この記事の結論
冷蔵倉庫・冷凍倉庫の冷凍機は1年中止まらないため、消費電力の削減率が同じでも、稼働時間の短い設備より削減される金額がずっと大きくなります。
装置と工事の費用は稼働時間では変わらないので、年間の削減額が大きい設備ほど、投資の回収も早くなります。
扉の開閉や断熱で熱の入り口を減らしたうえで、冷凍機の熱交換の効率に手を入れ、1系統で実測してから広げるのが進め方の目安です。
冷蔵・冷凍倉庫の電気代が固定費を押している、機器は古いが更新の予算が取れない、という管理者・経営者の方に向けて、24時間稼働の設備で電気代がどう積み上がり、どこに手を入れると金額が変わるかを整理します。
24時間稼働で積み上がるもの
冷蔵・冷凍倉庫の冷凍機は夜も休日も止まりません。年間の稼働時間は最大で8,760時間です。庫内の温度を保つあいだ、圧縮機は入り切りを繰り返しながら動き続け、その電力が1年分積み上がります。
電気代のうち使用電力量に比例するのは、電力量料金・燃料費調整額・再エネ賦課金の3つです。夜も休日も同じように電力を使う倉庫では、この3つの比率が高くなりやすく、使用電力量を減らしたときに浮く金額もそれだけ大きくなります。
熱の入り口(扉の開閉・断熱・搬入)
冷凍機が外へ運び出している熱は、外から庫内に入ってきた熱です。入り口は主に3つあります。
- 扉の開閉:開けるたびに外の暖かい空気が入り、空気中の湿気が霜になって蒸発器に付く
- 断熱:壁・天井・床と、扉のパッキンの傷んだところから熱が入る
- 搬入:入ってくる荷物そのものの温度と量
運用と建物の手当てで減らせる部分
高速シャッター、エアカーテン、ビニールカーテン、パッキンの交換、予冷してからの搬入などがよく検討されます。熱の入り口を減らすと、冷凍機が運び出す熱そのものが減るので、機器に手を入れる前に済ませておきたい部分です。
機器の側の効率
もう一方は、入ってきた熱を冷凍機がどれだけ少ない電力で外へ運べるかです。蒸発器の霜、凝縮器の汚れ、そして冷媒配管の内側に付く冷凍機油の膜が、熱の受け渡しを悪くします。どれも、同じ庫内温度を保つのに圧縮機を長く回す原因になります。
当社が扱う α-HT® は、このうち配管の内側に手を入れる装置です。冷媒配管の液管にインラインで接続し、冷媒と冷凍機油を攪拌して油を細かくし、油膜ができにくい状態をつくります。冷媒を入れ替えたり、配管の中に何かを加えたりはしません。対象は冷凍機(冷蔵・冷凍)やチラーなどで、R404A・R407C・R410A・R32 といった業務用の一般的なフロン冷媒に対応し、吸収式とターボ式の冷凍機は対象外です。
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稼働時間が長いほど、削減率が同じでも金額が大きくなる理由
年間の削減額は、対象機器の消費電力(kW)× 年間の稼働時間 × 削減率 × 1kWhあたりの単価、の掛け算で出ます。削減率と単価が同じなら、削減額は稼働時間に比例します。
費用は同じで、削減額だけが3倍以上違う
装置と工事の費用は、液管の太さと本数、工事の内容で決まり、稼働時間では変わりません。費用が同じで年間の削減額が3倍以上違えば、投資の回収にかかる年数もそれだけ違います。24時間動く冷凍設備が、回収の早くなりやすい設備である理由です。
削減率については、製造元の DDe株式会社が公表している値が最大35%です。これは条件がそろった設備での上限で、倉庫ごとの数字は、機器の情報と請求書の単価から無料シミュレーションで出します。
| 設備の動き方 | 年間の稼働時間 | 24時間・365日の設備を1としたときの削減額 |
|---|---|---|
| 24時間・365日(冷蔵・冷凍倉庫) | 8,760時間 | 1 |
| 1日12時間・365日 | 4,380時間 | 0.5 |
| 1日10時間・年250日 | 2,500時間 | 約0.29 |
効果が出やすい6つの条件
製造元の DDe株式会社の資料では、次の条件がそろうほど効果が高く出やすいとされています。冷蔵・冷凍倉庫は、1・2・3・5がそろいやすい施設です。
- 1. 稼働時間が長い(24時間・長時間運転)
- 2. 冷却の能力が大きい
- 3. 負荷が高い
- 4. 冷媒配管が長い
- 5. 気密性の高い空間を冷やしている
- 6. 設置から年数がたっている
倉庫ごとに違うのは、配管の長さと機器の年数
屋外の凝縮器ユニットと庫内のユニットクーラーが離れている倉庫や、設置から年数のたった冷凍機を使い続けている倉庫は、4と6の条件も重なります。
倉庫の中で候補にする機器の順番
製造元の資料の区分では、効果が大きいのは24時間稼働の冷蔵・冷凍庫、サーバールーム、クリーンルームです。店舗・病院・製造工場・介護施設がそれに続き、短時間しか動かさないオフィス・事務所は効果が小さい区分です。同じ倉庫の中でも、次の機器は金額に変わりにくくなります。
- 1日の稼働が12時間に届かない機器(推奨は1日12時間以上)
- 5馬力以下の小型機:本体の内容量の分だけ冷媒が不足する恐れがあり、冷媒圧を見ながらの調整が要るため、費用に対する効果が出にくい
- 液管が二分(6.35mm)の機器:取り付けられない
- 家庭用のルームエアコン、吸収式・ターボ式の冷凍機:対象外
候補にする順番
大型の冷凍機と小さな冷蔵設備が混在している倉庫では、稼働時間と能力の大きい系統から候補にします。前室や荷さばき場の空調も、24時間動いていれば候補に入ります。
導入前の実測から始める
進め方は3段階です。無料シミュレーションで削減金額・CO2削減量・投資回収年数を出し、次に一部の系統に設置して一定期間の消費電力を実測し、その評価レポートを見て本導入の範囲を決めます。
倉庫では、系統を止められる時間帯を先に決めます。工事では冷媒を一度回収し、装置を接続して耐圧気密試験と真空乾燥を行ってから、回収した冷媒を再充填します。その間対象の系統は止まるので、ほかの系統で庫内の温度を保てる日を選びます。万一 α-HT® が原因で機器が故障した場合は、冷媒の回収から元の配管構成への復旧まで、原状復帰の費用を当社が負担します。
当社は α-HT® の正規一次販売店です。お届けするのは製造元の DDe株式会社の正規の製品だけで、仕様や施工の疑問は製造元に直接確かめてお答えします。万一 α-HT® が原因で機器が故障した場合は、当社が原状復帰の費用を負担します。
よくあるご質問
工事のあいだ、庫内の温度は保てますか
対象の系統は、冷媒の回収から再充填・運転確認までのあいだ止まります。複数の系統がある倉庫では1系統ずつ工事し、ほかの系統で温度を保ちます。系統が1つの場合は、止められる時間帯と在庫の移し方を先に決めてから日程を組みます。
高速シャッターを入れたばかりです。それでも効果はありますか
熱の入り口を減らす手と、冷凍機の効率を上げる手は別のものなので、重ねられます。シャッターで運び出す熱が減った分、冷凍機の使用電力量は小さくなっているので、試算はシャッターの設置後の使用電力量で行います。
古い冷凍機でも付けられますか
付けられます。設置から年数のたった機器は、効果が出やすい条件のひとつです。ただし運転に異常のある機器は、先に修理してから設置します。
投資回収は何年くらいですか
α-HT® の投資回収の目安は約2〜3年です。24時間稼働の冷凍設備は年間の削減額が大きいぶん、短くなりやすい設備です。実際の年数は、機器の情報と請求書の単価から無料シミュレーションで算出します。
冷媒を買い足す必要はありますか
回収した冷媒をそのまま再充填するので、基本的には要りません。配管を延ばした分は必要に応じて調整し、5馬力以下の小型機では本体の内容量の分だけ不足する恐れがあるため、冷媒圧を見ながら調整します。
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