サーバールームの空調は年間8,760時間動きます。時間あたりの消費電力が同じでも、動いている時間が長いほど年間の金額は大きくなります。
冗長構成なら、系統を1つずつ止めて工事と実測ができます。まず1系統で測り、その数字を見て範囲を決めます。
サーバールーム・機械室・通信機器室の空調を見ている情報システムと設備のご担当者さまに向けて、電気代の積み上がり方と、止められない部屋で効果を確かめる段取りを書きました。
24時間365日という条件が、金額を決めています
サーバールームの空調は、止めるという選択肢がありません。年間の稼働時間は8,760時間です。事務所の空調を1日10時間・月20日で動かした場合は年間2,400時間ですから、同じ能力の機器でも年間の消費電力量は3倍以上違います。
電気代を下げる手を選ぶときは、この差を先に見ます。削減率が同じでも、動いている時間が長い設備ほど減る金額が大きくなるからです。
発熱量と空調能力の関係
ラックに入っている機器が使った電気は、ほぼすべて熱になって部屋に出ます。20kWの機器を置いている部屋では、20kW分の熱を外へ運び出し続けなければなりません。空調の能力は、この熱量に見合う大きさで選ばれています。
そのため、IT機器を増やせば空調の負荷も増えます。ラックの増設を検討する段階で、空調の余力と電気代の増え方を一緒に見ておくと、あとで足りなくなりません。
気密が高い部屋は、条件がそろっています
外の空気が入りにくい部屋は、運ぶべき熱がIT機器の発熱にほぼ限られます。負荷が読みやすく、機器が高い負荷で長時間動くため、機器側の効率に手を入れたときの差が金額に出やすい条件です。
止められない部屋で、どう手を入れるか
冷却の系統が1つしかない部屋では、工事の話は止まります。冗長構成がある部屋なら、稼働している系統で室温を保ちながら、もう一方の系統だけを止めて作業できます。
工事の前に見るのは、対象機器の型式が書類と現地で一致しているか、配管の経路、装置の設置場所、搬入と搬出の経路、そして室外機がふだん正常に動いているかの5点です。室外機の側に異常があるときは、そちらを直してから設置します。不調をそのままにして装置を足すと、あとでどちらの影響かが分からなくなります。
くわしいご案内業務用空調の電気代は、いくら下げられるのか|削減率の見方・投資回収・メーカー保証の扱い
電気代の積み上がり方(計算の例)
年間の金額は、消費電力、稼働時間、従量単価の3つで決まります。次の表は、20kWの空調が年間を通して動いている部屋を置いた計算の例です。
| 項目 | 例の数字 |
|---|---|
| 空調の消費電力 | 20kW |
| 年間の稼働時間 | 8,760時間 |
| 年間の消費電力量 | 175,200kWh |
| 電気代の従量単価 | 20円/kWh |
| 年間の電気代 | 3,504,000円 |
| 1割下がった場合の差 | 350,400円 |
この表は計算の例です。ご自身の数字を入れて確かめてください。
機器の中の効率に、まだ余地があります
サーバールームの省エネで語られるのは、ラックの並べ方、吹き出しと吸い込みの分離、目張り、外気の利用、そして高効率機への更新です。どれも部屋の側の話で、冷やす機器の中には入っていきません。
業務用の空調機は、冷媒とともに冷凍機油が配管を循環しています。熱をやり取りする面に油が残ると、その分だけ熱が渡りにくくなります。当社が扱う α-HT® は、液管にインラインで接続して冷媒と冷凍機油を攪拌し、油が面に残りにくい状態をつくる流体攪拌装置です。薬剤も電源も使わず、可動部がないため消耗品の交換もありません。メーカーが公表している消費電力の削減率は最大35%です。
1系統で測ってから、範囲を決める
進め方は3段階です。まず無料シミュレーションで削減金額とCO2削減量、投資回収年数を算出します。次に1系統だけに設置して、計測器で一定期間の実測を取ります。最後に評価レポートを見て、残りの系統に広げるかを決めます。
実測では、分電盤の電線に取り付けたクランプと電流ロガーで消費電力を記録し、室外機の吸込口には日陰になる位置に温度計を置きます。室内側の吹出口と吸込口にも温度計を付けて、設置の前後で運転の条件がそろっているかを確かめます。計測器はメーカーからの貸与品で、計測が終わったら返却します。
向いている条件と、向きにくい条件
メーカーの資料では、効果が大きく出る先として24時間動く冷蔵冷凍庫・サーバールーム・クリーンルームが挙げられています。次が店舗・病院・製造工場・介護施設で、短時間しか動かさないオフィスや事務所では効果が小さくなります。サーバールームは、稼働時間が長い・負荷が高い・気密が高いという条件が重なる場所です。
一方で、液管が二分(6.35mm)の小型機には取り付けられません。5馬力以下の機器は本体の内容量の分だけ冷媒が不足する恐れがあり、費用に対する効果も出にくい傾向です。小さな機械室に家庭用に近い機器が入っている場合は、対象から外れることがあります。
よくあるご質問
冷却を止めずに工事できますか
冗長構成があれば、稼働中の系統で室温を保ったまま、もう一方の系統を止めて作業します。冷媒の回収から再充填、運転確認までのあいだ、対象の系統は停止します。系統が1つだけの部屋では、停止できる時間帯を先に決めてから日程を組みます。
電気代はどれくらい下がりますか
メーカーが公表している消費電力の削減率は最大35%です。金額は消費電力、稼働時間、従量単価で決まるため、室外機の型式と台数、稼働時間、請求書の従量単価をいただければ無料シミュレーションで算出します。
投資は何年で戻りますか
24時間動いている設備では、投資回収の目安は約2〜3年です。年間の削減額が大きくなるほど短くなるので、稼働時間と電気の単価で変わります。試算では、直近の請求書に載っている単価をそのまま当てます。
精密機器のある部屋に設置して大丈夫ですか
設置するのは室外機側の冷媒配管で、サーバールームの中で作業するものではありません。本体は可動部がなく、振動を出す機構も電源もありません。工事は冷凍保安規則に準じて、有資格の施工者が行います。
効果が出たかどうかは、どう確かめますか
消費電力と外気温、吹出・吸込温度を同時に記録し、設置の前後で条件の近い日を選んで並べます。日別の推移をまとめた評価レポートをお渡しするので、社内の報告にそのまま使えます。
この記事に書いていないことは、直接お聞かせください。
ご相談とお見積もりは無料です。製品代と工事代を分けてお示しし、お見積もり以上の金額はいただきません。


