小便器が尿石で何度も詰まる建物|詰まる場所と間隔の記録から手を選ぶ

小便器が尿石で何度も詰まる建物|詰まる場所と間隔の記録から手を選ぶ

この記事の結論

同じ小便器が何度も詰まるのは、高圧洗浄や薬品洗浄で今ある尿石を落としても、尿石が付きやすい場所と流れ方が変わらず、同じ間隔で結晶が育ち直すからです。

詰まった器具・日付・詰まっていた場所・作業の内容を記録すると、原因が器具のトラップか、並んだ器具の排水をまとめる横引き管か、節水型への改修で流れが遅くなったことかが絞れます。その場所に合わせて洗い方と周期を決め、戻るまでの間隔を延ばしたい場合は、給水側で次の付着を抑える設備を組み合わせます。

同じ小便器が何度も詰まり、そのたびに清掃会社や設備の会社を呼んでいる施設の管理者・オーナーさまに向けて、記録から原因の場所を絞る手順と、場所ごとの手をまとめました。

目次

何度も詰まる建物には、詰まる場所に条件があります

小便器の詰まりは、1回で終わる建物と、同じ器具が何度も詰まる建物に分かれます。後者で起きているのは、作業が足りないことではなく、詰まる場所に尿石が育ちやすい条件が残っていることです。

尿石は、尿の中の尿素が細菌の働きでアンモニアに変わり、水のアルカリ性が強まって、カルシウムが結晶として出てくることで育ちます。いったん付いた結晶は表面がざらつき、次の結晶が引っかかるので、一度付いた場所ほど速く太ります。

高圧洗浄も薬品洗浄も、その結晶を取り除く作業です。次の結晶を付きにくくする働きは、その中に入っていません。条件が残る場所は、洗ったあと同じ速さで同じ形に戻ります。

記録する4つの項目

原因の場所を絞るのに、特別な機器は要りません。詰まるたびに、次の4つを書き残します。

詰まっていた場所と作業の内容は、作業した会社に聞けば分かります。報告書を受け取ったら、この4つを同じ表に写してください。2回分がそろえば、その器具の間隔が見えてきます。

項目 書くこと 分かること
器具 どの階の、何番目の小便器か 1基だけか、並んだ器具か
日付 詰まった日と、前回の作業日 戻るまでの間隔
詰まっていた場所 トラップ、器具の排水管、横引き管、合流部のどこか 条件のある場所
作業 何をして通ったか 次も同じ作業で足りるか

1基だけが何度も詰まるとき

並んだ器具のうち、決まった1基だけが詰まるなら、疑うのはその器具のトラップと、器具から横引き管までの短い排水管です。利用が集中する位置の器具ほど、流れる尿の量が多く、結晶が育つ材料も多くなります。

この場合の手は、その器具の尿受けとトラップを外して漬け洗いし、器具の排水管の層を落とすことです。作業のあと、同じ器具が何か月で戻るかを書き残しておくと、次の作業の時期を先に決められます。

層を落とすときは、削る前に薬剤で緩めてから取り除くほうが、面が荒れずに済みます。荒れた面には次の結晶が引っかかりやすく、戻るまでの間隔が縮みます。

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並んだ器具が続けて詰まるとき

同じ列の小便器が、時期をずらして次々に詰まる場合は、個々の器具ではなく、器具の排水をまとめて流している横引き管のほうに層が育っています。勾配が緩く、距離の長い横引き管ほど、流れが遅くなって固形分が留まります。

ここは器具を外しても届かない場所なので、高圧洗浄で管の中を通す作業になります。器具ごとに対処していると、1基を直しているあいだに隣が詰まる、ということがくり返されます。

記録の上では、詰まる器具の位置が毎回違い、間隔がそろっている形で表れます。この形が見えたら、器具ごとの作業から、系統ごとの洗浄に切り替えます。

改修のあとに増えたとき

器具を節水型に替えてから詰まりが増えた、という建物では、流す水の量の変化を疑います。1回に流れる水が少なくなると、汚水管の中を進む速さが落ち、途中で止まった固形分が尿石の核になります。

器具を新しくしたのに詰まりが増える、という逆転は、ここから起きています。清掃の質とは関係がありません。器具を元に戻すのでなければ、流れが遅いことを前提に、洗浄の周期と給水側の手を組み立てます。

間隔が短くなっていくとき

詰まりの間隔が回を追うごとに縮んでいく場合は、洗浄で取り切れなかった層が残り、そこを起点に次が育っています。1回ごとの作業を重くしても、残った起点がある限り縮み方は止まりません。

この段階では、条件を変える手を先に検討します。配管の勾配や経路を直す改修は根本に近い手ですが、工事の規模が大きくなります。もう1つは、給水の側で次の付着を抑える手です。

記録から選ぶ手

給水側の手として当社が扱うemiiR®(エミール)は、トイレの給水管に縦に入れる筒です。電源も薬剤も使わず、水が中の特殊セラミックスの間を通ることで、カルシウムの結晶が固着しにくい状態に変わります。排水管の実証では、洗浄から約2か月で再付着していた管で、設置から約2か月で付着の抑制と剥離が確認されました。

置くだけで詰まりが解消するものではありません。重い閉塞は先に物理的に取り除き、そのあと戻らせないための手として使います。お問い合わせのあと、担当からメールでご連絡します。詰まりの記録があれば、そのメールに添付してご返信ください。お見積もりは無料です。

記録に出る形 疑う場所 先にする作業 次の付着に向けた手
1基だけ・間隔が一定 トラップと器具の排水管 尿受けとトラップの漬け洗い 周期を決めて先に洗う
並んだ器具が順に・間隔がそろう 横引き管 系統ごとの高圧洗浄 洗浄の周期と給水側の手を組み合わせる
改修のあとに増えた 汚水管の流れ 横引き管の洗浄 流れの遅さを前提に給水側で抑える
間隔が縮んでいく 取り切れていない層 層を緩めてから取り除く 配管の改修か、給水側の手

よくあるご質問

何度も詰まる小便器は、交換したほうがよいですか

1基だけが詰まり、器具やトラップに傷みがあるなら交換も選べます。並んだ器具が続けて詰まる場合は横引き管に原因があるので、器具を替えても収まりません。

詰まりが何か月で戻るかは、どう調べますか

詰まった日と前回の作業日を、器具ごとに書き残します。2回分そろえば、その器具の間隔が分かります。

尿石防止剤を使っておけば、詰まりは防げますか

尿石防止剤は便器とトラップのまわりに働き、付き方を遅らせますが、働く範囲はそのまわりに限られます。横引き管の内側に育つ層には、別の手が要ります。

設備を入れたら、洗浄は要らなくなりますか

要ります。付着物は固着しにくく脆くなって、水で剥がれやすくなりますが、器具の中やトラップに残った分は清掃で取り除きます。変わるのは洗浄を頼む間隔で、目標はその間隔を延ばすことです。

いま詰まっているときは、どうすればよいですか

その器具の止水栓を閉めて使用を止め、あふれを防ぎます。自分でできる範囲と業者に頼む範囲は、応急処置の記事にまとめています。

アリージェンス合同会社 代表 沼倉孝秀

沼倉 孝秀(ぬまくら たかひで)

アリージェンス合同会社 CEO。UFB DUAL®・emiiR®(エミール)・α-HT® の正規一次販売店として、製品の選定から設置、設置後の窓口までを担当しています。

アリージェンス合同会社

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