この記事の結論
トイレ清掃の外注費は、定期の巡回とスポットの呼び出しの2つでできていて、品質を落とさずに下げる余地があるのは呼び出しのほうです。定期の頻度を落とすと器具の尿石が早く厚くなり、呼び出しと苦情が増えるので、合計はかえって下がらないことがあります。
尿石による呼び出しは日常清掃の届かない汚水管から来るので、建物側で尿石を付きにくくして回数を減らすのが、合計を下げる近道です。
施主さまから、トイレ清掃の外注費を下げられないかと相談される。巡回の回数を減らせば金額はすぐ下がりますが、品質が落ちて苦情が増えれば、信頼を損ねます。外注費の中身を分けて年間で並べる方法と、品質を落とさずに合計を下げられる場所を説明します。
外注費は2つでできています
トイレ清掃の外注費は、大きく2つに分けられます。決まった頻度で回る定期の巡回と、必要が出たときに呼ぶスポットの作業です。
定期の巡回は単価と回数の掛け算なので、金額が読めます。見直しの話になると、まずここの回数を減らす案が出ます。
スポットは、呼んだ回数だけ積み上がります。尿石の除去、排水管の高圧洗浄、臭気の対応がここに入ります。予算で見通しにくいのはこちらで、建物によって回数も大きく違います。
定期の頻度を落とすと何が起きるか
巡回を1日3回から2回に落とせば、その分の金額は確かに下がります。ただし、下がるのは巡回の費用だけです。
起きるのは、器具の中の層が厚くなるのが早まることです。薄い曇りのうちなら置いて流すだけで終わっていたものが、厚くなると緩めて削る作業になります。そうなると、定期の巡回では収まらず、スポットで呼ぶ回数が増えます。
苦情も増えます。においは日によって変わるので、巡回の間隔が開くと苦情の出る日が増えます。苦情への対応には、施主さまの担当者の時間も使われます。巡回の費用が下がっても合計で下がらないのは、スポットの呼び出しと苦情の2つが増えるからです。
呼び出し(スポット)の回数と単価
スポットの単価は、作業の中身で決まります。器具1基の尿石除去、系統ごとの高圧洗浄、薬品洗浄、部品の交換。作業の重さが上がるほど単価も上がります。
作業にかかる時間は、層の厚みで変わります。薄いうちなら短時間で終わりますが、厚くなると一晩置いて翌日に作業することになり、同じ「尿石の除去」でも手間が大きく違ってきます。
回数には、建物の条件が大きく影響します。洗浄水量の少ない器具、勾配が緩く距離の長い横引き管、利用の集中。こうした条件があると、洗浄から数か月で戻り、また呼ぶことになります。メーカーが記録した排水管の例では、薬品洗浄から約2か月で再付着していました。
くわしいご案内清掃管理会社が尿石で呼ばれる回数を減らすには|提案の組み立て
年間の金額を積み上げる
見直しの判断をするには、年間の合計を一度並べる必要があります。定期とスポットを別の行にして、単価と回数を掛けます。
並べてみて、スポットの合計が定期の巡回に近い金額になっていれば、手を入れる先は巡回の頻度ではありません。
| 項目 | 計算のしかた | 年間の金額 |
|---|---|---|
| 定期の巡回 | 1回あたりの金額 × 年間の回数 | 記入する |
| 尿石の除去 | 1回あたりの金額 × 年間の回数 | 記入する |
| 排水管の洗浄 | 1系統あたりの金額 × 系統の数 × 年間の回数 | 記入する |
| 薬剤と消耗品 | 1回あたりの金額 × 年間の回数 | 記入する |
| 苦情への対応 | 1件あたりの時間 × 件数 × 人件費 | 記入する |
| 合計 | 上の行の合計 | 記入する |
この表は計算の例です。ご自身の契約書と作業報告書の数字を入れて確かめてください。
頻度ではなく、呼ばれる理由を減らす
尿石で繰り返し呼ばれる理由は、便器から先の汚水管の内側に尿石が育っていることです。ここは日常の清掃では届かないため、洗浄で落とすしかありません。
当然ですが、洗浄は今ある尿石を取り除く作業で、次の尿石を止める働きはありません。洗ったあとも同じ水が同じ管を流れるので、同じ場所にまた付き、呼び出しの回数は減りません。
回数を減らすには、尿石が付く条件を変えます。方法は、管の中の流れを強くするか、流す水の性質を変えて固着しにくくするかの2つです。前者は器具の入れ替えという大きな工事になり、後者は給水管に装置を取り付ける工事で済みます。
設備で対策したときの比べ方
比べるのは、いまの年間の合計と、導入後の年間の合計です。当社が扱う emiiR®(エミール)は給水管に取り付ける筒で、電源も薬剤も消耗品も使わないため、導入後に続けてかかる費用はありません。導入の総額は、トイレの給水管の口径で決まります。
投資が見合うかどうかは、いま尿石の対策に年間いくら払っているかで決まります。高圧洗浄と尿石除去の費用と回数が分かれば、その建物の数字で試算できます。上の表を埋めていただければ、そのまま材料になります。
導入後も、定期の巡回は続きます。汚水管の中では新しい尿石が固着しにくくなり、すでに付いた層も時間をかけて脆くなって、流れる水で剥がれていきます。それでも器具の表面や管に残る分は、巡回の清掃で取り除きます。上の表で変わるのは、尿石の除去と排水管の洗浄の行、つまりスポットで呼ぶ間隔です。お知らせいただくのは建物のお名前とご希望の日時の2点で、お見積もりは無料です。
よくあるご質問
巡回の回数を減らすのは、やってはいけないことですか
いいえ。利用者が少ない建物なら、巡回を減らして合計を下げられることもあります。利用が集中する建物では、器具の層が厚くなるのが早まり、スポットの呼び出しと苦情が増えて合計が下がりません。減らす前に、スポットの年間合計を並べてから判断してください。
スポットの費用は、どうやって把握すればよいですか
作業報告書を1年分並べて、日付と作業内容と金額を書き出します。尿石の除去、排水管の洗浄、臭気の対応に分けると、どの建物のどの系統で回数が多いかが見えます。
施主さまへの見直し案には、何を書けばよいですか
定期とスポットを分けた年間の合計と、スポットのうち尿石の除去と排水管の洗浄が占める金額です。巡回の回数を減らす案と、呼び出しの原因を減らす案を並べ、それぞれで年間の合計がどう変わるかを示すと、品質を落とさない案を選んでいただきやすくなります。
導入の金額は、何で決まりますか
トイレの給水管の口径で決まります。口径が決まれば型式が決まり、見積もりの金額も決まります。建物の配管系統によっては、大きい口径の1台で複数のトイレをまとめたほうが総額が下がる場合もあります。
導入後に、維持の費用はかかりますか
かかりません。電源を引かないので電気代がなく、薬剤の補充も部品の交換もありません。保証は10年で、10年後に検査を受けるとさらに10年、最長20年まで延びます。
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