水質使用料は、大阪市が、濃い汚水を流す事業場に対して、水量で決まる一般汚水使用料とは別にかける料金です。汚水排出量が月1,250m³以上で、BOD(またはCOD)かSSが201mg/L以上2,600mg/L以下のときにかかります。
濃さはA〜Jの10段階に分かれ、段階ごとに1m³あたりの単価が決まっています。水量を外す減量認定とは、別の経路の料金です。
減量認定を調べていて請求書に水質使用料という行を見つけた方、濃い排水を出している事業場のご担当者さまに向けて、大阪市の制度を原文から整理しました。
下水道の請求は、水量だけで決まらないことがある
下水道使用料の基本は水量です。そのうえで大阪市は、汚水の濃さに応じて料金を加える仕組みを置いています。請求書に一般汚水使用料と水質使用料の2つの行があれば、水量と濃さの両方で請求されているということです。
減量認定が動かすのは水量の側で、濃さの側には触れません。どちらの行が大きいかを先に見ておくと、手を付ける順番を取り違えずに済みます。
大阪市が水質使用料を置いている理由
大阪市の案内は、水質使用料を「濃度の高い汚水ほど処理原価が高くつくことから、負担の公平化、汚染者負担の原則に基づいて、一定限度を超える水質の下水を排出する事業場などに対し、一般汚水使用料とは別に負担していただくもの」と説明しています。根拠は、大阪市下水道条例第11条第2項と、同施行規則第10条の2です。
加算されるのは、どの条件に当たったときか
条件は水量と濃さの2つがそろったときです。条例第11条は、BOD(5日間)・COD・SSのそれぞれ1リットルあたり200ミリグラムを基準に置き、汚水の排出量が月1,250m³に満たない場合は加算しないとしています。
| 汚水排出量 | BOD(またはCOD)かSSの濃度 | かかる料金 |
|---|---|---|
| 月1,250m³以上 | 200mg/L以下 | 一般汚水使用料 |
| 月1,250m³以上 | 201mg/L以上2,600mg/L以下 | 一般汚水使用料と水質使用料 |
| — | 2,600mg/Lを超える | 大阪市下水道条例により、そのままでは下水道へ排出できない |
出典:大阪市建設局「市内の事業者のみなさまへ 水質使用料金のごあんない」、大阪市「水質使用料制度」(ページ更新日 2026年4月1日。いずれも2026-09-27 取得)
水質区分はA〜Jの10段階
濃さの区分ごとに、BOD(またはCOD)とSSそれぞれの単価が決まっています。どちらも当てはまるときは、それぞれの単価の合計に水量を掛けた額が加わります。
| 区分 | 濃度(mg/L) | BODまたはCOD(円/m³) | SS(円/m³) |
|---|---|---|---|
| A | 201〜300 | 17 | 18 |
| B | 301〜450 | 37 | 44 |
| C | 451〜600 | 60 | 72 |
| D | 601〜850 | 90 | 110 |
| E | 851〜1,100 | 128 | 158 |
| F | 1,101〜1,350 | 167 | 206 |
| G | 1,351〜1,600 | 205 | 253 |
| H | 1,601〜1,850 | 243 | 301 |
| I | 1,851〜2,100 | 281 | 349 |
| J | 2,101〜2,600 | 323 | 410 |
出典:大阪市「水質使用料制度」(ページ更新日 2026年4月1日、2026-09-27 取得)。表の単価は税抜です。請求は、条例により100分の110を乗じた額になります。
くわしいご案内下水道料金は申告で減らせる|冷却塔の蒸発分が対象になる制度の読み方
BODとCODは、大きい方の値を使う
大阪市の案内は、BODとCODはいずれか大きい方の値とすると注記しています。片方だけ低く測れても、区分は高いほうの値で決まります。SSは、BODやCODとは別の物差しで区分されます。
2,600mg/Lを超えると、そのままでは排出できない
濃度が2,600mg/Lを超える汚水は、大阪市下水道条例により下水道へ流せません。除害施設の設置などで排除基準値以下の水質にしてから流す必要があります。水質使用料は、あくまで流してよい範囲の濃さに対する料金です。
認定は市が行い、約1年後に再度認定する
条例第12条は、汚水の水質の認定は市長の定める方法によるとしています。新しく対象になる事業場では、事前調査、予備調査、認定調査を経て水質が認定され、認定通知書が届きます。
大阪市の案内は、認定を行ってから約1年経過の後に、再度認定を行うとしています。濃さが変われば、次の認定で区分も変わりうるということです。条例第12条の2は、市長が必要と認めるときに、事業場の敷地内に測定のための装置を置けると定めています。
水量を減らす話とは、別の経路
減量認定は、蒸発や製品への含有で下水に流れなかった水量を外す手続きで、濃さには関わりません。水質使用料は、流した水の濃さで区分が決まる料金で、水量を外しても区分は動きません。
冷房用の冷却塔の蒸発分を外す話と、工程の排水の濃さを下げる話は、同じ請求書に載っていても手を付ける場所が違います。水量の側は、この分野の親の記事から順にたどれるようにしています。
よくあるご質問
水質使用料は、どの自治体にもありますか
この記事で扱っているのは大阪市の制度です。ほかの自治体に同じ仕組みがあるか、区分や単価が同じかは、それぞれの条例で確かめてください。
月の汚水排出量が1,250m³に満たない場合はどうなりますか
大阪市下水道条例第11条は、汚水の排出量が月1,250m³に満たない場合は加算しないとしています。この場合は一般汚水使用料だけです。
表の単価に消費税は入っていますか
入っていません。大阪市のページは、使用料に消費税は含まれていないとしています。請求は、条例により100分の110を乗じた額です。
水質の区分は、一度決まったら変わりませんか
大阪市は、認定を行ってから約1年経過の後に、再度認定を行うとしています。濃さが変われば、次の認定で区分が変わることがあります。
水質の区分は、だれが決めますか
条例第12条は、汚水の水質の認定は市長の定める方法によるとしています。新しく対象になる事業場では、事前調査・予備調査・認定調査を経て、市が水質を認定します。
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