歩留まりが落ちる場所と、洗浄・付着の関係

歩留まりが落ちる場所と、洗浄・付着の関係

この記事の結論

食品工場の歩留まりのうち、洗浄と付着に関係して失っているのは、タンクや配管、ノズルに付いて洗浄で流す分、茹で崩れで規格から外れる分、品目の切り替えで押し出して捨てる分の3つです(野菜の加工では、変色で外す分も加わります)。下処理の皮や芯、加熱の目減りは、原料と製法で決まる部分です。

使う水をウルトラファインバブルを含む水にすると、面に汚れや製品が付く力が弱まり、うどんの茹で崩れも抑えられるので、この3つを減らす方向に働きます。まず工程ごとに失っている重さを量り、水で変わりうる分が全体の何割かを出すところから始めます。

歩留まりが目標に届かず、どこで失っているかを工程の側から見直したい食品工場の工場長・生産管理のご担当者さま向けに、洗浄と付着に関係する失い方を数える手順を書きました。

目次

歩留まりが落ちている場所を工程で分ける

歩留まりの差は工程ごとの失い方の合計なので、まず工程ごとに入りと出の重さを量ります。

並べてみると、原料の下処理での皮や芯、加熱での目減り、付着や残留で捨てる分、規格外、切り替えで捨てる分に分かれます。下処理と加熱の目減りは原料と製法で決まる部分が大きく、変えられる余地が小さい場所です。

付着・残留で失っているもの

タンクの壁、配管の内側、充填機のノズル、ベルトの表面に付いた製品は、洗浄で流されて失われます。1回の量は小さくても、品目の切り替えと終業のたびに積み上がります。

付着が多い面は、前回の汚れが薄く残ってざらついた面です。落としきれなかった層の上に製品が付き、付いた分がまた洗浄で流されます。付着の進み方が緩やかになれば、面に残る量と、洗浄で失う量の両方が小さくなる方向に働きます。

茹で崩れで失っているもの

茹で工程では、表面から湯に溶け出したでんぷんがそのまま失われ、崩れて規格に合わない麺は検品で外れます。どちらも、茹で上がりの重さと、検品で外した量を記録すれば数えられます。

ウルトラファインバブルを含む水でうどんを茹でると、でんぷん質の茹で崩れが抑えられ、湯へのでんぷんの流出も抑えられます。茹で崩れによる規格外が多いラインでは、ここが歩留まりを改善できる場所になります。

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洗浄・切り替えで失っているもの

品目を切り替えるときは、前の製品をラインから押し出し、混ざった部分を捨てます。洗浄の最初のすすぎでも、配管に残った製品が水と一緒に流れます。

失う量は、配管の長さと内側の状態で変わります。内側に汚れが層になっていると製品が引っかかりやすく、押し出しに使う量が増えます。切り替えのたびに捨てている重さを、品目ごとに1週間記録すると、年間の量の見当がつきます。

水の側で変わるところ

付着で失う分を減らすのは、面に製品が残りにくくなることです。給水の系統に UFB DUAL® を入れると、洗浄と製造に使う水にウルトラファインバブルが含まれ、汚れの付く力が弱まって、落ちた汚れの付き直しも抑えられます。タンクや配管の内側に層がたまりにくくなれば、残って捨てる量と洗浄の頻度の両方を見直す材料になります。

野菜の加工では、葉物の変色の原因になる酸化酵素の働きを妨げ、鮮度を保つことに役立ちます。大手の食品加工会社で実際に使われている用途です。変色で外していた分が多い工程では、これも歩留まりの見直しの対象になります。

変わらないところ

下処理で取り除く皮や芯、加熱による水分の目減り、検品の基準は、水では変わりません。歩留まりの目標のうち、この部分が大きい工場では、水の側で変えられる幅も小さくなります。

どの工程でどれだけ失っているかを先に数えておけば、減らせる分の上限が分かり、期待が外れることがありません。

現場で数えるやり方

工程ごとに、入りと出の重さ、洗浄で流した量の見込み、切り替えで捨てた重さ、規格外の重さを、同じ品目で2週間記録します。付着の量は、洗浄前に面から集めた量を量るか、最初のすすぎ水の濃さで比べます。

水を変えて比べるときは、品目、原料のロット、担当者、洗浄の手順をそろえ、変えるのは水だけにします。茹でのラインなら、茹で上がりの重さと規格外の量を、同じ麺・同じ投入量で並べます。

失い方 数え方 自社の数字
付着・残留 洗浄前に面から集めた量、または最初のすすぎ水の濃さ  
茹で崩れ 茹で上がりの重さと、検品で外した量  
切り替え 品目の切り替えごとに捨てた重さ  
変色 野菜の加工で、変色で外した重さ  

この表は計算の例です。ご自身の数字を入れて確かめてください。

よくあるご質問

歩留まりは何%上がりますか

一律の%はありません。上がる幅は、付着・茹で崩れ・切り替え・変色で失っている分が、全体のどれだけを占めるかで変わります。まず工程ごとに失っている重さを数えると、水の側で減らせる分の上限が分かります。

うどん以外の茹で工程でも使えますか

茹で崩れが抑えられることが確かめられているのは、うどんです。ほかの品目の茹では、洗浄と付着の側で見直すことになります。

野菜の変色にも効きますか

葉物の変色を抑える用途で使われています。変色の原因になる酸化酵素の働きを妨げ、鮮度を保つことに役立つもので、大手の食品加工会社で実際に使われています。自社の品目で、変色で外している重さを取り付けの前後で比べてください。

洗浄の手順を変える必要はありますか

変える必要はありません。減水率は約5%で水の勢いも量もほぼ変わらないので、いまの手順のまま水だけが変わります。手順を見直すのは、記録で変化を確かめた後です。

野菜の加工場だけに入れられますか

入れられます。工場全体の元栓のほか、野菜の加工場や茹で釜の系統だけに取り付けることもできます。対象を絞ると口径が小さくなり、比べる条件もそろえやすくなります。

アリージェンス合同会社 代表 沼倉孝秀

沼倉 孝秀(ぬまくら たかひで)

アリージェンス合同会社 CEO。UFB DUAL®・emiiR®(エミール)・α-HT® の正規一次販売店として、製品の選定から設置、設置後の窓口までを担当しています。

アリージェンス合同会社

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