節水と再利用と、上水のまま使うことの違い

節水と再利用と、上水のまま使うことの違い

この記事の結論

食品工場で製品に直接触れる工程に使えるのは、上水(水道水)か、告示の26項目の規格に適合する水です。工業用水や中水(雑用水・再生水)は飲用の処理をしていないので、冷却やトイレの洗浄など、製品に触れない用途に回します。

水道代を下げる方法は、安い水に置き換える(工業用水や再利用)ほかに、上水の系統をそのまま残して使う回数と量を見直す方法があります。後者は系統を増やさないので、水質の管理と監査での説明もいまのままで済みます。

水道代の見直しで中水や工業用水への切り替えを検討している食品工場の設備・品質保証のご担当者さま向けに、どの水をどの工程に使えるかを整理しました。

目次

上水・工業用水・中水(雑用水)の違い

3つの水は、処理の中身と行き先が違います。中水は通称で、行政の資料では雑用水や再生水と呼ばれます。

水 処理 主な用途
上水(水道水) 飲用に適するよう浄水・消毒した水 製品・原料・器具の洗浄を含むすべての工程
工業用水 砂や不純物を取り除いた水。飲用の処理はしていない 冷却など、製品に直接触れない用途
中水(雑用水・再生水) 排水や雨水を処理して再び使う水 トイレの洗浄水や散水など、飲用以外の用途

製品に直接触れる水に使えるもの

食品衛生法にもとづく規格基準(昭和34年厚生省告示第370号)は、食品製造用水を、水道事業・専用水道・簡易専用水道により供給される水道水か、告示の表に掲げる26項目の規格に適合する水と定めています。

26項目には、一般細菌、大腸菌群、鉛やヒ素などの金属、硬度、濁度、色度、臭気、味などが並びます。上水以外の水を製品に触れる工程に使うなら、この規格に適合していることを自社で確かめ続ける必要があります。所管は現在、消費者庁です。

冷却など直接触れない用途に使えるもの

工業用水は飲用の処理をしていないため、食品工場では製品を包装した後の冷却や、設備の間接冷却のように、製品と水が触れない工程に使われます。

中水も同じで、使えるのは製品に触れない場所に限られます。どちらの場合も、上水の系統とつながらないよう配管を分け、どの蛇口が何の水かを現場で見分けられる表示が要ります。

下水道の料金も合わせて見ておきます。工業用水に切り替えても、その使用量を汚水の量として数える自治体があります。大阪市の下水道条例施行規則は、上水または工業用水の使用水量を汚水排出量とみなすと定めています。単価の差だけで試算すると、見込んだほど請求書が下がらないことがあります。

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安い水に替えると発生する手間

水源を増やすと、管理する水の種類が増えます。系統の図面、誤接続を防ぐ表示、それぞれの水質の検査と記録を、水の種類ごとに持つことになります。

監査でも聞かれます。農林水産省のFCPが平成25年に公開した工場監査の指摘事例集は、使用する水の供給方法の把握と、供給源に応じた水質検査を監査項目に挙げています。水源が1つなら、この説明も1つで済みます。

上水のまま質を上げるという選択肢

上水の系統に手を入れる方法もあります。UFB DUAL® は給水の元栓、または工程の系統に取り付ける給水器具で、水道の水圧だけでウルトラファインバブルをつくります。電源も薬剤も使いません。

飲用適水テスト、1.75MPaの耐圧テスト、有害物質が溶け出さないことを確かめる浸出テストを経ており、40A は JETマークの認証(WO77-11004-237)を受けています。密閉した配管の中だけで泡をつくるので外気を取り込まず、水質を変えません。

水源は上水のままなので、工程と系統の図面も変わりません。変わるのは、汚れが付く力が弱まり、うどんの茹で湯の濁りやでんぷんの流出が抑えられることで、湯を入れ替える回数やすすぎの水量を見直す材料が増えることです。

どの工程で何を使うかの整理

工程ごとに、使える水と見直せる手段を並べると次のようになります。安い水への置き換えと、上水のままの見直しは、どちらか一方を選ぶものではありません。

  • 原料の洗浄・茹で・仕込み:上水(食品製造用水)。見直すのは入れ替えの回数と量
  • 器具・ラインの洗浄:上水。見直すのはすすぎの回数と時間
  • 包装後の冷却・設備の間接冷却:工業用水も候補。系統を分けて管理する
  • トイレ・散水:中水も候補。上水の系統とつながない

よくあるご質問

工業用水を製品の洗浄に使えますか

使うには、告示の26項目の規格に適合していることを自社で確かめ続ける必要があります。製品に直接触れる工程の水は、水道水か、その規格に適合する水とされているためです。工業用水は飲用の処理をしていません。

水道水を使っていれば水質検査は要りませんか

告示の定義では、水道水は食品製造用水に当たります。ただし取引先の監査では、水道直結でも必要な検査をしているかが聞かれます。制度上の定義と、監査で求められることは別に考えてください。

上水の系統に器具を付けても大丈夫ですか

付けられます。UFB DUAL® は飲用適水テスト・耐圧テスト・浸出テストを経た給水器具で、40A は JETマークの認証を受けています。外気を取り込まず、薬剤も使わないので、水質を変えずに上水の系統に入れられます。

中水の導入と比べて費用はどう違いますか

中水は処理設備と別系統の配管が要ります。UFB DUAL® は給水管に1台取り付けるもので、40A なら本体2,500,000円(オープン価格・税抜)、工事費150,000円程度が基準です。導入後の費用はかかりません。

上水と工業用水の配管を両方持つときに、気をつけることはありますか

2つの系統がつながらないように配管を分け、蛇口と配管に何の水かを表示します。系統の図面を最新にしておくと、監査で水の供給方法を聞かれたときにもそのまま説明に使えます。

アリージェンス合同会社 代表 沼倉孝秀

沼倉 孝秀(ぬまくら たかひで)

アリージェンス合同会社 CEO。UFB DUAL®・emiiR®(エミール)・α-HT® の正規一次販売店として、製品の選定から設置、設置後の窓口までを担当しています。

アリージェンス合同会社

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