この記事の結論
尿石のにおいは、便器と便座の表面、床と壁の目地、排水トラップ(封水)、便器から先の汚水管の内側の4か所のどこかから出ています。排水トラップに水を足す、床を水拭きして乾く前と後を比べる、便器のフチ裏に酸性の洗剤を置いて翌朝比べる、の順に試すと、前の3か所のどれに当たるかが分かります。
3つを試しても当てはまらず、清掃の直後に消えて数日で戻るなら、出どころは清掃の届かない汚水管の内側です。
尿石のにおいの苦情が続いていて、清掃を増やしても収まらない。この記事では、においがどこから出ているかを、業者を呼ぶ前に現場で絞り込む手順と、出どころが分かったあとの進め方が分かります。
においの出どころは4つに絞れます
ご存じのとおり、尿石のにおいはアンモニアです。尿の尿素が分解されてアンモニアができるのと同じ反応で、尿中のカルシウムが析出して尿石になります。そのため、においの元を探すときは、尿石がどこに付いているかを探すのが近道です。
尿石やにおいの元が残る場所は、便器と便座の表面、床と壁の目地、排水トラップの封水とその周り、便器から先の汚水管の内側の4つに分けられます。
このうち日常の清掃で届くのは前の3つで、汚水管の内側だけは届きません。清掃を増やしても苦情が繰り返される場合は、汚水管の内側を疑います。
切り分けの手順
手間が少なく、結果がその場で分かるものから順に試します。便器のフチ裏の確かめ方だけは洗剤を一晩置くので、全体では翌日までかかります。
においの種類も手がかりになります。アンモニアは鼻を刺すような鋭いにおい、封水切れは下水のにおい、床の目地は足元から上がってくるにおいです。
- 封水に水を注ぎ足す。その場で収まれば封水切れ
- 床を水拭きして、乾く前と乾いた後を比べる。乾いて強くなれば目地
- 便器のフチ裏に酸性の洗剤を回して一晩置く。翌朝弱くなれば便器の表面
- 上の3つを試しても当てはまらず、清掃の直後だけ消えて数日で戻る。これなら汚水管の内側
くわしいご案内女子トイレの臭いが取れない理由|においの出どころで手が変わる
清掃で消えるもの・消えないもの
便器・床・封水が原因なら、清掃や水の補充をしたその日に結果が出ます。清掃の回数を増やすほど、においが戻るまでの日数も延びます。
汚水管の内側は、清掃の作業で触れられる場所ではありません。高圧洗浄か薬品洗浄が必要で、そのたびに費用がかかります。洗浄は今ある尿石を落とす作業で、次の尿石が付くのを止めるものではないため、洗浄のあとも同じ場所に尿石が付いていきます。
「清掃を増やしたのに変わらない」のは、清掃の質の問題ではありません。清掃の届く範囲の外に、においの発生源があるためです。
配管の内側が原因だったときにできること
管の内側だと分かったときは、まず今ある尿石を落とします。層が厚くて流れが細くなっている場合は、物理的に取り除く作業が先です。そのうえで、次の尿石が固着しにくい状態をつくります。
当社が扱う emiiR®(エミール)は、給水管の途中に取り付ける装置で、電源も薬剤も使わずに水の性質を物理的に変え、尿石を硬く固着しにくくします。メーカーが記録した男子トイレの排水管の例では、尿石で詰まっていた管が薬品洗浄の直後はきれいになり、洗浄から約2か月で尿石が再び付いていました。その管に emiiR® を設置したところ、約2か月で付着が抑えられ、付いていた尿石が剥がれていく様子が確認されています。
においの変化は、数字で確かめられます。ある小学校の男子小便器で、アンモニア濃度をガステック検知管で測った記録は次のとおりです。
| 小便器 | 設置前のアンモニア濃度 | 約6か月後 |
|---|---|---|
| 1基目 | 5ppm | 0ppm |
| 2基目 | 30ppm | 0ppm |
| 3基目 | 13ppm | 0ppm |
| 4基目 | 2ppm | 0ppm |
| 5基目 | 25ppm | 0ppm |
| 6基目 | 2ppm | 0ppm |
出典:エミール・ジャパン株式会社の検証記録。ガステック検知管による実測。同じトイレの7基のうち、測定を始めた時点で0ppmだった1基は、この表に入れていません。
苦情が続いているときの進め方
出どころが絞れていれば、対処は決めやすくなります。便器・床・封水なら、清掃と部材の手当てで収まります。汚水管の内側なら、管の洗浄の回数を増やすか、給水に emiiR® を取り付けて尿石を付きにくくするかのどちらかです。emiiR® の導入後も清掃は続きますが、すでに付いた尿石も少しずつ脆くなって流れる水で剥がれていくため、洗浄と清掃の間隔を延ばせます。
対象をどこまでにするかは、建物の配管系統と、どのトイレで苦情が出ているかで決まります。トイレの給水元に付ければその系統だけ、建物の給水元に付ければ建物全体が対象になります。
ご相談の際は、建物か店舗のお名前と、ご希望の日時だけをお知らせください。小便器と大便器の数と種類、給水管の太さと作業のしやすさは、当社が現地で確かめます。お見積もりに費用はかかりません。
よくあるご質問
アンモニアのにおいは数字で測れますか
測れます。ガステック検知管に空気を吸わせると、アンモニア濃度をppmで読めます。同じ器具の同じ位置、同じ時刻で測れば、対策の前と後を比べられます。上の表の記録も、この方法で測ったものです。
0ppmになれば無臭ということですか
アンモニアのにおいについては、そう言えます。検知管で測っているのはアンモニア濃度だけなので、ここでの無臭は「無臭=アンモニア0ppm」という意味です。ほかのにおいの成分まで含めて測ったものではありません。
においの出どころが2つ以上重なっていることはありますか
あります。便器の表面と汚水管の内側が、同時に原因になっていることもあります。その場合は手間の少ないほうから順に消していき、最後まで残ったものを汚水管の内側と判断します。
便器を新しくすればにおいは消えますか
便器の表面が原因なら消えます。汚水管の内側に尿石が付いている場合は、便器を替えても発生源は残ります。節水型の便器に替えると洗浄の水量が減り、管の中で尿石ができやすくなることもあるため、交換を考えるときはその先の管の状態も確かめてください。
アンモニア臭と、下水のにおいはどう見分けますか
排水トラップに水を足して、その場で収まるかどうかで見分けます。収まれば封水切れによる下水のにおいです。収まらずに鼻を刺すような鋭いにおいが残るなら、アンモニアです。
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