この記事の結論
燃料費の上がり分は、加温の時間帯などの運用、給湯器やボイラーの更新、配管や浴槽から熱を逃さない工夫、伝熱面のスケール対策の4か所で受け止めます。費用をかけずに始められるのは、加温を始める時刻と止める時刻、閉館中の浴槽のふたの見直しです。
見落とされやすいのが、給湯器やボイラーの中で熱を水に伝える金属の面(伝熱面)に付くスケールです。炭酸カルシウムのスケールが熱を通す力は銅の数百分の1ほどなので、付いた分だけ、同じ湯をつくるのに要る燃料が増えます。
重油やガスの請求が上がり、オーナーや本部から対策を求められている支配人・施設担当の方へ。燃料が使われている場所と、手を付ける順番をまとめました。
燃料が使われている場所(加温・給湯・暖房)
温浴施設の燃料は、大きく3つに使われています。浴槽の湯を温度に保つ加温、洗い場とシャワーに送る給湯、館内の暖房です。どれがいちばん多いかは、浴槽の数と大きさ、露天風呂の有無、季節で変わります。
まず、3つの配分を知ることから始めます。熱源ごとにメーターがあればその値を、なければ運転時間と能力から割り振ります。配分が分かると、どこから手を付けると燃料が減りやすいかが見えてきます。
露天風呂のある施設は、冬の加温の比重が大きくなります。水面から熱が逃げ続けるためです。露天の浴槽だけでも別に燃料の量をつかめると、季節ごとの手の打ち方が変わります。
上がり方を、自館の数字で確かめる
燃料費は「使った量 × 単価」です。2年前と今年を比べるときは、この2つを分けてください。単価が上がったのか、使う量も増えたのかで、打つ手が変わります。
使う量が増えているなら、入館者数あたり、あるいはつくった湯の量あたりで割って見ます。入館者が増えたための増加なのか、同じ入館者数で燃料が増えているのかが分かれます。後者なら、熱の逃げ方か、熱の通り方が変わっています。
運用で受け止める(時間帯の加温・循環の見直し)
閉館後の加温を止める時刻、開館前に温め始める時刻を見直すだけで、燃料の量は変わります。浴槽ごとに、温度が戻るまでの時間を測っておくと、温め始めの時刻をぎりぎりまで遅らせられます。
循環ポンプとろ過器は衛生のために止められませんが、露天風呂のふた、閉館中の浴槽のふたは熱の逃げを抑えます。設定温度を少しずつ下げる方法もありますが、お客様の体感に直結するので、口コミとあわせて慎重に判断します。
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設備で受け止める(高効率給湯・熱回収)
給湯器やボイラーの更新時期が近いなら、高効率の機種への入れ替えが候補になります。排湯の熱を回収して給水を予熱する熱交換器も、湯を大量に捨てる施設では効果が見えやすい設備です。
どちらも金額が大きいので、更新の年次計画と合わせて検討します。補助金の対象になる場合もあるため、見積もりを取る前に、使える制度を確かめておくと段取りが崩れません。
熱を逃さない側(配管・浴槽・換気)
給湯と循環の配管の保温材が傷んでいないか、露天風呂の水面からどれだけ熱が逃げているかを見ます。浴室の換気は湿気を抜くために必要ですが、運転の強さと時間を季節ごとに見直す余地があります。
熱を逃さない手は、一度やれば続くものが多く、燃料の単価が上がるほど、浮く金額も大きくなります。
伝熱面の付着と熱の通り方
給湯器やボイラーの中では、熱が金属の面を通って水に移ります。この面に炭酸カルシウムなどのスケールが付くと、熱の通り道に断熱材を挟んだ形になります。
給水の側から、付き方に手を入れる
UFB DUAL® は元栓に取り付けるので、給湯器やボイラーに入る水も含めて、館内の水がすべて直径1マイクロメートル未満の泡を含む水になります。泡は金属の面と、そこに付こうとする成分のあいだに入り込んで付着する力を弱め、面を覆って再付着を抑えるため、ボイラーや配管のスケールの付着を抑えることが期待できます。
燃料の使用量がどれだけ変わるかは、設備の種類と水質によって変わります。そのため、導入の前後で、つくった湯の量あたりの燃料の使用量を同じ条件で比べて確かめます。減水率は約5%で、給湯の出方はいまのままです。
| 材料 | 熱の通しやすさ(熱伝導率の目安 W/m・K) |
|---|---|
| 銅 | 約400 |
| 炭素鋼 | 約50 |
| 炭酸カルシウムのスケール | 約0.6〜2.0 |
| シリカのスケール | 約0.3 |
一般的な目安の値です。
どの順で手を付けるか
費用のかからない手から順に進め、各段階の前後で入館者数あたりの燃料を記録します。どの手でどれだけ燃料が減ったかが分かれば、次の投資を本部に説明する材料になります。
- 使った量と単価を分け、入館者数あたりの燃料を出す
- 加温の時間帯と、閉館中のふたを見直す(費用なし)
- 配管の保温と換気の運転を見直す
- 給湯器・ボイラーの伝熱面の状態を点検で確かめる
- 更新の時期に合わせて、高効率機と熱回収を検討する
よくあるご質問
燃料費はどれくらい下がりますか
下がる額は、施設の熱源と使い方によって変わります。手を入れる前後で、入館者数あたりと、つくった湯の量あたりの燃料を記録して比べると確かめられます。
スケールが付いているかはどう分かりますか
定期点検のときに、熱交換器や缶体の内側の状態を確かめてもらうと分かります。同じ湯をつくるのに要る時間が以前より長くなっていれば、付着を疑う目安になります。
重油から別の燃料に替えるべきですか
燃料の種類を替えるには設備の入れ替えと工事が要るため、給湯器やボイラーの更新時期に合わせて検討します。燃料の単価の見通しと、ほかの手とを並べて判断してください。
給水の設備に電気代はかかりますか
かかりません。UFB DUAL® は水道の水圧だけで泡をつくり、電気も消耗品も使いません。
給湯器の点検はどれくらいの間隔で行えばよいですか
機器の取扱説明書とメーカーの点検の案内に従うのが基本です。点検の記録に伝熱面の状態を書いてもらうと、燃料の使用量の変化と並べて見られます。
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