この記事の結論
歯科の給水でナノバブル(ウルトラファインバブル)に期待できるのは、給水配管とユニットのチューブの内壁に付く汚れを剥がれやすくし、再び付きにくくすることです。ユニットのチューブで、約200Lを通したところで内側の汚れが剥がれていった事例があります。
「効果がない」と言われる多くは、翌日に目に見える変化を求めたり、消毒の働きを期待したりした場合です。チューブや給水フィルターの内側と、清掃にかかる時間を設置の前後で記録し、数か月から1年の単位で比べれば、自院で確かめられます。
歯科の給水にナノバブルを入れることを勧められて、本当に意味があるのかを確かめたい院長先生に向けて、配管の中で起きていることから説明します。
「効果がない」と言われる理由は、たいてい同じところにある
ナノバブルに効果がないという声には、いくつかの型があります。泡が見えないので入っているか分からない。付けた翌日に何も変わらなかった。水の勢いが落ちて使いにくくなった。泡がはじけて汚れを落とすと聞いたのに、そんな様子がない。
どれも、ナノバブルにできることと、期待したことがずれているところから来ています。付けた場所の手前の配管や、ボトルで持ち込む水には届かない、という設置の位置の問題が混ざっていることもあります。泡は見えない大きさで、変化は付着の進み方として時間をかけて現れます。水の勢いが落ちるかどうかは、主に泡をつくる方式で変わります。はじける刺激で汚れを落とすという説明は、この大きさの泡の働きとは違います。ずれを1つずつ外していくと、歯科で確かめるべきことが残ります。
残るのは、ユニットのチューブや給水配管に付く汚れが、毎日の水で剥がれやすく、付きにくくなっているかどうか、という1点です。これは院内の部品と清掃の記録で確かめられます。
泡が目に見えないこと
ナノバブル(ウルトラファインバブル)は、国際規格 ISO 20480-1 で、直径1マイクロメートル未満の泡として分類されています。当社が扱う UFB DUAL® がつくる泡の中心粒径は約150〜200ナノメートルで、光を散らさないので水は透明のまま、目では見えません。
泡が小さいほど浮き上がる速さは急に落ち、この大きさでは水の分子の動きのほうが浮く力に勝つので、泡は浮かずに水の中にただよい続けます。表面はマイナスに帯電していて(ゼータ電位の目安は−20〜−40mV)、泡どうしが反発して合わさりにくく、散らばったまま配管の先まで運ばれます。見えないことは、働いていないことの証拠にはなりません。
歯科で起きること
ご存じのとおり、夜や休診日に水が止まっているあいだに遊離残留塩素は下がり、ユニットの細いチューブの内壁には汚れが層になって付きやすくなります。ナノバブルが関わるのは、この層の付き方です。
ナノバブルを含んだ水がチューブを毎日通ると、壁に付いた汚れが少しずつ剥がれていきます。ユニットのチューブで、設置後に約200Lを通したところで内側の汚れが剥がれていった事例があります。変化は、通した水の量と日数に応じて進みます。
UFB DUAL® の減水率は約5%で、水圧と水量はほぼ保たれます。泡を実用的な量でつくる方式の多くは水の勢いが落ちやすく、それが使いにくさにつながりますが、この方式ではタービンの水量も朝の通水の量もいまのままです。
配管の壁に付いた層に対して、何をしているのか
汚れの多くは、プラスの電気を帯び、水をはじく性質を持っています。マイナスに帯電したナノバブルはそこに寄っていき、汚れと壁のあいだの付着力を弱めます。付着が弱まった汚れは、次に水が流れたときに離れていきます。離れたあとの壁にも泡が並ぶので、同じところにまた付くのを抑える働きも期待できます。
していることは、汚れの付き方を変えることです。微生物を消す働きではないので、消毒は消毒剤と、ユニットのメーカーが指示する手順で続けます。泡がはじける勢いで汚れを削るという説明とも違い、この大きさの泡は触ってもはじける感触はありません。
院内で確かめられる項目
効果が出ているかどうかは、院内の記録で確かめられます。設置の前に、次の場所の様子と、清掃や交換にかかった時間を記録しておき、設置の直後、数か月後、1年後に同じ手順で見比べます。
- 交換したユニットのチューブと給水フィルターの内側
- スピットンの縁と排水口の付着
- 器具洗浄のシンクで、つけ置きのあとにこする回数
- 洗浄機のヒーターまわりの白い付着と、落とすのにかかる時間
- ユニットと手洗いの水の出方(設置の前後で比べる)
よくあるご質問
ナノバブルが入っているか、どうやって分かりますか
泡は約150〜200ナノメートルで、目では見えません。変化は、交換したチューブの内側や清掃の手応えといった、付着の進み方で確かめます。
どのくらいで効果が分かりますか
チューブでは約200Lを通したところで汚れが剥がれていった事例があり、配管全体は数か月から1年の単位で見ます。見る時期を先に決めておくと判断がぶれません。
ナノバブルで消毒はいらなくなりますか
いいえ。消毒は、消毒剤とユニットのメーカーの指示で続けます。ナノバブルがしていることは、汚れを剥がれやすく付きにくくすることです。
水の勢いが弱くなりませんか
UFB DUAL® の減水率は約5%で、水圧と水量はほぼ変わりません。タービンの水量もいまのままです。
費用はいくらですか
本体は20Aが350,000円、25Aが600,000円(税抜)、工事費は5〜8万円です。消耗品と電源がないので、続く費用はありません。
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