この記事の結論
便座裏のプラスチックの黄ばみには、尿の成分が固まって付いたものと、樹脂そのものが変色したものの2種類があります。尿の成分の付着は酸で緩めれば落ちますが、樹脂の変色は表面から内側まで色が変わっているため、洗剤でもこすっても落ちず、見た目を戻すには便座の交換になります。
見分けるには、水で濡らして指でなでます。ざらつけば付着物、つるつるなら樹脂の変色です。
便座の裏のプラスチックの黄ばみが、洗剤でもブラシでも取れない。この記事では、落ちる黄ばみと落ちない黄ばみの見分け方と、それぞれの対処が分かります。
樹脂の黄ばみは2つあります
便座の裏が黄色いとき、原因は2つに分かれます。一つは、尿の成分が固まって樹脂の表面に付いたものです。もう一つは、樹脂そのものの色が変わったものです。
前者は、便器の尿石と同じく尿中のカルシウムが析出して固まったもので、酸で緩みます。
後者は、樹脂の中の成分が紫外線や熱、洗剤の影響で変化したものです。表面に何かが乗っているわけではないので、こすっても削っても色は戻りません。どちらなのかを先に見分けておくと、落ちない黄ばみに作業の時間をかけずに済みます。
尿の成分が固まったもの
こちらは付着物です。便座の裏、ヒンジのすき間、便座と便器の当たり面のような、尿が跳ねて乾く場所に出ます。乾くたびに薄い層が重なって、少しずつ厚くなります。
付着物の表面はざらついていて次の層が付きやすいため、うっすらしているうちに取るほうが、手間ははるかに小さく済みます。
落とし方は、酸性の洗剤かクエン酸を含ませた紙を貼り付けて、乾かないようにして置く方法です。1時間ほどで一度確かめ、緩んでいれば柔らかい布で拭き取ります。樹脂なので、こすらずに拭き取るのが要点です。
樹脂そのものが変わったもの
便座に使われている樹脂は、時間とともに色が変わることがあります。窓のあるトイレで日が当たる場所、温水洗浄便座で温まる部分、洗剤が繰り返しかかる面で起きやすくなります。
この黄ばみは、表面から内側へ連続しています。研磨パッドで削ると、削った分だけ薄くなったように見えますが、下からまた黄色い面が出てきます。削った跡は白く擦れて残るので、見た目はかえって悪くなります。
塩素系の漂白剤を長く当てると、部分的に色が抜けてむらになることがあります。樹脂を傷めて、あとから汚れが付きやすい面にしてしまうこともあります。樹脂の変色には、洗剤を強くしても効果がありません。
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見分け方
現場での見分けは、次の手順で足ります。厚みがあるかどうかを指で確かめ、酸で試し、それでも変わらなければ樹脂の変色と判断します。
- 水で濡らして指でなでる。ざらつけば付着物、つるつるなら素材の変化
- 黄色い部分の縁が、はっきり線になっているか。線があれば付着物、ぼんやり広がっていれば素材の変化
- クエン酸のペーストを1時間貼ってみる。少しでも薄くなれば付着物
- 便座を裏返して、光を当てて角度を変える。厚みの段差が見えれば付着物
| 見るところ | 尿の成分が固まったもの | 樹脂そのものが変わったもの |
|---|---|---|
| 手ざわり | ざらつく。段差がある | つるつる。段差がない |
| 縁の形 | 輪のような線が出る | ぼんやり広がる |
| 出る場所 | 尿が跳ねて乾く面 | 日が当たる面、温まる面、洗剤がかかる面 |
| 酸への反応 | 1時間で薄くなる | 変わらない |
| 削ったとき | 下からきれいな面が出る | また黄色い面が出る |
酸性洗剤で落ちるとき・落ちないとき
酸で落ちるのは、カルシウムの結晶が付いているときです。付着物なら、置く時間を延ばせば緩みます。乾くと止まるので、紙とラップで覆って乾燥を防ぎます。
樹脂の変色は、どの濃度の酸でも戻りません。長く当てても色は変わらず、樹脂の表面を荒らすだけです。荒れた面には次の付着物が乗りやすくなるので、結果として手間が増えます。
判定の目安は1時間です。クエン酸のペーストを1時間貼って、まったく変化がなければ樹脂の変色と考えて、落とす作業はそこで止めます。
研磨してよい範囲
樹脂は研磨に向きません。目の細かいパッドでも、光の当たり方で白い擦り跡が見えます。便座の裏は目に付きにくい場所ですが、擦り跡は汚れを抱えるようになります。
どうしても厚みを取りたいときは、酸で緩めたうえで、樹脂のヘラの角を使って持ち上げるようにします。面を滑らせてこするのではなく、緩んだ層の端から起こす動かし方です。
ヒンジや、便座と便器の当たり面のような細いすき間は、便座を外して漬けたほうが早く、跡も残りません。便座には工具なしで外せる機種もあり、外せば全面に洗剤を回せます。外し方は取扱説明書で確かめてください。
落ちない黄ばみへの対処
樹脂の変色だと分かったら、落とす作業はそこで止めます。落ちないものを落とそうとして削ると、跡が残り、汚れが付きやすい面になります。
見た目を戻したいなら、便座の交換になります。便座は単体で売られていて、機種によっては工具なしで取り替えられます。便器ごと替えるより、費用も小さく済みます。
交換したあとは、新しい面に付着物を重ねないことが大事です。尿が跳ねて乾く面を乾く前に拭き取り、薄いうちに酸で取れば、次に黄ばむまでの期間が延びます。器具の数が多い建物で、便器の中や排水管の尿石まで繰り返し出る場合は、清掃の回数ではなく、給水の段階で尿石を付きにくくする方法も選択肢になります。
よくあるご質問
便座の裏が黄色いのは、掃除をしていないからですか
いいえ、掃除の頻度だけでは決まりません。尿が跳ねて乾く面には、拭いていても薄い層が重なります。さらに、樹脂そのものの色が変わっている場合は、掃除とは関係がありません。まず、どちらの黄ばみかを見分けてください。
メラミンのスポンジで便座をこすってよいですか
いいえ、樹脂には向きません。メラミンのスポンジは細かい研磨材と同じ働きをするため、表面に白い擦り跡が残ります。跡が残った面は汚れを抱えるようになるので、便座は緩めて拭き取るまでにしてください。
塩素系の漂白剤で黄ばみは落ちますか
落ちません。尿石と同じカルシウムの付着にも、樹脂の変色にも効果はありません。色のもとが有機物の汚れなら薄くなることがありますが、長く当てると部分的に色が抜けて、むらになることがあります。
便座を外して漬けてもよいのですか
外せる機種なら、外して漬けてかまいません。外せば裏側の全面とヒンジのすき間まで洗剤が回るので、貼り付けて置くより早く終わります。温水洗浄便座は電源と給水を止めてから、取扱説明書の手順で外してください。
落ちない黄ばみは、交換しかありませんか
見た目を戻すなら、交換になります。施設で複数の便座が同じように黄ばんでいる場合は、日当たりや温水洗浄便座の熱、使っている洗剤など、同じ条件が重なっていないかも確かめておくと、交換後の黄ばみを遅らせる手がかりになります。
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