洗浄のやり方を変えたとき、何をどう測って比べるか

洗浄のやり方を変えたとき、何をどう測って比べるか

この記事の結論

洗浄の条件を変えたときの効果は、同じ釜・同じライン・同じ品目で変える条件を1つに絞り、取り付け前の2週間を基準の期間にして前後を比べます。見るものは工程に合わせて、濁度、次の湯替えまでの時間、目視(写真)、拭き取り、ATPの中から選びます。

見る期間は場所で分け、すすぎや部品の洗浄、茹で湯の濁りは2週間〜1か月、配管と排水管は半年以上を区切りにします(食品工場の排水管では、6か月を過ぎたころから変化が出た事例があります)。変えた条件と変えなかった条件を1枚目に書いた記録は、そのまま監査で出せます。

洗浄の条件を変えるには、変えたことの妥当性を記録で示す必要がある、という食品工場の品質保証部のご担当者さま向けに、比べ方の設計図を1枚にまとめました。

目次

変える条件をひとつに絞る

比べるときに変えるのは、1つだけです。水を変えるなら、同じ釜、同じライン、同じ品目、同じ洗剤と濃度、同じ時間、同じ担当者で回します。水と洗剤を同時に変えると、差がどちらから来たのかが記録から読めなくなります。

同じ条件を保つために、取り付け前の2週間を基準の期間にします。いつもの手順のまま記録を取り、その幅を把握してから取り付けます。基準の期間があることで、取り付け後の変化が日々のばらつきの範囲を超えているかを判断できます。

UFB DUAL® は、工場全体の元栓のほか、洗浄用の系統だけ、野菜の加工場だけ、というように範囲を限って取り付けられます。範囲を絞れば、同じ工場の中に取り付けた系統と、そうでない系統が並ぶので、同じ期間の比較もできます。

何を見るか

見るものは、工程に合わせて選びます。茹でなら湯の状態、洗浄なら面の状態と清浄度です。どれも、同じ場所・同じ手順で繰り返し取れることが条件です。

見るもの 向いている工程 取り方
濁度 茹で湯、すすぎ水 濁度計、または同じ容器・照明で撮った写真
次の湯替えまでの時間 茹で 入れ替えの時刻と、前回からの投入量
目視 分解部品、のぞき窓、排水溝 同じ場所・同じ角度から撮った写真
拭き取り 洗浄後の面 決まった面積を、決まった手順で拭き取る
ATP 洗浄後の面 同じ機器・同じ測定点で、同じ時刻に測る

いつ見るか

変化が記録に現れるまでの期間は、場所によって違います。CIPのすすぎや分解した部品の洗浄、茹で湯の濁りは、通水してから比較的早く差が出る場所です。

配管の奥と排水管の内側は、時間がかかります。食品工場の排水管では、取り付けてすぐは変化がなく、6か月を過ぎた頃から内側の清浄化が進んだ事例があります。キッチンの配管内部を1年間追った観察では、その期間で内側の状態が正常に戻っています。歯科のユニットの給水チューブでは、約200リットルを流したところで汚れが剥がれた事例もあります。

したがって記録の計画は、場所ごとに見る期間を分けて立てます。早く変化が出る場所は2週間から1か月、配管と排水は半年以上を1つの区切りにします。

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記録の形(監査で出せる形にしておく)

記録は、そのまま監査で出せる形で作ります。1枚目に、変えた条件、変えなかった条件、期間、見るもの、担当者を書きます。2枚目以降に、日付ごとの数値と写真を並べます。

写真には日付と場所の番号を付け、取り付けの前と後を同じ並びで比べられるようにします。変えなかった条件を明記しておくことが、変えたことの妥当性を示すいちばんの材料になります。

比べられないもの

季節で変わる水温、原料のロット、生産量の違いは、水を変えたかどうかと関係なく記録の数字を変えます。前後の期間で生産量が大きく違うときは、1回の生産あたり、1トンあたりに直して比べます。

拭き取りやATPの値は、測る機器と手順で変わります。社内の基準値は、自社で使っている機器と手順で決めたものを使い、他社や資料の数字とは並べません。

限定導入から本導入までの流れ

最初は、比べやすい1つの系統に限って取り付けます。茹で釜の系統、洗浄の系統、野菜の加工場のように、工程と給水の範囲が一致している場所が向いています。

早く変化が出る場所で1か月、配管の側で半年の記録がそろった段階で、範囲を広げるかを判断します。広げるときは、元栓側に口径の合うものを取り付ける形になり、工程ごとの記録はそのまま基準線として使えます。

よくあるご質問

比べる期間はどれくらい必要ですか

場所で分けます。すすぎや部品の洗浄、茹で湯の濁りは2週間から1か月、配管の奥と排水管は半年以上を1つの区切りにします。取り付け前にも2週間の基準の期間を取ってください。

ATPの基準値はどう決めればよいですか

自社で使っている測定機器と手順で、取り付け前の値の幅を取り、その幅を基準にします。機器や手順が違う数字とは比べられないので、社内の基準値は自社の記録から決めてください。

工場の一部だけで試せますか

試せます。洗浄用の系統だけ、茹で釜だけ、野菜の加工場だけ、というように範囲を限って取り付けられます。取り付けた系統とそうでない系統を、同じ期間で並べて比べることもできます。

監査で説明できる形にするには何が要りますか

変えた条件と変えなかった条件、期間、見るもの、担当者を1枚目に書き、日付ごとの数値と写真を並べます。変えなかった条件を明記しておくことが、妥当性を示す材料になります。

取り付けで比較の途中に水が止まりますか

水が止まるのは取り付けの日の1〜2時間だけで、接着剤が固まるまで通水しないためです。取り付けの日を基準の期間の終わりに置けば、記録の区切りにもなります。

アリージェンス合同会社 代表 沼倉孝秀

沼倉 孝秀(ぬまくら たかひで)

アリージェンス合同会社 CEO。UFB DUAL®・emiiR®(エミール)・α-HT® の正規一次販売店として、製品の選定から設置、設置後の窓口までを担当しています。

アリージェンス合同会社

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