この記事の結論
館内レストランの食洗機とスチームコンベクション(蒸気と熱風で調理する加熱機器)では、水が加熱されて蒸発するノズル、ヒーターのまわり、蒸気をつくる部分に、スケール(水に溶けていたカルシウムなどが固まった白い層)が付きます。
機器の説明書どおりの手入れを続けたうえで、元栓に UFB DUAL® を付けると、厨房の給水がまとめてウルトラファインバブルを含む水になり、内部のスケールが剥がれやすく、再び付きにくくなります。変わるのは、庫内を洗う間隔と1回の手間です。
館内レストランの厨房で、食洗機やスチームコンベクションの内部が白く固まることに手を取られている施設の方へ。スケールが付く場所と理由、説明書どおりの手入れ、給水の側からできることをまとめました。
厨房で白く固まる場所
水に溶けているカルシウムなどの成分は、水が蒸発すると残って固まります。白いスケールが出るのは加熱と蒸発が起きる場所で、館内では厨房にその条件が集まっています。
厨房機器の中では、1日に何度も加熱と乾燥が繰り返されます。1回あたりに残る量は小さくても、回数が多いぶん、層は早く厚くなります。
機器の内部のスケールは、庫内を開けてノズルの穴やヒーターのまわりを覗かないと分かりません。多くは、洗い上がりが悪くなったときや、機器がエラーを出したときに気づきます。
食洗機の庫内とノズル
食洗機でまず困るのは、ノズルの穴です。穴の内側にスケールが付くと、水が出る向きと勢いが変わり、食器に設計どおりに当たらなくなって洗い上がりが落ちます。
ヒーターのまわりでは、熱を伝える面にスケールが付くと熱が伝わりにくくなり、設定の温度まで上げる時間が延びます。そのぶん電気代が上がり、機器にも負荷がかかります。
庫内の壁面とフィルターのまわりに白い層が重なっていくと、拭き取りの手間が毎回増えます。クエン酸で洗う頻度が上がってきたら、層が厚くなってきている合図です。
洗い上がりが落ちたときに、最初に見る場所
洗い上がりが落ちると洗剤を増やしたくなりますが、その前にノズルの穴を1つずつ確かめます。針が通る穴と通らない穴が混ざっていれば、原因は洗剤の量ではなく、穴の内側のスケールです。
スチームコンベクションの内部
スチームコンベクションは、水を蒸気にして調理に使う機器です。構造として水を蒸発させ続けるため、内部に成分が残って固まるのは避けられません。
スケールが出るのは、蒸気をつくる部分と、庫内の壁面、排気の経路です。蒸気をつくる部分に層ができると蒸気の量が落ち、設定どおりの仕上がりにならなくなって、加熱の時間を延ばす運用になっていきます。
多くの機種には、庫内を自動で洗う機能と、専用の洗浄剤が用意されています。説明書で指定された頻度と薬剤を守ることが前提です。指定より薄い薬剤や、指定のない薬剤を使うと、金属の面を傷めます。
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側溝とシンク排水のぬめり
厨房のもうひとつの手間は、床の側溝とシンクの排水です。ここは油と食品の残りが流れ込み、ぬめりが出ます。においの元にもなります。
ぬめりの出方には、流れ込む油や食品の量と、水の流れ方が関わります。運用でできるのは、皿の汚れを先に落としてから流す手順と、閉店前に水を多めに流す作業で、どちらも費用はかかりません。
そのうえで、汚れの付きやすさそのものを変える方法として、給水の側から手を入れる方法があります。こちらは後半の「給水の側から、付きにくくする」で扱います。
機器の説明書が求める手入れ
当然ですが、厨房機器にはそれぞれ機器のメーカーが決めた手入れの頻度と方法があり、守らないと保証の対象から外れることがあります。確かめておきたいのは、次の項目です。
- 食洗機:ノズルの取り外しと穴の確認、フィルターの清掃、指定された洗浄剤での庫内洗浄
- スチームコンベクション:自動洗浄の実行、指定された洗浄剤、庫内の拭き取り
- 製氷機:指定された頻度での分解洗浄と、フィルターの交換
- 給湯器とボイラー:点検の頻度と、水質についての条件
- シンクと側溝:閉店前の水流しと、トラップの清掃
手入れの記録を、機器ごとに残す
誰がいつ何をしたかを機器ごとに残すと、洗い上がりが落ちたときに原因を絞れます。厨房は人が入れ替わる場所なので、記録の様式を決めておくほうが確実です。
給水の側から、付きにくくする
説明書どおりの手入れは付いたスケールを落とす作業で、機器に入ってくる水そのものは変わりません。水の側を変えるのが、もう1つの方法です。
UFB DUAL® は元栓(水道メーターの二次側)に取り付けるノズルで、厨房の給水も、大浴場も、清掃に使う水も、ウルトラファインバブル(直径1マイクロメートル未満の泡)を含む同じ水になります。泡は水道の水圧だけで、電源を使わずにつくられます。
マイナスに帯電した泡が、汚れと面のあいだに入り込んで付着する力を弱め、水流で剥がれやすくします。泡が面を覆うことで、再び付くのを抑える働きもあります。国内の大手厨房機器メーカーのラボで行われた洗浄力の比較テストでは、つけ置き洗いでとくに効果が高いことが確かめられています。
食洗機とスチームコンベクションの内部では、付いているスケールが剥がれやすくなり、再び付きにくくなります。熱水で洗う医療器具の洗浄機では、ヒーターと水位を検知するスイッチのまわりのスケールが、指で押す程度で落ちるまで軟らかくなった事例もあります。導入後も説明書どおりの手入れは続けますが、庫内を拭き取る手間と、クエン酸で洗う間隔が変わってきます。
側溝とシンクの排水では、ヌルヌルしたぬめりの付着を抑える働きが期待できます。清掃はこれまでどおり続けます。
機器ごとに装置を置く必要はなく、付けるのは元栓の1か所です。消耗品も電源も要らないため、厨房で管理する機器は増えません。
ご飯とうどんの水
館内レストランの調理に使う水も、元栓から先の同じ系統です。ウルトラファインバブルを含む水は濡れ性が高く(面に広がりやすく)、素材の中へ水が入りやすくなります。
うどんを茹でる湯に使うと、でんぷんの流出と茹で崩れが抑えられ、茹で湯の濁りが緩やかになることが期待できます。茹で湯を替える頻度を見直す検討材料になり、水道代とガス代の見直しにつながることが期待できます。
炊飯では、炊きたての香りが増え、冷めたときのにおいも抑えられる傾向が、メーカーの試験で確かめられています。味の感じ方は人によって違うため、厨房の担当の方に同じ条件で炊き比べてもらってから、献立に取り入れるのが確かです。
よくあるご質問
食洗機のスケールは、どのくらいの頻度で落とせばよいですか
機種ごとに説明書で決められた頻度が基本です。そのうえで、クエン酸で洗う間隔が以前より短くなってきたら、ノズルの穴とヒーターのまわりにスケールが厚く付いていないかを確かめます。
クエン酸で庫内を洗ってよいですか
説明書でクエン酸が指定されている機種なら使えます。指定の洗浄剤と頻度は機種によって違い、指定のない薬剤を使うと金属の面を傷め、保証の対象から外れることがあります。
厨房だけに付けることはできますか
はい、できます。元栓一括のほかに、厨房や洗浄の工程だけといった範囲を限った取り付けもできます。館内の配管の分かれ方を図面で拝見してからお決めします。
厨房機器の保証に関わりませんか
取り付けるのは給水管の側で、厨房機器そのものには手を加えません。減水率は約5%で、給水の水圧はほぼ変わりません。機種ごとの給水の条件は、お見積もりの前に確かめます。
側溝のぬめりは、なくなりますか
いいえ、なくなるものではありません。ぬめりの付着を抑える働きが期待できるところまでで、側溝とシンクの清掃はこれまでどおり続けます。
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