歯科でナノバブルは本当に効くのか|配管の中で何が起きているかから確かめる

歯科でナノバブルは本当に効くのか|配管の中で何が起きているかから確かめる
この記事の結論

歯科のナノバブルが働くのは、配管とユニットのチューブの壁に付く汚れに対してです。泡が汚れの付着力を弱めて剥がれやすくし、再び付きにくくすることで、チューブの汚れの溜まり方が緩やかになります。

効かないと言われるのは、目に見えない泡に目に見える変化を急いで求めたときです。見る場所と期間を決めて院内で確かめれば、変化の有無は自院の記録で判断できます。

歯科の給水にナノバブルを入れることを勧められて、本当に意味があるのかを確かめたい院長先生に向けて、配管の中で起きていることから説明します。

目次

「効かない」と言われる理由は、たいてい同じところにある

ナノバブルが効かないという声には、いくつかの型があります。泡が見えないので入っているか分からない。付けた翌日に何も変わらなかった。水の勢いが落ちて使いにくくなった。泡がはじけて汚れを落とすと聞いたのに、そんな様子がない。

どれも、ナノバブルにできることと、期待したことがずれているところから来ています。付けた場所の手前の配管や、ボトルで持ち込む水には届かない、という設置の位置の問題が混ざっていることもあります。泡は見えない大きさで、変化は付着の進み方として時間をかけて現れます。水の勢いが落ちるかどうかは、泡をつくる方式で決まります。はじける刺激で汚れを落とすという説明は、この大きさの泡の働きとは違います。ずれを1つずつ外していくと、歯科で確かめるべきことが残ります。

残るのは、ユニットのチューブや給水配管に付く汚れが、毎日の水で剥がれやすく、付きにくくなっているかどうか、という1点です。これは院内の部品と清掃の記録で確かめられます。

泡が目に見えないこと

ナノバブル(ウルトラファインバブル)は、国際規格 ISO 20480-1 で、直径1マイクロメートル未満の泡として分類されています。当社が扱う UFB DUAL® がつくる泡の中心粒径は約150〜200ナノメートルで、光を散らさないので水は透明のまま、目では見えません。

泡が小さいほど浮き上がる速さは急に落ち、この大きさでは水の分子の動きのほうが浮く力に勝つので、泡は浮かずに水の中にただよい続けます。表面はマイナスに帯電していて(ゼータ電位の目安は−20〜−40mV)、泡どうしが反発して合わさりにくく、散らばったまま配管の先まで運ばれます。見えないことは、働いていないことの証拠にはなりません。

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歯科で起きること

歯科の給水で問題になるのは、夜や休診日に止まった水の中で、ユニットの細いチューブの内壁に汚れが付いて層になることです。遊離残留塩素は止まっている時間に下がり、給水配管は汚れの温床になりやすい状態になります。

ナノバブルを含んだ水がチューブを毎日通ると、壁に付いた汚れが少しずつ剥がれていきます。ユニットのチューブで、設置後に約200Lを通したところで内側の汚れが剥がれていった事例があります。変化は、通した水の量と日数に応じて進みます。

UFB DUAL® の減水率は約5%で、水圧と水量はほぼ保たれます。泡を実用的な量でつくる方式の多くは水の勢いが落ちやすく、それが使いにくさにつながりますが、この方式ではタービンの水量も朝の通水の量もいまのままです。

配管の壁に付いた層に対して、何をしているのか

汚れの多くは、プラスの電気を帯び、水をはじく性質を持っています。マイナスに帯電したナノバブルはそこに寄っていき、汚れと壁のあいだの付着力を弱めます。付着が弱まった汚れは、次に水が流れたときに離れていきます。離れたあとの壁にも泡が並ぶので、同じところにまた付くのを抑える働きも期待できます。

していることは、汚れの付き方を変えることです。微生物を消す働きではないので、消毒は消毒剤と、ユニットのメーカーが指示する手順で続けます。泡がはじける勢いで汚れを削るという説明とも違い、この大きさの泡は触ってもはじける感触はありません。

院内で確かめられる項目

本当に効いているかは、院内の記録で確かめられます。設置の前に、次の場所の様子と、清掃や交換にかかった時間を記録しておき、設置の直後、数か月後、1年後に同じ手順で見比べます。

  • 交換したユニットのチューブと給水フィルターの内側
  • スピットンの縁と排水口の付着
  • 器具洗浄のシンクで、つけ置きのあとにこする回数
  • 洗浄機のヒーターまわりの白い付着と、落とすのにかかる時間
  • ユニットと手洗いの水の出方(設置の前後で比べる)

よくあるご質問

ナノバブルが入っているか、どうやって分かりますか

泡は約150〜200ナノメートルで、目では見えません。変化は、交換したチューブの内側や清掃の手応えといった、付着の進み方で確かめます。

どのくらいで効果が分かりますか

チューブでは約200Lを通したところで汚れが剥がれていった事例があり、配管全体は数か月から1年の単位で見ます。見る時期を先に決めておくと判断がぶれません。

ナノバブルで消毒はいらなくなりますか

消毒は、消毒剤とユニットのメーカーの指示で続けます。ナノバブルがしていることは、汚れを剥がれやすく付きにくくすることです。

水の勢いが弱くなりませんか

UFB DUAL® の減水率は約5%で、水圧と水量はほぼ変わりません。タービンの水量もいまのままです。

費用はいくらですか

本体は20Aが350,000円、25Aが600,000円(税抜)、工事費は5〜8万円です。消耗品と電源がないので、続く費用はありません。

アリージェンス合同会社 代表 沼倉孝秀

沼倉 孝秀(ぬまくら たかひで)

アリージェンス合同会社 CEO。UFB DUAL®・emiiR®(エミール)・α-HT® の正規一次販売店として、製品の選定から設置、設置後の窓口までを担当しています。

アリージェンス合同会社

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