打たせ湯とシャワーは、循環している浴槽水を用いる構造にしないこととされています。だから館内のシャワーとカランは、上水の系統でつながっています。
この事実が、手を入れる場所を決めます。元栓に設備を入れると、館内のシャワーとカランが1台でまとめて対象になります。1本ずつ交換する方式とは、届く範囲が違います。
館内のシャワーとカランの水に手を入れたい方に向けて、決まりごとと系統の関係から、どこに入れるのが合うのかを整理しました。
打たせ湯とシャワーに、浴槽水を使わないという定め
厚生労働省の「公衆浴場における衛生等管理要領」は、施設設備について、打たせ湯とシャワーを循環している浴槽水を用いる構造にしないことを求めています。気泡発生装置等を設置する場合についても、連日使用している浴槽水を用いる構造にしないこととされています。
理由も書かれています。これらの設備は細かい水しぶき、つまりエアロゾルを発生させ、レジオネラ属菌の感染の原因になりやすいためです。循環してろ過した湯水を浴槽に戻すときも、底部に近い部分から補給する構造にして、誤飲とエアロゾルの発生を防ぐこととされています。
つまり定めが向いているのは2つです。細かい水しぶきを発生させること、そして連日使用している浴槽水を使うこと。この2つが重なる構造を避ける、という書き方になっています。
出典:厚生労働省「公衆浴場における衛生等管理要領」(平成12年12月15日 生衛発第1,811号。2026-09-27 に原文を確認)。自治体の条例は、これより強く書いているところがあります。
だから、シャワーとカランは上水の系統
定めに合わせると、館内の水は2つの系統に分かれます。ひとつは浴槽の水で、循環してろ過されて戻る系統。もうひとつが、シャワー、カラン、打たせ湯、上がり湯、そして厨房と清掃用の水で、上水から来る系統です。
この分かれ方は、管理のうえでも意味があります。循環側の管理はろ過器と逆洗と換水、上水側の管理は入ってくる水そのものです。原因を探すときに、どちらの系統の話かを先に決めると早く進みます。
そして、手を入れる場所も変わります。循環側に手を入れても、シャワーの水は変わりません。逆に、上水側に手を入れると、シャワーとカランと厨房がまとめて変わります。
上水の系統に手を入れると、どこまで届くか
元栓は、館内の上水がすべて通る1か所です。ここに設備を入れると、その先の枝分かれした先まで同じ水になります。
UFB DUAL® は元栓に取り付けます。つくられる泡は直径1マイクロメートル未満で、浮き上がらずに水の中を数か月ただよいます。だから元栓の1か所でつくった泡が、いちばん遠い蛇口まで届きます。
届く範囲は、洗い場のシャワーとカラン、上がり湯、打たせ湯の給水、厨房、清掃に使う水、そして浴槽に補給される水です。浴槽の中で循環している水そのものに手を入れるものではありません。
| 場所 | どの系統か | 元栓に入れたときの扱い |
|---|---|---|
| 洗い場のシャワーとカラン | 上水 | 対象になる |
| 上がり湯 | 上水 | 対象になる |
| 打たせ湯の給水 | 上水 | 対象になる |
| 厨房と清掃用の水 | 上水 | 対象になる |
| 浴槽に補給される水 | 上水 | 対象になる |
| 浴槽の中を循環している水 | 循環 | 直接は扱わない |
くわしいご案内温浴施設のコストと手間を、水から見直す|館内すべての水を元栓1台で
シャワーヘッドを1本ずつ替える方式との違い
同じ「シャワーの水を変える」でも、器具を替える方式と、元栓に入れる方式では、見る点が変わります。方式の違いとして並べておきます。
| 見る点 | シャワーヘッドを交換する方式 | 元栓に1台入れる方式 |
|---|---|---|
| 対象になる範囲 | 交換した水栓だけ | 元栓から先の系統すべて |
| カランと上がり湯 | 対象外 | 対象になる |
| 盗難・破損・塗装の剥がれ | 備品としてのリスクがある | 配管の中なので生じない |
| 器具の中に残る水 | 生じることがある | 該当しない |
| 設置と交換の手間 | 本数ぶん必要 | 元栓の1か所 |
| 保証 | 製品による | 計10年(メーカー2年と当社の延長8年) |
出典:株式会社ウォーターデザインの公開資料(2026-09-27 確認)
客室がある施設の場合
大浴場のほかに客室を持つ施設では、客室の水回りも同じ上水の系統につながっています。元栓が1か所であれば、客室のシャワーとカランも同じ扱いになります。
確かめるのは、引き込みが何系統あるかです。棟が分かれている施設や、増築を重ねた施設では、元栓が複数あることがあります。図面と水道メーターの数を見れば分かります。
系統が複数ある場合は、どの系統を対象にするかを選べます。大浴場と厨房を含む系統から始める、という進め方も取れます。
滞留水の扱い
上水の系統でも、水が動かない区間はできます。営業時間の外に使われないシャワー、改装で止めた枝管、季節でしか使わない浴槽の給水。ここは水が止まります。
対策は単純です。系統図に載せて、開店前に一定時間流す手順を決めることです。流す量と時間を決めて記録に残せば、点検のときにも説明できます。
使わなくなった枝管は、切り離せるかどうかを設備の担当者と確かめてください。水が動かない区間は、点検も洗浄も届きません。残したままだと、系統の中で管理の目が抜けた場所になります。
確かめておく条件
取り付けるのは水道メーターの二次側です。水が止まるのは1〜2時間で、給水管を切ってつなぎ込み、接着剤が固まるまで水を通せないためです。前後を含めた全体は3時間から半日です。
受水槽を備えた施設では、館内の蛇口は止まりません。つなぎ込む位置が水道メーターと受水槽のあいだになるので、作業のあいだは槽に貯まっている水が館内へ配られます。
減水率は約5%なので、シャワーとカランの出方は変わりません。可動部と消耗品がなく、電源も要りません。そして自治体ごとに条例の書きぶりが違うので、所轄の条例を確かめ、抵触する地域ではご提案しません。
よくあるご質問
シャワーに浴槽のお湯を使ってはいけないのですか
要領では、打たせ湯とシャワーを、循環している浴槽水を用いる構造にしないこととされています。理由は、細かい水しぶきが発生しやすく、レジオネラ属菌の感染の原因になりやすいためです。自治体の条例も確かめてください。
シャワーヘッドを交換する方式と、どちらがよいですか
届く範囲が違います。交換する方式は、その水栓だけが対象です。元栓に入れる方式は、カランや上がり湯、厨房まで同じ扱いになります。本数と、備品としての管理の手間で比べてください。
気泡発生装置に当たる設備ではないのですか
取り付けるのは元栓、つまり上水の側です。浴槽の中に気泡発生装置を置くものではなく、泡は1マイクロメートル未満で浮き上がらず、水面ではじけて水しぶきになる働きでもありません。所轄の保健所にご確認ください。抵触する地域ではご提案しません。
客室のシャワーも対象になりますか
同じ元栓から先につながっていれば対象になります。棟が分かれている施設や増築を重ねた施設では、元栓が複数あることがあります。図面と水道メーターの数で確かめます。
水圧は落ちませんか
減水率は約5%です。水圧と水量を落とさないので、シャワーとカランの出方は変わりません。水量を大きく絞る方式では、そのぶん水の出方が変わります。
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