この記事の結論
小便器が尿石で詰まったら、まず止水栓を閉めて使用を止め、あふれる前に水を止めます。自分で直せるのは器具の中と、外せる尿受け・トラップまでで、その先の管が細くなっているときは、ワイヤーや高圧洗浄で除去する業者に頼みます。
収まったあとは、日付と器具と作業内容を記録し、同じ器具が何か月で戻るかを見て、次の対策を決めます。
小便器が流れない、水位が上がってあふれそう。そんなときに、いますぐやることと、業者を呼ぶかどうかの見分け方、収まったあとに繰り返さないためにやることを、順に説明します。
まず止めること、確認すること
最初にやるのは、その器具の止水栓を閉めることです。自動洗浄の器具は、人が近づくたびに流れてあふれます。止水栓は器具の下か、壁の点検口の中にあります。見つからない場合は、そのトイレの元栓を閉めます。
次に、使用を止める表示を貼ります。あふれた水は尿を含んでいるので、床に広がるとにおいが残ります。清掃のバケツと吸水のモップを先に用意しておくと、あふれたときに慌てずに済みます。
そのうえで、範囲を確かめます。1基だけか、並んでいる複数か、同じ階の大便器も流れが遅いか。1基だけならその器具か尿受けの奥、複数なら共通の横引き管で細くなっています。範囲によって、頼む作業が変わります。
| 症状 | 止まっている場所の見立て | 自分でできること | 頼む作業 |
|---|---|---|---|
| 1基だけ、水位が上がる | 器具の内側か尿受けの奥 | 止水、尿受けを外して漬ける | 器具の内部の除去 |
| 1基だけ、流れるが遅い | トラップから先の立ち上がり | 止水、酸性の洗剤で緩める | 管の洗浄 |
| 並びの複数で同時 | 共通の横引き管 | 止水、使用を止める | 横引き管の高圧洗浄と除去 |
| 同じ階の大便器も遅い | 縦管か、その階の主管 | 使用を止める | 系統の調査と洗浄 |
自分でできる範囲
尿受けとトラップは、工具で外せる構造になっています。外して洗剤に漬ければ、内側の全面が戻ります。詰まりの起点はここが多いので、1基だけの症状ならまずここを開けます。
器具の内側に層が付いている場合は、酸性の洗剤を入れて置きます。水位を下げてから入れ、一晩置いて、崩れる手ざわりになってから樹脂のヘラで取り除きます。緩めずにこすると、表面を荒らして次が付きやすくなります。
強い酸性の業務用洗剤を使うときは、換気扇を回し、扉を開けて空気の通り道をつくり、手袋と眼の保護をしてから始めます。塩素系のものと一緒に使うことはできません。前に入れたものが残っている状態で次を入れるのも同じです。
くわしいご案内尿石対策|落としても戻るのはなぜか、つきにくくするにはどうするか
業者に頼む範囲
ラバーカップで押しても戻る、尿受けを外しても水位が下がらない、複数の器具で同時に起きている。このどれかなら、器具の外で細くなっています。ここから先は頼む作業です。
重い閉塞は、まず物理的に取り除く必要があります。薬剤を流し込んで待つだけでは通りません。ワイヤーや高圧洗浄で通り道を作り、そのうえで管の内壁の層を落としていきます。
棒などで無理に突かないでください。細くなった場所に固まりを押し詰めて、かえって取り出しにくくなります。器具の内側を割ることもあります。止水して待つほうが、結果として早く終わります。
詰まりが繰り返す建物の共通点
1回の作業で終わる建物と、毎年のように呼ぶ建物があります。違いを生む条件は主に3つです。洗浄の水量が少ない器具が入っていること、横引き管の勾配が緩くて距離が長いこと、利用が特定の時間に集中していることです。
節水型の器具では、1回に流れる水が少ないぶん、横引き管の中を押し流す力が弱まります。すると尿に混じった固形分が管の底に残り、それが核になって尿石の層が広がっていきます。新しい器具に替えてから詰まりが増えた、という建物はこの形です。
当然ですが、洗浄は今ある尿石を取り除く作業で、次の尿石を止める働きはありません。条件が同じままなら、また同じ場所が細くなります。毎年のように詰まる建物は、作業が甘いのではなく、詰まりやすい条件がそのまま残っていると考えられます。
繰り返さないための次の一手
収まったあとにやることは2つです。記録を残すことと、詰まりやすい条件そのものに対策を入れるかを決めることです。
記録は、日付、器具の場所、症状、作業の内容の4つで足ります。2回分そろえば、その器具が何か月周期で戻っているかが分かります。年間の作業回数と予算を決める根拠になります。
条件に対策を入れる方法の一つが、流す水の性質を変えることです。当社が扱う emiiR®(エミール)は給水管の途中に縦に取り付ける筒で、電源も薬剤も使わず、カルシウムの結晶が固着しにくい状態にします。導入後は、除去しきれずに管に残った薄い層も時間とともに脆くなり、流れる水で剥がれやすくなります。それでも残る分は清掃で取るので清掃はなくなりませんが、次に詰まるまでの間隔は延びていきます。取り付けただけで詰まりが解消するものではないため、重い閉塞は先に物理的に取り除きます。
よくあるご質問
止水栓が見つかりません。どうすればよいですか
器具の下、または壁の点検口の中にあります。見つからない場合は、そのトイレの元栓を閉めてください。自動洗浄の器具は人が近づくたびに流れるので、止めないままにするとあふれます。センサーに紙を貼って隠すのは、一時的な足止めにはなります。
ラバーカップは使ってよいですか
使えますが、通るのは軽い詰まりのときです。尿石で細くなっている場合は、押しても戻ります。強く押し込むと固まりを詰め直したり、器具の内側を割ったりするので、2回試して変わらなければ止めてください。
強い酸性の業務用洗剤を流し込めば通りますか
いいえ、通り道がふさがっている状態では通りません。洗剤が詰まりの奥まで届かず、溜まったまま反応するので、危険なだけです。薄い層なら緩みますが、まず物理的に通り道を作る作業が先です。
同じ器具で毎年詰まります。器具を交換すれば直りますか
器具の内側が層で狭まっているなら交換で改善します。ただし、その先の横引き管に層が残っていれば、また同じ症状に戻ります。交換を検討するときは、管の中の状態も一緒に確かめてください。
あふれた水の清掃で、気をつけることはありますか
尿を含んでいるので、吸い取ったあとに床と目地を洗って乾かすところまでやってください。目地に入った分は残ってにおいの元になります。使ったモップと布は、他の場所と分けてください。
この記事に書いていないことは、直接お聞かせください。
お気軽にお問い合わせください。


