水道代とガス代を湯の側から見直す記事にまとめています。
よくあるご質問
下水道使用料はどうやって計算されていますか
多くの場合、上水の使用水量をそのまま汚水の量とみなして計算します。大阪市の下水道条例施行規則第12条がその例です。蒸発する水などを外す減量認定の制度もあり、要件は自治体ごとに違います。
工業用水に替えれば下水道代も下がりますか
下がらない場合があります。工業用水の使用量も汚水の量として数える自治体があるためです。切り替えの試算では、上水の単価差だけでなく、下水道の扱いを自治体の条例で確かめてください。
工程ごとの使用量はどう測ればよいですか
系統ごとに子メーターを付けるのが確かですが、茹では釜の容量と回数、洗浄は流量と時間からおおよそ出せます。入口の水道メーターの数字から引いた残りを、洗い場とその他に置きます。
設備を付けると水道代の内訳は変わりますか
設備そのものでは変わりません。UFB DUAL® は減水率が約5%で、流量はほとんど変わりません。電源も薬剤も使わないので、新しい費用の行も増えません。変わるとすれば、茹で湯の入れ替え回数やすすぎの水量を見直せた分です。
井水を使っている場合、下水道使用料はどうなりますか
水道メーターを通らない水の扱いは、自治体の下水道条例と届出で決まります。自社の井水がどう数えられているかを、下水道の窓口で確かめてから内訳の表に入れてください。
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