この記事の結論
衛生清掃でラインが止まる時間のうち短くできるのは、予洗い、こすり洗い、すすぎ、部品のつけ置きのように、汚れが面から離れるまでの時間で長さが決まる工程です。使う水をウルトラファインバブルを含む水にすると、汚れが付く力が弱まり、手順を変えずにこれらの工程が短くなる方向に働きます。
分解と組み立て、殺菌、乾燥、確認の時間は変わりません。まず清掃の工程ごとの時間を1回分測り、短くなりうる工程が全体の何割かを出してから、取り付けの前後で同じ記録を取って比べます。
稼働率を上げろと言われ、清掃で止まっている時間を短くしたい食品工場の工場長・製造課長さま向けに、洗浄そのものが早く終わる側から考える手順を書きました。
止まっている時間の内訳
ラインが止まる時間は、段取り替え、故障、計画保全、そして衛生清掃に分かれます。このうち衛生清掃は、品目の切り替えごと、終業ごとに必ず発生し、毎回ほぼ同じだけの時間がかかる部分です。
衛生清掃の中身は、さらに分解、予洗い、洗剤での洗浄、こすり洗い、すすぎ、殺菌、組み立て、確認の順に並びます。まずこの順番ごとに、何分かかっているかを1回分計ってみると、どこに時間が積まれているかが見えてきます。
清掃・洗浄が長くなる理由
長くなるのは、落ちにくい汚れが残る場所です。熱をかけた面に焼き付いたでんぷんやたんぱく質、継ぎ目やベルトの裏にたまった油、配管の内側で固まった付着物は、1回のすすぎでは離れず、こすり洗いとすすぎの繰り返しになります。
もう1つの理由は、前回の清掃で落としきれなかった薄い層です。その上に次の汚れが重なると、清掃のたびに少しずつ落ちにくくなり、同じ手順でもかかる時間が延びていきます。
時間を見える化したあとに、何を変えるか
停止時間の見える化は、長さを正確にするところまでを受け持ちます。どの工程が長いかが分かったら、次は、その工程の時間を決めている条件のどれを変えるかを決める段階です。
変えられる条件は、人の手順、洗剤と濃度、道具と設備の構造、そして汚れの落ちやすさの4つです。手順と洗剤は品質保証の管理と結びついていて変えにくく、構造の変更は投資が大きくなります。汚れの落ちやすさは、使う水を変えることで、手順を変えずに変えられる条件です。
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汚れの落ちやすさを変える
落ちやすさを変えるのは、汚れと面のあいだに入り込むものです。目に見えないほど小さな泡、ウルトラファインバブルは、マイナスの電気を帯びた表面で油やたんぱく質の汚れに付き、面にしがみつく力をゆるめます。水になじみやすく、ベルトの継ぎ目や部品の細い溝にも届くので、流すだけで離れる汚れの割合が増えます。
厨房機器メーカーのラボで行われた洗浄力の比較では、つけ置き洗いで差が大きく出ています。熱水で洗う医療器具の洗浄機では、ヒーターの周りやフロートスイッチに付いたスケールが柔らかくなり、指で押す程度で落とせるようになった事例があります。
UFB DUAL® は、この水を給水の元栓や工程の系統でつくる設備です。減水率は約5%で、洗浄に使う水の勢いと量をほぼそのまま保てるので、すすぎの手順を作り直さずに使えます。
落ちやすくなると、どの工程が短くなるか
短くなるのは、汚れが離れるまでの時間で長さが決まっている工程です。こすり洗いの回数、すすぎの時間と回数、分解した部品のつけ置きの時間がこれに当たります。配管と設備の内側の付着が抑えられれば、洗浄の頻度そのものの見直しにもつながることが期待できます。
CIPでは、汚れの剥離が進みやすくなることで、すすぎの回数と薬剤の使用量を見直しやすくなります。見直すのは、記録で落ち方の変化を確かめた後です。
短くならない工程
分解と組み立て、殺菌、乾燥、清掃後の確認は、汚れの落ちやすさでは縮みません。殺菌の時間と濃度は管理の基準で決まっているので、水を変えても同じ時間をかけます。
したがって、縮む上限は、予洗いからすすぎまでの時間です。最初にこの部分が全体の何割を占めるかを計っておくと、見込みが大きく外れることがありません。
現場で時間を測るやり方
同じラインの同じ品目の後で、清掃の工程ごとの時刻を記録します。担当者と手順、洗剤の濃度をそろえ、変えるのは水だけにします。取り付け前に2週間、取り付け後に同じ期間の記録を取ると、工程ごとの差が見えます。
時間と一緒に、清掃後の拭き取り検査の結果と写真も残します。時間が短くなっても清浄度が下がっていないことを示せれば、手順を見直すときの根拠になり、監査でもそのまま説明に使えます。
よくあるご質問
衛生清掃の時間はどれくらい短くなりますか
一律の数字はなく、汚れの種類と設備で変わります。短くなるのは予洗いからすすぎまでの、汚れが離れるまでの時間で決まる工程なので、工程ごとの時刻を取り付けの前後で記録して、自社の数字で確かめてください。
殺菌の時間も短くできますか
短くしません。殺菌の時間と濃度は管理の基準で決まっているので、水を変えても同じ時間をかけます。短くなるのは、こすり洗い、すすぎ、つけ置きといった汚れを落とす工程です。
洗浄の水圧が落ちて、かえって時間がかかりませんか
かかりません。UFB DUAL® の減水率は約5%で、水の勢いと量はほぼ変わりません。水量を大きく絞る方式とは違い、すすぎの手順や時間の設定を作り直す必要はありません。
ラインを止めずに取り付けられますか
止まるのは、取り付けで水が止まる1〜2時間だけです。配管をつないだ接着剤が固まるまで通水できないためです。作業全体は3時間〜半日なので、定期の停止日や休日に合わせて組めます。
清掃を外部に委託していても効果を確かめられますか
確かめられます。委託先の作業記録に、工程ごとの時刻と清掃後の写真を加えてもらい、取り付けの前後で比べます。手順と人をそろえることが、比べる条件になります。
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