工場の節水で水道代を下げる|捨てている水から減らす

工場の節水で水道代を下げる|捨てている水から減らす

この記事の結論

工場の水道代を下げるには、使用水量を「製品や作業に使っている水」と「冷却塔で濃くなって捨てている水(ブロー水)」に分け、捨てている水から減らすのが早道です。捨てている水は作業に使われていないので、減らしても生産の工程や仕上がりに影響が出ません。

洗浄水の再利用や節水型の器具は、設備投資や作業への影響の確認が要るので、その次に検討します。冷却塔で蒸発した水は、申請して認められれば下水道使用料の計算から外せる自治体もあります。

工場の水道代を下げるよう求められ、どの工程から手を付けるかを検討している設備・生産管理の方に向けて、水の使用量を「使う水」と「捨てている水」に分け、手を付ける順番を整理しました。

目次

工場の水は、使う水と捨てる水に分かれます

水の使用量を工程別に並べると、洗浄と冷却の2つが大きく出ることがよくあります。この2つは性質が違うので、同じ節水の枠で考えると判断を誤ります。

洗浄の水は、汚れを落とすために使っています。量を減らすと落ちる汚れの量も変わるので、工程の時間や仕上がりに跳ね返ります。冷却塔の系統で出ている水のうち、濃くなったために捨てている分(ブロー水)は、冷やすことにも、製品や作業にも使われていません。

先に手を付けるのは、このブロー水です。減らしても、生産の工程や作業の手順は変わりません。

系統 水の役割 絞ったときに出る影響 手を付ける順番
洗浄工程 汚れを落とす 工程の時間と仕上がりが変わる 後
冷却の系統(蒸発分) 熱を運び出す 冷える力が落ちる 手を付けない
冷却の系統(捨てている分) 濃さを下げるため 作業への影響がない 先
手洗い・トイレなど 人が使う 使い勝手が変わる 後

洗浄工程で減らせるもの

洗浄の水を減らす方法は、大きく2つです。使った洗浄水を回収して、別の工程やすすぎに使い回す方法と、洗浄の流量や時間を見直して、出てくる量を絞る方法です。

回収して使い回す側は、ためておくタンクや、ろ過などの設備が要ります。絞る側は設備投資が小さいかわりに、汚れの落ち方や工程の時間が変わらないかを、品質の担当と確かめながら進めることになります。どちらも、工程ごとの使用量が分かっていないと、効果の大きさを見積もれません。

方法 要るもの 確かめること
洗浄水を回収して使い回す ためるタンク、ろ過などの設備 使い回した水で品質が保てるか
洗浄の流量や時間を見直す 工程ごとの使用量の記録 汚れの落ち方と工程の時間
節水型の水栓や器具に替える 器具の交換 作業する人の使い勝手

冷却の系統で減らせるもの

工場にも、建物を冷やすための冷却塔があります。事務棟や検査室などの空調に使われている系統です。ここでは水が蒸発して熱を捨て、濃くなった水を一部排水しています。

この排水(ブロー水)が、減らせる水です。冷却塔の水が出ていく3つの出口と、どこまで減らせるかは、冷却塔の節水の記事に分けて書いています。濃くなっても成分が硬い結晶として固着しないようにすれば、濃いまま回して捨てる量を絞れます。減らせる水量は、循環水量とブロー率(循環水量に対して捨てる水の割合)と年間運転時間から計算できます。

当社が対象にしているのは、この空調用の冷却塔です。当社がご提案するのは、事務棟などの空調用の冷却塔です。

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上水・工業用水・井戸水で、下がる金額が変わる

同じ水量を減らしても、下がる金額は水の種類で変わります。上水を使っている工場では、減らした水量に上水道の単価がそのままかかります。製造元の機種選定の例では、上水と下水を合わせた単価を1㎥あたり620円として計算しています。

工業用水と井戸水では、1㎥あたりの単価が上水より小さくなります。水量を減らしても金額はあまり下がらないので、水の代金だけを目的にすると効果が見えにくくなります。

どちらに当たるかは、水道料金の請求書(検針票)で確かめられます。見るのは、上水道の料金と下水道の料金がそれぞれいくらか、その期間の使用水量が何㎥か、そして料金を使用水量で割った1㎥あたりの単価です。工業用水や井戸水を使っている工場では、工業用水の請求書や井戸のメーターの記録と、下水道使用料の請求を比べます。上水道の単価が高ければ水量を減らす効果が大きく、低ければ下水道使用料や、薬剤費・清掃費の側から先に見ます。

下水道の側にかかっている分

水の代金が小さい工場でも、下水道使用料はかかっていることがあります。多くの自治体が、下水道に流した量を測らずに、使った水量をそのまま汚水量とみなして計算しているためです。

ここに、冷却塔で蒸発した水が混ざっています。蒸発した水は大気へ出ていって下水道に入っていないのに、計算の中では汚水として数えられています。申請して認定を受けると、この水量が計算から外れます。冷却塔の蒸発分のほか、製品に含まれて出荷される水も、大阪市・川崎市・京都市などでは対象に挙がっています。

計算から外れる水量は、冷却塔の補給水量から下水道へ流した水量を引いた分、つまり蒸発などで失われた水です。ブロー水を減らしてもこの量は変わりませんが、下水道使用料の対象に残るブロー水の分が減ります。井戸水を使っている工場でも、下水道使用料がかかっていれば、この2つで金額が下がります。

工場の冷却塔で減らせる水量を出す

冷却塔で減らせる水量は、循環水量、ブロー率、年間運転時間の3つで出ます。循環水量は冷却塔の銘板かポンプの仕様書、運転時間は稼働記録、ブロー率は弁の設定か水質管理の報告書から取れます。

洗浄の側は、工程ごとの使用量を測らないと分かりません。主要な工程の給水ラインに、簡易なメーターを1つずつ付けるところから始めるのが確実です。どの工程が大きいかが分かれば、手を付ける順番も決まります。

水量が出たら、請求書から出した1㎥あたりの単価をかけて年額にします。ブロー水は上水道で買って下水道へ流している水なので、上水道と下水道の両方の単価をかけます。

どこから手を付けると早いか

順番は3段です。1段目は、水の使い道を系統ごとに分け、使う水と捨てている水を表にすること。2段目は、捨てている水を減らすこと。生産の工程に影響しないので、設備の側だけで進めやすい部分です。3段目が、洗浄工程の見直しです。

2段目の入口として、当社では実際の冷却塔に装置を取り付けて3か月測っていただく無償のデモをご用意しています。当社が扱う emiiR®(エミール)は、電源も薬剤も使わず、水が特殊セラミックスの間を流れることで成分が硬い結晶に育ちにくい状態に変える装置です。分散剤は減らせますが、藻と細菌に使う殺藻剤は続きます。

中性からアルカリ性の水質で働きます。強酸性の水では働かないので、水質の分析表を先に見せていただければ判定できます。お見積もりは無料です。

よくあるご質問

製造工程に直結した冷却塔も対象になりますか

当社が対象にしているのは、建物の空調用の冷却塔です。射出成形の金型冷却やオイルクーラーのように、生産設備に直結した製造プロセス系の冷却塔は扱っていません。工程の温度と製品の品質に直接つながる系統なので、水の側だけで判断できないためです。

井戸水の工場でも意味がありますか

下水道使用料がかかっている工場では意味があります。使った水量をそのまま汚水量とみなして計算されているので、冷却塔の蒸発分を申請して計算から外せる場合があります。水の代金だけを見ると、下がる金額は小さくなります。

工業用水を使っていると、どこが変わりますか

1㎥あたりの単価が小さくなるので、同じ水量を減らしても下がる金額が小さくなります。そのぶん、薬剤費と清掃の工程、伝熱面の状態による電気の使用量といった別の費目の比重が上がります。工業用水の請求書で1㎥あたりの単価を確かめ、どの費用から下げるかを決めてください。

洗浄水の回収と、冷却の系統と、どちらを先にやるべきですか

冷却の系統で捨てている水が先です。生産の工程に手を入れずに進められ、作業の時間も仕上がりも変わらないためです。洗浄水の回収は設備投資と品質の確認が要るので、社内の段取りに時間がかかります。

使用水量は、どこで分かりますか

全体は水道の請求書で分かります。工程ごとの内訳は、主要な給水ラインにメーターを付けないと出ません。冷却の系統だけなら、冷却塔の銘板にある循環水量と、年間の運転時間から計算で見当が立ちます。

アリージェンス合同会社 代表 沼倉孝秀

沼倉 孝秀(ぬまくら たかひで)

アリージェンス合同会社 CEO。UFB DUAL®・emiiR®(エミール)・α-HT® の正規一次販売店として、製品の選定から設置、設置後の窓口までを担当しています。

アリージェンス合同会社

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