測るのは2つです。冷却塔に入った補給水と、下水道へ出した排出水。この2つの差が、下水道使用料の減量の対象水量になります。
付ける位置は、工事を発注する前に管轄の下水道局へ相談して決めます。付けたあとで認められないと、配管をやり直すことになります。
減量認定に向けて私設メーターを付けようとしている設備担当の方に向けて、どの配管のどこに付けるのか、なぜ事前の相談が要るのかを整理しました。
測るのは補給水と排出水の2つだけ
減量の対象水量は、補給水量から排出水量を引いた分です。式が2つの数字でできているので、測る場所も2つで足ります。
冷却塔で失われる水は、蒸発と飛散、そしてブローです。このうち蒸発と飛散は下水道を通りません。補給水から、下水道へ出した水を引けば、通っていない水量が残るという考え方です。
| 測る水 | どの配管に付けるか | この数字が何になるか |
|---|---|---|
| 補給水 | 冷却塔への補給配管(ボールタップや電磁弁の手前) | 減量の対象水量のもとになる数字 |
| 排出水 | ブロー配管とオーバーフロー配管 | 補給水量から引く数字 |
出典:メーカー資料(2026-09-26 確認)。実際の位置は管轄の下水道局との相談で決まります。
補給ラインに付けるときの考え方
補給水のメーターは、冷却塔に入る水だけを数える位置に入れます。ここに冷却塔以外の用途の水が混ざると、対象水量が多く出てしまい、認定の側から見て数字が説明できなくなります。
受水槽を経由して補給している建物と、水道から直結で補給している建物では、入れる位置が変わります。系統図の上で、どの分岐から先が冷却塔専用なのかを先に確かめてください。
洗浄や清掃に使う水を分ける
冷却塔の周りには、清掃のときに使う散水栓や、下部水槽を洗うための水栓があることがあります。これらが同じ分岐から出ていると、清掃で使った水も補給水として数えられます。
分岐の位置を変えられない場合は、清掃時の使用水量を別に記録しておく方法もあります。どう扱うかは、申告の前に窓口へ相談してください。
複数台をまとめるか、1台ずつ測るか
冷却塔が複数台ある建物では、系統でまとめて1つのメーターにするか、1台ずつ測るかを選びます。まとめれば工事は1か所で済み、1台ずつ測れば台ごとの運転の差が見えます。
後で運転の見直しをする予定があるなら、系統単位でまとめるほうが配管工事も報告の手間も軽くなります。台数分のメーターは、検定の期限が来るたびに交換の費用が重なります。
排出ラインに付けるときの考え方
排出側は、下水道へ出る経路がすべて測れているかを見られます。ブロー配管だけを測って、オーバーフローが測れていない状態では、出ていく水の全部を説明できません。
ブロー配管は、電磁弁や手動弁の下流で、合流する前の位置に入れます。オーバーフローは通常は流れませんが、経路として下水道につながっているので、認定の側は必ず見ます。
下部水槽の水抜きをどう数えるか
年に1回の清掃で下部水槽の水を抜けば、その水は下水道へ出ます。排出側のメーターを通る配管から抜けるなら、自動的に数えられます。
ポンプで別の排水口へ出している場合は、その分が測れません。清掃の排水をどこへ出しているかは、配管系統図に書いて申告のときに示してください。
設置する前に、管轄の下水道局へ相談する理由
自治体の案内には「設置前に相談すること」と書かれていますが、何を相談するのかは書かれていません。実際に決まるのは次の3つです。
メーターの機種と口径、取り付ける位置、そして測れない経路が残っていないかどうか。この3つが認められて初めて、申告書の数字が使えるものになります。
- 配管系統図の下書きを持って行き、補給と排出の経路を指して確認する
- メーターの機種と口径が認められるものかを確かめる
- 清掃の排水やオーバーフローのように、ふだん流れない経路の扱いを決める
- 申告書の様式と、報告の周期を受け取る
検定を受けたメーターと、その有効期間
私設メーターには、検定を受けたものであることを求められるのが一般的です。認定は、その数字を使って下水道使用料を計算する手続きですから、計量そのものの信頼が前提になります。
検定には有効期間が定められています。期間が切れたメーターの数字は使えなくなるため、期限が来る前に交換する必要があります。交換の費用と手間は、台数に比例して増えます。
設備台帳に、メーターの型式と検定の期限を書いておいてください。担当者が替わったあとで期限だけが残っていると、報告の途中で数字が使えなくなります。
工事は、申告より前に済ませる
メーターが付いていなければ水量が測れないので、工事は申告より前です。そして認定されるのは申告した日から先の分なので、工事をだらだら引き延ばすと、その分だけ減免が遅れます。
冷却塔の配管を切る工事は、空調を止められる時期に合わせるのが通例です。中間期や冬のあいだに、メーターの取り付けと、水処理装置のバイパス配管をまとめて行えば、配管を切る機会が1回で済みます。
この段取りにすると、足場や養生の費用も1回分で収まります。空調の停止を管理会社さまやテナントさまに告知する回数も、1回で済みます。
よくあるご質問
メーターは何台必要ですか
補給水と排出水で最低2台です。冷却塔が複数の系統に分かれている建物では、系統ごとに2台ずつ必要になることがあります。配管系統図を見ながら、どの範囲を1つで測るかを決めてください。
既設の水道メーターの数字では認められませんか
建物全体の水道メーターは、冷却塔以外の水も数えています。減量の対象は冷却塔に入った水ですから、その分だけを測るメーターが別に必要です。
メーターの工事で空調は止まりますか
補給配管とブロー配管を切るあいだは、その系統を止めます。空調を止められる時期に合わせて行い、ほかの配管工事とまとめるのが通例です。
メーターの数字は、だれが読むのですか
建物の側で読んで報告します。検針の周期に合わせて記録する担当を決めてください。設備の点検表に読み取りの欄を足しておくと、報告の時期に困りません。
位置を相談せずに付けてしまいました
位置が認められるかどうかを、申告の前に窓口で確かめてください。測れていない経路が残っている場合は、配管の追加か、その経路の扱いの取り決めが必要になります。
この分野の全体像はこちら
冷却塔の下水道料金は減らせる|汚水排出量の減量認定のしくみと、申請の順番
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