この記事の結論
トイレ清掃でいちばん敬遠されるのは、小便器と、その先の排水管に付く尿石の除去です。
尿石は汚れではなく尿の成分が固まった結晶なので、日常の拭き掃除では落ちず、薬品や高圧洗浄で落としても、同じ条件でまた付きます。
負担を減らすには、清掃の回数や人を増やすより、次の尿石が付くまでの間隔を建物の側で延ばすほうが、尿石に手を取られる作業そのものが減ります。
トイレ清掃の人手と負担に悩む施設管理者さまと、清掃管理会社さまに向けて、時間と人の負担がどの作業に集まっているかと、その作業を減らす手を並べました。
トイレ清掃で時間がかかっているのは、どの作業か
トイレの清掃は、便器や床、洗面台を拭いて整える日常の作業と、尿石や詰まりに対応する作業に分かれます。日常の作業は手順と時間がほぼ決まっていて、慣れれば早く終わります。
時間が読めないのは、尿石に対応する作業です。薬剤を置いて待ち、削り、流し、臭いが残れば排水口や管の中まで手を入れます。層が厚いほど時間がかかり、手や衣服に臭いが移ることもあって、清掃の現場でもっとも敬遠される作業になっています。
- 日常の拭き掃除:器具の数で決まり、毎回ほぼ同じ時間
- 小便器の尿石の除去:層の厚みで決まり、厚いほど長い
- 排水トラップと管の中:清掃の手が届かず、薬品洗浄や高圧洗浄を別に手配する
尿石は汚れではなく結晶なので、日常清掃では落ちない
尿に含まれる尿素は、細菌の働きでアンモニアに変わります。アンモニアで水がアルカリ性に傾くと、尿に含まれるカルシウムが炭酸カルシウムやリン酸カルシウムとして固まり、便器の表面や管の内側に付きます。これが尿石です。
アンモニア臭と尿石は、同じ反応から生まれます。臭う場所には尿石が育っていて、尿石が減れば、アンモニア臭も弱まっていきます。
結晶の表面はざらついていて次の結晶が付きやすく、一度付くと育つ速さが上がります。洗剤で拭く日常の清掃は表面の汚れを落とす作業で、固まった結晶までは落とせません。
落としても戻る理由
薬品洗浄や高圧洗浄は、いまある尿石を落とす作業で、次の尿石が付くのを止める働きは含みません。尿が流れ続けるかぎり、同じ反応が同じ場所で続きます。
製造元のエミール・ジャパン株式会社の実証では、尿石で詰まった男子トイレの排水管を薬品で洗浄したあと、約2か月で再び付着していました。節水型のトイレでは流す水の量が少なく、管の中の流れが遅くなるので、固形分がとどまり、尿石の芯ができやすくなります。
戻る理由は清掃の質ではなく、尿の成分と設備の条件にあります。担当を替えても、同じ建物では同じことが起きます。
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人が定着しない現場で、洗浄費より大きくなるもの
尿石と臭いが慢性化した建物では、もっとも敬遠される作業が清掃のたびに出てきます。その作業に入る人ほど負担が偏り、担当が続かない原因の1つになります。
人が入れ替わると、採用の費用と、新しい人に手順を教える時間がかかります。人手が足りない状況では、この負担は洗浄そのものの費用より大きくなることがあります。見積書に載るのは洗浄の回数と単価ですが、建物と清掃の現場が実際に負っているのは、それに人の入れ替わりの負担を足したものです。
次の付着を遅らせると、作業の中身がどう変わるか
建物の側で、尿石を付きにくくする方法があります。当社が扱う emiiR®(エミール)は、トイレの給水管や建物の給水元に付ける装置で、中の特殊セラミックスが水の流れで動き、そこを通った洗浄水で、尿石が固く付きにくくなります。電源も薬剤も使いません。
導入後も、清掃そのものは続きます。付いていた層は時間をかけて脆くなり、洗浄水の流れで少しずつ剥がれ、新しい層は硬く固まりにくくなります。流れで取れずに残った分は、これまでどおり清掃で落とします。延びるのは、尿石のために手を止める作業から、次の同じ作業までの間隔です。
同じ実証で、再付着していた排水管に装置を設置すると、約2か月で付着の抑制と剥離が確認されています。
施設管理者さまと清掃管理会社さま、それぞれの確かめ方
施設管理者さまは、トイレに関わる費用と時間を1年分並べます。定期の清掃の契約、尿石や詰まりで呼んだ回数とその費用、臭いの苦情の件数の3つです。
清掃管理会社さまは、小便器1基あたりの作業時間を、日常の拭き掃除と尿石の作業に分けて記録します。尿石の作業の時間と、担当の入れ替わりの記録がそろえば、元請けさま・施主さまに設備の側の対策を相談するときの材料になります。
型式は、トイレの給水管の口径と、どの範囲を対象にするかで決まります。お見積もりは無料で、製品代と工事代を明らかにし、お見積もりで提出した以上の金額はいただきません。
よくあるご質問
清掃の回数を増やせば、尿石は付かなくなりますか
表面の尿石は薄いうちに落とせるので育ちにくくなりますが、清掃の手が届かない排水トラップや管の中の尿石は残ります。回数を増やすほど、人の負担も増えます。
尿石用の洗剤や錠剤と一緒に使えますか
製造元の見解では、併用して問題ありません。現場で併用した記録は当社にまだないので、併用を続けたい場合は、一部のトイレで試して比べる形をご提案します。
臭いは消えますか
臭いのもとの尿石が減れば、アンモニア臭も弱まっていきます。香りで覆う消臭剤とは働き方が違い、臭いが出てくるもとの側に働きます。
清掃のスタッフが定着するようになりますか
尿石の作業が減れば、もっとも敬遠される作業が清掃のたびに出てくる状態は変わります。人の定着には給与や勤務の条件も関わるので、作業の量はその中の1つです。
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