報告に載せる使用量は、受電点の検針値と請求書から作れます。足りないのは、取り組みの効果を説明する機器別の数字です。
機器別は、分電盤で電流を記録し、外気温と室内機の吹出・吸込温度を同時に取ります。条件のそろった日を選んで前後を並べれば、改善の分だけを示せます。
省エネ法の報告に使う数字を出すよう言われた設備・総務のご担当者さまに向けて、どこで何を測れば、報告と改善の説明の両方に使えるのかを書きました。
報告に必要な数字と、改善の説明に必要な数字は別です
報告に載せるのは、事業所で使ったエネルギーを決められた単位に換算した量です。受電点の検針値、請求書、燃料の受け入れ記録から積み上げれば作れます。ここは集計の仕事です。
困るのはその次です。前の年度より減っていたとして、それが暖冬だったからなのか、設備に手を入れたからなのかは、全体の数字からは説明できません。取り組みの内容と効果を書く欄を埋めるには、機器の側で測った数字が要ります。
しきい値、様式、提出の先は制度の改正で変わります。この記事は2026年9月時点の運用を前提にしており、提出の年度ごとに、所管の公表資料と窓口で最新の形をご確認ください。
どこで測るか(受電点・系統別・機器別)
測る場所は3段あります。上から下へ行くほど手間が増え、説明できることが増えます。
| 測る場所 | 分かること | 使いどころ |
|---|---|---|
| 受電点 | 事業所全体の使用量 | 報告の集計、前年度との比較 |
| 系統別(分電盤の回路ごと) | 用途ごとの配分 | どこが大きいかの切り分け |
| 機器別(室外機・冷凍機ごと) | 1台ごとの消費電力と運転条件 | 手を入れた効果の前後比較 |
と、当社が実測で使っている整理。
機器別に測ると、何が説明できるようになるか
空調と冷凍設備の消費電力は、外気温と稼働時間で動きます。全体の使用量だけを見ていると、この2つの影響と改善の効果が混ざったままです。機器別の消費電力に外気温を添えて記録すると、同じ外気温の日どうしで並べられるようになり、改善の分を切り出せます。
報告の書類に添えるときは、日別の推移が入った形が扱いやすくなります。数字が1つだけ書かれた表よりも、外気温と一緒に並んだ推移のほうが、社内の決裁でも監査の場でも話が早く進みます。
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測り方
消費電力は、分電盤のブレーカー電線のうち最も電流値の高い線にクランプを取り付け、電流ロガーで一定間隔の記録を取ります。外気温は室外機の吸込口に、日陰になる位置を選んで温度計を置きます。室内機の吹出口と吸込口にも温度計を2つ付けて、運転の条件がそろっているかを確かめます。
分電盤の中の作業には感電の危険があるため、絶縁手袋を着けた施工者が行います。お客様に作業をお願いすることはありません。計測器はメーカーからの貸与品で、クランプ、電流ロガー、温度計を必要な数だけ持ち込み、計測が終わったら返却します。
測る期間と、条件のそろえ方
期間は、外気温の似た日が複数含まれる長さが要ります。1日だけ測ると、その日の天気に振られて数字が動きます。前と後を同じ季節の中で取るのが基本で、季節をまたぐと外気温の幅が変わって比べられなくなります。
そろえるのは、外気温、稼働時間、そして負荷です。工場なら生産量、倉庫なら在庫量、店舗なら客数が負荷にあたります。これらを記録に添えておくと、あとで似た日を選ぶ作業が一気に楽になります。
記録の残し方
翌年度も同じ測り方で比べられるように、次の項目をひと組で残します。担当者が替わっても引き継げる形にしておくことが大事です。
- 対象機器の型番・製造年・設置場所
- 測定した期間と、記録の間隔
- 測定点(どの分電盤のどの線、どこに置いた温度計か)
- 外気温と、負荷の目安になる数字
- 設定温度と稼働時間
- だれが測ったか、計測器の種類
改善の効果を、報告に載せる形にする
当社が設備に手を入れる場合は、日別の消費電力と外気温の推移をまとめた評価レポートをお渡しします。設置の前と後を同じ条件で並べた形になっているので、報告の添付や社内の説明にそのまま使えます。
当社が扱う α-HT® は、冷媒配管の高圧管(液管)にインラインで接続する流体攪拌装置です。メーカーが公表している消費電力の削減率は最大35%で、いきなり全館に入れる進め方はとりません。一部の設備で実測し、その数字を見てから範囲を決めます。この順番なら、報告に書ける数字が手元に残ります。
よくあるご質問
報告には、機器別の測定が必要ですか
報告に載せる使用量そのものは、受電点の検針値と請求書から作れます。機器別の測定は、取り組みの内容と効果を説明するために使います。改善を数字で書きたいときに要る、という位置づけです。
測定は自社でできますか
分電盤の中にクランプを取り付ける作業は感電の危険があるため、絶縁手袋を着けた施工者が行います。記録した数字の読み方と、比べる日の選び方はお渡しするので、次の年度からはご自身で運用できます。
どれくらいの期間、測ればよいですか
前と後で、それぞれ外気温の似た日が複数取れる長さが必要です。季節をまたぐと外気温の幅が変わるので、同じ季節の中で前後を取ります。対象の設備の運転の変わりやすさで、期間の目安は変わります。
計測器は購入しなければなりませんか
購入は不要です。クランプ、電流ロガー、温度計はメーカーからの貸与品で、計測が終わったら返却します。取り付けと取り外しは当社が行います。
前の年度と比べたら減っていましたが、効果と言えますか
外気温と稼働時間が違えば、手を入れなくても数字は動きます。効果として説明するなら、外気温の近い日どうしを並べた比較が要ります。機器別の記録があれば、その形で示せます。
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