後付けの省エネは4つに分かれます。運転を制御するもの、熱をやり取りする面をきれいにするもの、冷媒の側に薬剤を混ぜるもの、配管に機器を接続するものです。
α-HT® は4つ目です。冷媒を入れ替えたり、何かを混ぜたりはしません。液管にインラインで接続し、通り抜ける冷媒と冷凍機油を攪拌する装置です。
空調の後付けの省エネを調べていて、方式の違いが分からなくなった設備・総務のご担当者さまに向けて、4つの方式が何をするものかを分けて書きました。
後付けの手は、4つに分かれます
検索して出てくる商材を並べると、説明の言葉は似ていても、働きかけている場所がまったく違います。分け方は、冷媒に触るかどうかで整理すると分かりやすくなります。
| 方式 | 働きかける場所 | 冷媒に触るか |
|---|---|---|
| 運転を制御する | 機器への指令(運転・停止・出力) | 触らない |
| 面をきれいにする | 熱をやり取りする面の外側 | 触らない |
| 冷媒の側に薬剤を混ぜる | 冷媒や冷凍機油そのもの | 混ざり、系の中に残る |
| 配管に機器を接続する | 配管の中を通る流れの状態 | 入れ替えず、何も足さない |
運転を制御するもの
デマンドの監視装置、間欠運転の制御、スケジュールの自動化などがこの層です。効かせているのは機器への指令で、機器そのものの効率は変わりません。
室温や庫内温度に影響が出る場合があるので、快適さや生産・保管の条件を先に決めてから設定します。設定を詰めすぎると現場から戻され、しばらくすると誰も使っていない、ということが起こります。
面をきれいにするもの
フィンの洗浄、フィルターの清掃、室内機の分解洗浄がこの層です。熱をやり取りする面の外側に届き、詰まっていた分だけ戻ります。
届かないのは面の内側です。冷媒が流れている側に残った油は、外から洗っても落ちません。清掃の前後で消費電力を測って、以前の水準まで戻らないときは、この内側が残っています。
冷媒の側に薬剤を混ぜる方式は、何をするのか
冷媒や冷凍機油に混ぜることで、摩擦を減らす、熱の伝わりを変える、といった説明がされる方式です。添加剤と呼ばれることもあります。混ぜたものは冷媒と一緒に系の中を回り続けます。
この方式を検討するときに確かめておきたいのは3点です。機器メーカーが指定していない物質が入った場合に保証がどう扱われるか。将来その冷媒を回収するときに、混ざったものがどう扱われるか。そして、元の状態に戻す方法があるか。これは方式の一般論で、個々の商品を評価するものではありません。
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配管に機器を接続する方式は、何をするのか
配管そのものの途中に本体をつなぎ、通り抜ける流れに働きかける方式です。当社が扱う α-HT® はこの方式で、冷媒配管の高圧管(液管)にインラインで接続する流体攪拌装置です。製造は DDe株式会社、特許第6300339号ほかを保有しています。
業務用の空調機と冷凍機は、冷媒とともに冷凍機油が配管を循環しています。α-HT® は、この冷媒と冷凍機油を強く攪拌して循環している油を細かくします。油が熱をやり取りする面に残りにくくなり、流れの抵抗も下がって、熱交換の効率が上がる。設定温度に早く届けば、圧縮機が働く時間が短くなります。メーカーが公表している消費電力の削減率は最大35%、導入実績は3万台です。
α-HT® は、冷媒を入れ替えたり足したりしません
働きかけるのは、配管の中を通る流れの状態です。冷媒を別のものに替えるのでも、冷媒の性質そのものを作り変えるのでもありません。本体には可動部がなく、電気も水も使わないため、設置後は消耗品の交換も点検の契約も発生しません。
工事で冷媒を一度回収するのは、配管を開けて本体をつなぐためです。回収した冷媒はそのまま戻すので、破壊処理は必要ありません。配管が延びた分だけ量の調整をすることはありますが、冷媒の種類は変えません。
設置のとき、冷媒はどうなるのか
現地の作業は8つの工程で進みます。数字が書かれているところは、短縮しない条件として決まっているものです。
- 準備作業と、室外機の運転確認
- 冷媒ガスの回収(洗浄済みの容器を使う)
- 架台の組み立てとロウ付け溶接で本体を接続
- 耐圧気密試験(0.3MPa×3分 → 1.5MPa×3分 → 設計圧力×24時間)と、石鹸水などによる漏れの確認
- 冷媒配管の真空乾燥(1時間以上)
- 回収した冷媒の再充填
- 保温・断熱のラッキング工事
- 運転確認(エラーがなく、冷媒圧が正常であること)
記録が残ります
真空乾燥を1時間以上かけるのは、不十分だと圧縮機の故障につながるためです。工事のあとは作業報告書と施工完了報告書をお渡しし、試験をどの圧力で何分保ったか、冷媒をどれだけ戻したかが記録として残ります。工事は冷凍保安規則に準じて、有資格の施工者が行います。
保証と、どちらを選ぶかの判断
既存の冷媒配管に手を入れる工事なので、万一のときの取り扱いを先に決めます。当社は、α-HT® が原因で機器が故障した場合、冷媒の回収から元の配管構成への復旧まで、原状復帰の費用を負担します。メーカーへの確認も当社が窓口になります。
選ぶときの見方は3つです。何に働きかける方式か。系の中に残るものがあるか。元の状態に戻す手順が示されているか。この3つを同じ表で並べれば、方式の違いはそのまま比較になります。
よくあるご質問
冷媒に入れるタイプと、配管に付けるタイプはどちらが効きますか
働きかける場所が違うので、効き方も確かめ方も別です。当社が扱う α-HT® は配管に接続する方式で、冷媒には何も足しません。効果はメーカーの公表値だけで判断せず、導入の前後で消費電力を実測して比べます。
冷媒を抜くと聞きました。量は変わりますか
回収した冷媒をそのまま再充填します。配管が延びた分の調整をすることはありますが、種類は変えません。回収した冷媒を戻すので、破壊処理も発生しません。
取り外すことはできますか
できます。外す工程は入れるときの逆で、冷媒を回収し、本体を外して配管を元の構成に戻し、耐圧気密試験と真空乾燥を行ってから冷媒を再充填します。手順が決まっているので、費用の見当も先に出せます。
自社の機器に付けられるか、どう調べますか
液管の太さで決まります。三分(9.52mm)と四分(12.70mm)は α-HT®1000、五分(15.88mm)は α-HT®1000X、六分(19.05mm)は α-HT®1000X を2本並列にします。二分(6.35mm)には付けられず、吸収式・ターボ式の冷凍機と家庭用ルームエアコンは対象外です。
工事にはどんな資格が要りますか
高圧の冷媒を扱うため、冷凍保安規則に準じて、ガス溶接技能講習、冷媒回収技術者、空調・冷媒機器の取り扱いに関する資格を持つ施工者が行います。だれがどの資格で入るのかは、着工の前にお知らせします。
この記事に書いていないことは、直接お聞かせください。
ご相談とお見積もりは無料です。製品代と工事代を分けてお示しし、お見積もり以上の金額はいただきません。


