冷却塔にかかっている水のお金を減らす|ブロー水と、下水道料金の減量認定

冷却塔にかかっている水のお金を減らす|ブロー水と、下水道料金の減量認定
この記事の結論

冷却塔にかかっているお金は、薬品よりも水のほうが大きいです。100RTクラス冷却塔1台では、薬品費が年間240,000円、ブロー水にかかる上下水道費が年間882,000円という内訳になります。

だから手を付ける順番は、薬剤よりブロー水です。ブローが減ると、上水道と下水道の両方が動きます。

冷却塔の固定費を下げたい建物の総務・設備管理の方に向けて、水にかかっているお金の数え方と、下げ方をまとめました。

目次

内訳を先に出します

冷却塔の水処理といえば、まず薬剤の話になります。毎年見積書に出てくるのが薬品費だからです。ところが金額の大きさで並べ替えると、順番は逆になります。

下の数字は、全館空調でよく用いられる100RTクラス冷却塔1台のものです。いまの薬剤処理と、当社が扱う emiiR®(エミール)を入れた場合を並べました。薬品費よりも、ブロー水にかかる上下水道費のほうが3倍以上大きいことが分かります。

費目 従来(薬剤処理) emiiR®導入後 年間削減額
薬品費 240,000円 72,000円 168,000円
ブロー水関連(上下水道) 882,000円 88,000円 794,000円
主要項目の合計 1,122,000円 160,000円 約96万円(約86%減)

出典:メーカー資料(2026-09-26 確認)。100RTクラス冷却塔1台での試算。導入後の薬品費72,000円は、殺藻剤などの残る分です。

ブロー水とは、濃くなった水を捨てているもの

冷却塔は水を蒸発させて熱を捨てます。出ていくのは水だけで、水に溶けていたカルシウムやシリカは残ります。だから運転を続けるほど循環水は濃くなります。

濃くなりすぎると、スケールが伝熱面や充填材に固着しはじめます。それを避けるために、濃い水を抜いて薄い水を足す。この抜いている水がブロー水です。

濃縮の限界を決めているのは水質

どこまで濃くできるかは、原水の硬度やアルカリ度で変わります。同じ機種でも、地域によって運転できる濃縮の幅が違います。

薬剤による管理は、分散剤でスケール成分を水中に留め、限界を少し上に動かす考え方です。分散剤の濃度を保つために、水質の分析と薬剤の補充が続きます。

年間のお金を4つに分けて数える

冷却塔にかかっている費用は、別々の請求書に散っています。まとめて1枚に並べるところから始めてください。

  • 上水道:補給水量に単価を掛けた分。水道の請求書から拾えます
  • 下水道:使用水量に単価を掛けた分。減量認定を受けると、ここが動きます
  • 薬品費:スケール分散剤と殺藻剤。水処理の委託契約に入っていることが多いです
  • 清掃:ルーバー・充填材・下部水槽の清掃の委託費と、立ち会いにかかる人の時間
もう少し詳しく:清掃の費用は契約書のどこにあるか

冷却塔の清掃は、空調設備の保守契約の中に含まれていることが多く、単独の金額として見えていない場合があります。契約書の内訳に「冷却塔清掃」「ケレン」「高圧洗浄」の記載があるかを見てください。

含まれている場合でも、回数が減れば次の更新で契約の中身を見直す材料になります。立ち会いの時間は契約に出てきませんが、担当者の工数として毎年かかっています。

ブローを減らすと、上水道と下水道の両方が動く

ブロー水を減らすと、捨てる水が減ります。捨てる水が減れば、その分を足すための補給水も減ります。だから上水道の料金が下がります。

同時に、下水道へ出す水も減ります。下水道使用料は水道の使用水量をもとに算定されるので、補給水が減ればこちらも下がります。さらに減量認定を受けていれば、下水道に出ていない分を差し引いた水量で計算されます。

設備の側で起きることは1つ、請求書で動く行は2つ。この関係が、冷却塔の水のお金が薬剤より大きくなる理由です。

下水道料金の減量認定(ここがいちばん大きい)

多くの自治体に、下水道へ排出されない水量を下水道使用料から差し引く制度があります。汚水排出量の減量認定と呼ばれるもので、冷却塔の蒸発分がその対象になります。

対象水量は「補給水量 − 排出水量」です。ブローが原則ゼロに近づくと、補給水はほぼ蒸発水だけになり、減免される額が最大になります。

注意する点が1つあります。認定されるのは申告した日から先の分で、過去の分はさかのぼれません。制度の名前も申請の様式も地域で変わるので、建物を管轄する下水道局に当たってください。

100RTクラス冷却塔1台の試算

薬品費とブロー水関連を合わせた年間の削減額に対して、入れるときにかかる費用と回収の期間は次のようになります。

稟議を通しやすい形も選べます

買い切りのほかに、初期費用0円の成果報酬型があります。削減できた金額の一定割合(50%以上)を5年間お支払いいただく形で、殺藻剤・メンテナンス・点検の費用まで含まれます。

新しい設備投資としてではなく、いま出ている薬品費と上下水道費の一部を置き換える形になるので、持ち出しを増やさずに始められます。割合と対象範囲は、無償デモの結果をもとに決めます。

項目 金額・期間
年間削減額 約96万円(約86%減)
初期投資(装置と設置工事) 約1,380,000円
投資回収 約1年5か月

出典:メーカー資料(2026-09-26 確認)。100RTクラス冷却塔1台・上下水道料金がかかる建物での試算。

井戸水・工業用水の建物では、効果の出方が変わります

この試算は、上水道と下水道の料金がかかる建物のものです。井水や工業用水を使っていて水の単価が安い建物では、ブロー水を減らしても動く金額が小さくなります。下水道の算定方法も別に定められていることが多く、減量認定で戻る額も小さくなります。

水質の条件もあります。中性からアルカリ性の水で働く方式で、強酸性の水では働きません。冷却塔の循環水はふつうこの範囲に入りますが、温泉の泉質のような低いpHの水を使っている系統は対象外です。

3か月の無償デモで測るもの

実機の冷却塔にデモ機を取り付けて、約3か月のあいだ、費用のご負担なしで効果を確かめていただけます。測るのは次の数字です。

  • 電気伝導率:どこまで濃縮して運転できているか
  • 全硬度:スケールのもとになる成分の量
  • 付着の状態:ルーバー・充填材・下部水槽を写真で記録
  • 補給水量と排出水量:減量認定の対象水量にそのまま使えます
もう少し詳しく:デモの期間にお願いすること

週に1回、のぞき穴からセラミックスが流動しているかを見ていただきます。数分で終わる確認です。

終了時のデータと写真の共有をお願いしています。社名を公開するかどうかはお選びいただけます。

よくあるご質問

薬剤はゼロになりますか

スケール分散剤は使わずに運転できます。殺藻剤による管理は続きます。薬品費は100RTクラス冷却塔1台で、年間240,000円から72,000円ほどになります。

レジオネラ対策になりますか

対策の基本とされるのは、温床になるバイオフィルム(スライム)を抑えることです。この付着を物理的に抑えます。消毒そのものは、殺菌剤と専門の水質管理との併用が前提になります。

工事のあいだ、空調を止めますか

長く止める必要はありません。冷却水の戻り配管にバイパスで取り付けます。密閉式の冷却塔は、散水ポンプのラインごとに取り付けます。

効果はいつ分かりますか

電気伝導率と補給水量は、運転を切り替えた直後から動きます。付着の状態は3か月の無償デモの期間で写真に残して比べます。

保証とランニングコストはどうなりますか

設置後10年の製品保証があり、10年後に検査を受けるとさらに10年延長できます。装置は電力も交換部品も使わないため、ランニングコストはかかりません。冷却塔では水質と運転条件の確認が要るため、別途、保守点検のサービスをご用意しています。

アリージェンス合同会社 代表 沼倉孝秀

沼倉 孝秀(ぬまくら たかひで)

アリージェンス合同会社 CEO。UFB DUAL®・emiiR®(エミール)・α-HT® の正規一次販売店として、製品の選定から設置、設置後の窓口までを担当しています。冷却塔の冷却能力と循環水量、上下水道の単価から、削減額と回収の期間の試算をお出ししています。

アリージェンス合同会社

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この記事を書いた人

施設環境を進化させるアリージェンス合同会社のCEO。

人と仕事に誠実かつ忠実であること、
お客様の施設管理にかかるコストを下げること、
お客様の施設利用者の安全性、利便性、満足度を向上させること、
この3つを大切に事業を運営しております。

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