ブロー水とは何か|濃縮倍数を上げると、どこまで減らせるのか

ブロー水とは何か|濃縮倍数を上げると、どこまで減らせるのか
この記事の結論

ブロー水(ブローダウン)とは、濃くなった循環水を薄めるために、冷却塔から抜いて捨てている水のことです。

濃縮倍数を上げれば、この水は大きく減ります。倍数2で蒸発量と同じだけ捨てていた水が、倍数6なら蒸発量の20%で済みます。

冷却塔の運転記録に出てくるブロー水という言葉の意味と、その量がどう決まるのかを知りたい方に向けた記事です。

目次

水は3つの出口から出ていく

冷却塔に入れた水は、3つの経路で出ていきます。それぞれ性質が違うので、まず分けて数えます。

1つめは蒸発です。熱を捨てるために水を飛ばすので、これは冷却塔の仕事そのものです。水だけが出ていき、溶けていた成分は残ります。

2つめは飛散です。風で水滴が飛んでいく分で、成分も一緒に出ていきます。3つめがブローで、濃くなった水を意図的に抜いている分です。

蒸発だけは、成分を置いていく

蒸発は水だけを持ち出すので、残った水の成分は濃くなります。ここが冷却塔の水管理の出発点です。

飛散とブローは水ごと成分を持ち出すので、濃度を薄める側に働きます。ブローは弁を開ければ量を決められますが、飛散は成り行きで決まります。

濃縮倍数の計算

濃縮倍数は、循環水の成分が原水の何倍に濃くなっているかを表す数字です。水量からは、補給水量をブロー水量で割った値として扱います。

補給水は、蒸発した分とブローで抜いた分を足し直している水です。だから、ブローを絞れば補給水も減り、割り算の答えは大きくなります。倍数が大きいほど、濃い水で回していることになります。

電気伝導率でも見られる

水量のメーターが付いていない冷却塔でも、原水と循環水の電気伝導率を比べれば、いまの濃縮の程度の見当が付きます。現場でいちばん手早い方法です。

厳密には成分ごとに濃縮のされ方が違いますが、運転の目安としては十分に使えます。水質の分析結果があれば、全硬度や塩化物イオンの比も同じように見られます。

倍数を上げられない理由

濃い水で回すほど、捨てる水は減ります。それなら上げればよさそうですが、上げられない理由があります。スケールが析出するからです。

水に溶けていられる量には限りがあります。濃くなって限りを超えると、炭酸カルシウムなどが析出し、伝熱面や充填材に固まって付きます。付けば、冷やす力が落ちて電気代が増え、清掃の工程が増えます。

どこまで濃くできるかは原水の硬度やアルカリ度で決まるので、地域と建物で違います。運転できる幅は、自分の水で確かめるしかありません。

倍数を上げると、どこまで減るのか

蒸発量を100として、濃縮倍数ごとにブロー水量と補給水量がどうなるかを並べると、効き方の形が見えます。効くのは低い倍数のあいだで、高くなるほど減り方はゆるやかになります。

倍数2から4へ上げるだけで大きく動く

倍数2では、蒸発した量と同じだけの水をブローで捨てています。補給水は蒸発量の2倍です。ここを4まで上げると、ブローは3分の1になります。

ここから先は、伸びが小さくなります。6から10へ上げてもブローは20から11に減るだけです。だから、いまの倍数が低い建物ほど、手を付けたときの効きが大きくなります。

濃縮倍数 ブロー水量(蒸発量を100として) 補給水量(蒸発量を100として)
2 100 200
3 50 150
4 33 133
6 20 120
10 11 111

この表は計算の例です。ご自身の冷却塔の数字を入れて確かめてください。

自分の冷却塔で、いまの倍数を調べる

調べ方は2つあります。どちらも、特別な機器を買わずにできます。

  • メーターがある場合:補給水量をブロー水量で割る
  • メーターがない場合:原水と循環水の電気伝導率を比べる
  • 運転記録がある場合:ブロー弁の開度と運転時間から、抜いている量を見積もる
  • 水質の分析結果がある場合:全硬度や塩化物イオンの比を見る
もう少し詳しく:メーターを付けるなら一緒にやること

補給水と排出水にメーターを付けると、濃縮倍数が常に分かるようになります。同じメーターの数字は、下水道使用料の減量認定でそのまま使えます。

減量認定は、下水道に出ていない水量を下水道使用料から差し引く制度です。認定されるのは申告した日から先の分なので、メーターを付けるなら、管轄の下水道局への相談を先に済ませてください。

減ったブロー水は、どの費目に効くか

ブロー水が減ると、まず捨てる水が減ります。捨てた分を足すための補給水も減るので、上水道の料金が下がります。

下水道使用料も下がります。下水道の計算は水道の使用水量をもとにしているので、補給水が減れば連動します。減量認定を受けていれば、下水道に出ていない水量を差し引いた形で計算されます。

薬品費も動きます。分散剤は循環水の量と濃度に合わせて入れるものなので、捨てる水が減れば足す薬剤も減ります。水の費目と薬の費目が、同じ方向にそろって動きます。

ブローを絞れるところまで絞るには、濃くなっても固着しないようにする必要があります。当社が扱う emiiR®(エミール)は、薬剤ではなく物理的な水処理でこれを成り立たせる装置です。スケール分散剤は使わずに運転できますが、殺藻剤による管理は続きます。

よくあるご質問

ブロー水は、どこへ捨てられているのですか

多くの建物では、ブロー配管から下水道へ出しています。上水道で買った水を、下水道使用料を払って捨てている形になります。排出の経路は、配管系統図で確かめられます。

ブローを止めると、どうなりますか

循環水が濃くなり続けます。スケールの析出を抑える手当てがない状態で止めると、伝熱面や充填材に付着が進みます。止められるかどうかは、水質と、どんな水処理をしているかで決まります。

濃縮倍数はどれくらいが普通ですか

原水の水質と管理の方法で幅があり、地域によっても変わります。まず自分の冷却塔の値を出すことをおすすめします。電気伝導率を原水と循環水で比べるだけで、見当は付きます。

ブロー水を減らすと、水質検査は要らなくなりますか

検査は続けてください。冷却塔では、水質と運転条件の確認が必要です。装置そのものはメンテナンスフリーですが、冷却塔の用途では別途、保守点検のサービスをご用意しています。

アリージェンス合同会社 代表 沼倉孝秀

沼倉 孝秀(ぬまくら たかひで)

アリージェンス合同会社 CEO。UFB DUAL®・emiiR®(エミール)・α-HT® の正規一次販売店として、製品の選定から設置、設置後の窓口までを担当しています。冷却塔の補給水量とブロー水量から濃縮倍数を出して、どこまで上げられるかのご相談をしています。

アリージェンス合同会社


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冷却塔にかかっている水のお金を減らす|ブロー水と、下水道料金の減量認定

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この記事を書いた人

施設環境を進化させるアリージェンス合同会社のCEO。

人と仕事に誠実かつ忠実であること、
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お客様の施設利用者の安全性、利便性、満足度を向上させること、
この3つを大切に事業を運営しております。

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