「最大」は、条件がそろった設備で出た上限です。自社の数字にするには、稼働時間・能力・負荷・配管長・気密・経年の6つを当てはめます。
同じ削減率でも、動いている時間と電気の単価で金額は何倍も変わります。比べるのは率ではなく、年間の金額です。
省エネ装置の削減率をどう読めばよいのか迷っている設備・経理のご担当者さまに向けて、条件を自社に当てはめて金額に直す手順を書きました。
「最大」が示しているもの
製造元の DDe株式会社が公表している α-HT® の消費電力の削減率は最大35%です。この数字が示しているのは、条件がそろった設備で確かめられた上限で、どの設備でもこうなるという意味ではありません。
読む順番を変えると、判断に使えるようになります。率を先に見るのではなく、条件を先に見る。自社の設備がその条件のどこに当たるかを置いてから、率と金額の話に進みます。
売り手の資料では、この上限の数字がいちばん大きく置かれます。読む側としては、その数字の下に条件が書かれているかを見ると判断が早くなります。条件が書かれていない率は、自社に当てはめる手がかりがありません。
削減率が変わる条件
メーカーの資料では、効果が高く出やすい条件として次の6つが挙げられています。当てはまる数が多い設備ほど、率も金額も大きくなります。
- 稼働時間が長い(24時間運転・長時間運転)
- 冷暖房の能力が大きい
- 空調の負荷が高い
- 冷媒配管が長い
- 気密性の高い空間を空調している
- 設置から年数がたっている
当てはまらない設備もあります
当てはまる数が少ない設備では、率も金額も小さくなります。平日の日中だけ動かす事務所やオフィスがそれにあたります。また、5馬力以下の小型機は本体の内容量の分だけ冷媒が不足する恐れがあり、冷媒圧を見ながらの調整が要るため、費用に見合いにくい側です。二分(6.35mm)の配管には取り付けられず、吸収式・ターボ式の冷凍機と家庭用ルームエアコンは対象から外れます。
同じ削減率でも、金額が変わる理由
率は同じでも、掛ける相手が違えば金額は変わります。次の表は、消費電力が同じ20kWの機器を、24時間動かす場合と平日の日中だけ動かす場合で並べた計算の例です。
| 条件 | 24時間動かす設備 | 平日の日中だけ動かす設備 |
|---|---|---|
| 消費電力 | 20kW | 20kW |
| 年間の稼働時間 | 8,760時間 | 2,400時間 |
| 年間の消費電力量 | 175,200kWh | 48,000kWh |
| 電気代の従量単価 | 20円/kWh | 20円/kWh |
| 年間の電気代 | 3,504,000円 | 960,000円 |
| 1割下がった場合の差 | 350,400円 | 96,000円 |
この表は計算の例です。ご自身の数字を入れて確かめてください。
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自社の条件を当てはめる手順
手元にそろえるのは5つです。どれも請求書と室外機の銘板、それに運用の記録から取れます。
この5つがそろえば、率を掛ける相手(年間の消費電力量と単価)と、率そのものを左右する条件(稼働時間・配管・経年)の両方が埋まります。あとは掛け算です。台数が多い場合は、条件の近い機器をグループにまとめると、作業が一気に短くなります。
- 電気代の従量単価(直近の請求書の数字をそのまま使う)
- 対象機器の定格消費電力と台数(銘板)
- 月の稼働日数と1日の稼働時間(運用の実態)
- 液管の太さと、配管の長さ(配管の表示か図面)
- 導入した年月(銘板)
条件は、数字の隣に書く
社内で説明するときに効くのは、率そのものではなく、条件と金額が並んだ1行です。「24時間動く冷凍設備1台で、年間◯円」という形にすると、読む人が自分の設備と引き比べられます。
逆に、幅の広い率だけを書くと、必ず「それはどの条件の話か」と聞かれます。最初から条件を添えておけば、その1往復が省けます。
試算と実測の違い
試算は、条件から計算で出した数字です。実測は、その設備で取った数字です。どちらも必要で、役割が違います。試算は投資の判断のため、実測は効果の確認と、次の決裁のためにあります。
α-HT® の進め方は、無料シミュレーションで試算を出し、一部の設備に限って設置して実測し、評価レポートを見てから範囲を決める3段階です。1日12時間以上、または24時間動いている設備では、投資回収の目安は約2〜3年です。
社内で使うときは、試算と実測を同じ紙に並べないほうが伝わります。1回目の決裁には試算、2回目には実測。役割を分けておけば、数字が動いたときにも説明がつきます。
よくあるご質問
自社では何%下がりますか
稼働時間、能力、負荷、配管の長さ、気密、経年で変わります。室外機の型式と台数、稼働時間、請求書の従量単価をいただければ、無料シミュレーションで削減金額とCO2削減量、投資回収年数を算出します。
最大35%という数字は、どこから来ていますか
製造元の DDe株式会社が公表している消費電力の削減率です。導入実績は3万台と公表されています。お客様の設備での数字は、この公表値をそのまま当てるのではなく、条件から試算し、導入後に実測して確かめます。
削減率が小さい設備は、導入しないほうがよいですか
率ではなく年間の金額で判断します。稼働時間が短い設備は減る額が小さいため、更新の計画に合わせるほうが筋が通ることがあります。試算の段階で、向いていない設備は向いていないとお伝えします。
電気の単価はどの数字を使いますか
直近の請求書に載っている従量の単価を使います。契約と時期で動く数字なので、古い単価で計算すると金額がずれます。請求書の写しをいただければ、当社で読み取って試算します。
試算どおりにならなかったら、どう扱いますか
一部の設備で実測してから範囲を決める段取りなので、差が出た段階で広げない判断ができます。実測の数字はお客様の設備のデータとして残り、次の判断に使えます。
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ご相談とお見積もりは無料です。製品代と工事代を分けてお示しし、お見積もり以上の金額はいただきません。


