この記事の結論
飲食店が排水とグリストラップに払っている1年分の費用は、定期の清掃委託、詰まったときの緊急対応、薬剤と資材、店内の作業時間の4つの費目に分けて書き出すと、店舗ごとの合計が出せます。
このうち汚れの溜まる速さで増減するのは、緊急対応の回数と定期清掃の間隔です。流し込む水の側で溜まる速さを緩やかにすると、この2つを見直す検討材料になります。
排水の委託費を下げるよう求められた本部の店舗運営・購買のご担当者さま、業者さまから清掃の回数を増やすよう勧められたオーナーさまに向けて、1年ぶんの数え方と、見直せる場所をまとめました。
1年ぶんを、4つに分けて数える
排水にかかる費用は、請求書が別々に届くので、合計で見られていないことがよくあります。まず1年ぶんを下の表の4つの費目に分けて、店舗ごとに書き出します。
4つ目の店内の作業時間は請求書に出てこないので、見落とされがちです。閉店後にグリストラップのバスケットを洗う時間が毎日10分なら、年に300日の営業で50時間になります。時給を掛ければ、委託費と同じ物差しで比べられます。
多店舗チェーンさまでは、この表を店舗ごとに1行ずつ並べると、同じ業態なのに排水の費用が突出している店舗が浮かびます。突出の理由が緊急対応の回数なのか、委託の単価なのかで、打つ手が変わります。
| 費目 | 何が入るか | 数え方 | 自店の数字 |
|---|---|---|---|
| 定期の委託 | グリストラップの汲み取りと清掃、排水管の高圧洗浄 | 1回の単価 × 年の回数 | |
| 緊急対応 | 詰まり・逆流で呼んだときの出張と作業 | 1回の請求 × 年の回数 | |
| 薬剤と資材 | バイオ剤、洗浄剤、油の吸着材、ストレーナー | 月の購入額 × 12 | |
| 店内の作業時間 | 毎日のバスケット掃除、油の回収、清掃の立ち会い | 1日の分数 × 営業日数 × 時給 ÷ 60 |
この表は計算の例です。ご自身の数字を入れて確かめてください。
詰まりと臭いは、どこで起きているか
ご存じのとおり、厨房の排水はグリストラップで油と生ごみを分けてから、店の外の排水管へ流れます。詰まりと臭いが起きやすいのは、グリストラップの中と、そこから先の横に長い排水管です。
横に長い管は流れがゆるく、油が冷えて壁に付きやすい区間です。ここに層が育つと水の通り道が細くなり、洗い物の多い日に受けきれずに逆流します。
溜まるものの正体(廃油と生ごみ)
グリストラップに溜まるのは、水面に浮く油の層と、底に沈む生ごみや食べ残しの層です。浮いた油は冷えて固まり、底の層は時間とともに腐敗して、臭いのもとになります。
排水管の壁に付くのは、油と、油にからんだ食べかすやでんぷんの層です。表面はぬめりに覆われ、流れてきた汚れがさらに付く足場になります。
清掃の頻度は、何を見て決めているか
清掃の頻度は、契約で決めた回数のまま回っていることがあります。その回数に、溜まり方の記録という根拠が付いているかを確かめてください。
決める材料は、油の層の厚さ、底の層の量、臭いの出方、排水の流れの速さです。清掃のたびにこれを記録しておくと、次の清掃までの間隔を数字で話せるようになります。材料を数字にするやり方は、清掃頻度の記事で詳しく書いています。
流し込む水の側で変わるところ
いまの対策は、溜まったものを取る側に集まっています。流し込む水の側で、汚れの付く速さを変えるという手もあります。
UFB DUAL® を元栓に付けると、シンク、食洗機、床洗いに使う水が、ウルトラファインバブルを含んだ水に変わります。グリストラップと排水管には、洗い物のたびにこの水が流れ込みます。
この泡はマイナスの電気を帯びていて、油やぬめりのように水になじまない汚れに寄っていき、管の壁との付き方を弱めます。はがれた汚れは流れに乗って運ばれ、壁に戻りにくくなる働きも期待できます。
壁に付いて残る分が減れば、定期清掃の間隔、委託費、緊急対応の回数を見直す検討材料になります。浮いた予算と人手は、接客やメニューの開発に回しやすくなります。
変わらないところ(日常清掃と法定の管理)
グリストラップが受け止めた油と生ごみを毎日すくい出す作業は、水を変えてもそのまま残ります。
自治体の下水道の決まりや、建物の管理規約で清掃や報告が定められている場合は、それもこれまでどおりです。水を変えて見直せるのは、溜まる速さに合わせて店舗が決めている間隔の側です。
頻度を見直す検討材料になるまでの時間
排水の側の変化は、すぐには見えません。食品工場の排水管の事例では、設置の初めは変化がなく、6か月を過ぎたころから管の中がきれいになっていきました。キッチンの配管の中を追った事例では、1年で配管の状態が整っています。
見直しの判断は、半年から1年の記録で行います。定期の清掃のたびに取る記録を、設置の前と同じ書式で続けてください。
見直したい店舗の4つの費目の数字がそろったら、ご相談内容の欄に書き込んでください。どの費目から手を付けるかの順番と、1店舗に入れる場合の費用をあわせてご提示します。
よくあるご質問
グリストラップの清掃費用は、いくらが相場ですか
単価は地域、槽の大きさ、汲み取る量、作業の時間帯で大きく変わるため、1つの金額では示せません。見直しには、自店の1年ぶんの請求を4つの費目に分けて合計し、その推移を見るほうが役立ちます。
水を変えれば、清掃の委託をやめられますか
やめるのではなく、委託は続けたうえで間隔を見直す形になります。溜まる速さが記録で緩やかになったら、間隔と回数を業者さまと相談できます。
変化が分かるまで、どのくらいかかりますか
排水の側は時間がかかり、食品工場の排水管では6か月を過ぎたころから変化が出た事例があります。判断は半年から1年の記録で行ってください。
多店舗の場合、どの店舗から入れるのがよいですか
緊急対応の回数が多い店舗と、清掃の間隔が短い店舗です。変化の幅が記録で読み取りやすいからです。
費用はどのくらいですか
店舗の給水管の口径で決まります。25Aは本体600,000円(メーカー希望小売価格850,000円)と工事費50,000〜80,000円、大型店舗やセントラルキッチンの40Aは本体2,500,000円(オープン価格)と工事費150,000円程度です(税抜)。設置したあとの消耗品と電気代はかかりません。
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