この記事の結論
業務用エアコンの寿命は運転時間や設置環境で大きく変わるため、年数だけでは決まりません。メーカーが修理用の部品を持っている期間(補修用性能部品の保有期間)は機種ごとに定められていて、取扱説明書や保証書の記載、またはメーカーの窓口で確かめられます。
更新の時期は、室外機の銘板にある製造年、部品の保有期間、故障の履歴から残り年数の見当を付けて判断します。残り年数が短い機器は更新の計画に、まだ長く使える機器は、いまの機器のまま電気代を下げる対策も選択肢になります。
空調の更新時期を社内で聞かれたとき、何年使ったかだけでは答えにくいものです。寿命と部品の保有期間をどこで確かめるかと、そこから残り年数を見積もり、取れる対策を選ぶまでを説明します。
寿命は、使い方と設置環境で大きく変わります
業務用エアコンの寿命は、運転時間、設置環境、整備の履歴で大きく前後します。販売店やメーカーが目安の年数を示していることもありますが、自社の機器に当てはめるときは、先にその機器の使われ方を確かめます。確かめる項目と、それぞれがどこで分かるかは次のとおりです。
同じ年式でも状態は違います
24時間動かしてきた機器と、平日の日中だけ動かしてきた機器では、同じ年式でも傷み方が違います。塩害のある土地や粉じんの多い工場では、屋外の部分から先に傷みます。年式は、状態を見る前に見当を付けるために使います。
| 確かめること | どこで分かるか |
|---|---|
| 製造年と型番 | 室外機の側面か背面にある銘板 |
| 補修用性能部品の保有期間 | 取扱説明書や保証書の記載、メーカーの窓口 |
| 故障と修理の履歴 | 保守会社の点検記録、修理の伝票 |
| 1日の稼働時間 | 運転のスケジュール、中央監視の記録 |
税法の耐用年数と、実際に使える年数は別のものです
耐用年数という言葉は、社内で2つの意味で使われます。ひとつは減価償却のために資産の区分ごとに決められた年数、もうひとつは機器が実際に使える年数です。この2つは同じではありません。
償却が終わっても動き続ける機器はありますし、終わる前に主要な部品が壊れることもあります。帳簿の上でどの区分に入っているかは経理でご確認いただき、更新の時期は機器の状態と部品の手配しやすさで決めます。
補修用の性能部品の保有期間
補修用性能部品とは、製品の機能を保つために必要な部品のことです。メーカーは、生産を終えた機種についても一定の期間これを保有しています。何年か、いつから数えるかは機種とメーカーによって違うため、取扱説明書や保証書の記載、またはメーカーの窓口で確かめます。この期間を過ぎると、修理は在庫品や代替品を探すことになり、直るまでの日数が読みにくくなります。
止められない設備では、この日数がそのまま損失になります。冷蔵冷凍やサーバールームのように停止できない機器は、部品の保有期間が切れる時期を先に把握して、更新の順番を決めておきます。
くわしいご案内業務用空調の電気代は、いくら下げられるのか|削減率の見方・投資回収・メーカー保証の扱い
修理と更新の分かれ目
分かれ目になるのは3つです。壊れたのが圧縮機や熱交換器のような主要な部品か、基板やファンモーターのような交換しやすい部品か。修理の金額が更新の何割に当たるか。そして1年のうちに何回止まったか。
主要な部品の交換が必要で、金額が更新に近づき、年に何度も止まっているなら更新です。逆に、交換しやすい部品の1回目の故障なら、修理して残りの年数を使い切るほうが合理的です。
残り年数が短い機器・長い機器
残り年数が短い機器は、更新の設計と予算の確保が先です。能力の見直し、冷媒の選定、工期と停止の範囲を決めるのに時間がかかるので、故障してから慌てないよう順番を作ります。
残り年数が長い機器は、これから何年も同じ電気代を払い続けることになります。こうした機器は、いま払っている電気代を下げる対策の効果を、長く受け取れます。
残り年数で、取れる対策が変わります
残り年数が、省エネ装置の投資回収の目安である約2〜3年より短い機器は、更新の計画に乗せます。残り年数がそれより十分に長く、1日12時間以上動いている機器なら、いまの機器の効率を上げて電気代を下げる対策が見合います。
当社が扱う α-HT® は、冷媒配管の高圧管(液管)にインラインで接続する流体攪拌装置です。機器を入れ替えずに導入できます。製造元の DDe株式会社が公表している消費電力の削減率は最大35%で、稼働時間が長いなど条件のそろった設備での上限の値です。設置から年数がたった機器は、効果が出やすい条件のひとつに挙げられています。更新と省エネ装置のどちらを選ぶかは、残り年数に加えて、年間の電気代と初期費用も並べて決めます。
自社の機器の年式を調べる方法
室外機の側面か背面に銘板があります。ここに製造年、型番、冷媒の種類、能力、定格消費電力が書かれています。写真を1枚撮るだけで、残り年数の見当と、装置を付けられるかどうかの判断材料がそろいます。
銘板が読めないほど傷んでいるときは、取扱説明書、納品書、更新の履歴、保守会社の点検記録から追います。台数が多い建物では、系統図があると室外機と室内機の対応が早く分かります。
よくあるご質問
業務用エアコンは何年で交換するものですか
決まった年数はなく、運転時間と設置環境で大きく変わります。交換の時期は、室外機の銘板の製造年に加えて、部品の保有期間、故障の履歴、能力が足りているかを合わせて判断します。部品の保有期間は、取扱説明書や保証書の記載、またはメーカーの窓口で確かめられます。
部品がもう無いと言われました。修理はできませんか
在庫品や代替品が見つかれば、修理できることがあります。ただし手配に時間がかかり、直るまでの日数が読みにくくなります。止められない設備なら、修理と並行して、更新の計画を先に立てるほうが安全です。
帳簿の耐用年数が過ぎた機器は、更新しないといけませんか
税法の区分で決められた年数と、機器が使える年数は別のものです。償却が終わっても動いている機器はあります。更新の時期は、故障の履歴と部品の手配しやすさ、能力が足りているかで決めます。
残り年数が長い機器には、何ができますか
これから何年も同じ電気代を払うことになるので、電気代を下げる対策を検討する価値があります。1日12時間以上動いていて、液管の太さが合えば、α-HT® のように既存の機器を活かす方法が使えます。
年式の調べ方を教えてください
室外機の側面か背面の銘板に、製造年と型番が書かれています。お問い合わせのあと、担当からメールでご連絡します。設備の写真や図面は、そのメールに添付してご返信ください。銘板の写真があれば、冷媒の種類と能力まで読み取れます。台数が多い場合は、系統図もあると早く整理できます。
この記事に書いていないことは、直接お聞かせください。
お気軽にお問い合わせください。


