浴槽の換水と湯の使い回し|サイクルを決めているもの

浴槽の換水と湯の使い回し|サイクルを決めているもの
この記事の結論

換水の頻度は、浴槽の形で変わります。連日使用している浴槽水を循環させて使う場合は1週間に1回以上、循環のろ過装置を使わない浴槽水は毎日の入れ替えとされています。

この回数の上に、自主的に足している分があるはずです。足している理由は濁りとにおい、そして塩素が保たないこと。その3つを押し上げているのが付着です。

換水を決まりより多く回している施設に向けて、頻度を押し上げているものと、水道代・燃料費との関係を整理しました。

目次

換水の頻度に関する定め

公衆浴場の衛生管理では、浴槽水の入れ替えについて、水の使い方で分けた決まりがあります。連日使用している浴槽水を循環させて使う場合は1週間に1回以上の完全な入れ替え、循環のろ過装置を使わない浴槽水は毎日の入れ替えです。ろ過器の清掃も、1週間に1回以上とされています。

この回数より厳しく定めている自治体があります。自館に当てはまる頻度は、所轄の条例で確かめてください。館内に浴槽が複数あれば、それぞれで条件が違うのが普通です。

この回数は下限です。実際には、これより多く回している施設が多いはずです。増やしている理由を書き出すところから始めます。

出典:厚生労働省「公衆浴場における衛生等管理要領」(平成12年12月15日 生衛発第1,811号。2026-09-27 に原文を確認)。と自治体の資料。当てはめは所轄の条例で確かめてください。

換水で出ていく水と熱

換水は、水を捨てて入れ直す作業です。捨てているのは水だけではありません。温めた湯を捨てているので、同じ温度まで戻すための燃料が要ります。

しかも料金は2回かかります。上水として入れるときの水道料金と、下水として出すときの下水道の料金です。多くの地域で、下水道の料金は使った水量をもとに決まります。

だから換水の回数は、水道代と下水道の料金と燃料費の3つに同時に乗ります。1回あたりの水量と、温度を戻すのに要した時間を測っておくと、1回減らしたときの金額を自分で出せます。

換水1回で動くもの 測り方 記録する場所
入れた水量 私設のメーター、または水道メーターの差 換水の記録
出した水量 入れた水量とほぼ同じ量として扱う 同じ記録
温度を戻すのに要した時間 運転の開始と、設定温度に達した時刻 ボイラーの運転記録
その日の燃料の使用量 燃料計、または納品の記録 光熱費の台帳
作業に要した人の時間 準備から通常運転に戻るまで 清掃の記録

この表は測り方の例です。ご自身の施設の数字を入れて確かめてください。

頻度を押し上げているもの

決まりの回数より多く換水している施設は、次の3つのどれかを理由にしています。どれも、放っておくと増える方向に動きます。

  • 濁りが早く戻る。持ち込まれる皮脂と角質、そして配管から剥がれてくるもの
  • においが出る。循環口のまわりと、打たせ湯の落ち口から出やすい
  • 遊離残留塩素が保たない。有機物と、配管の内側の層で消費されます

3つとも、同じ場所に行きあたる

濁りもにおいも塩素の消費も、循環配管とろ過器の内側の状態に紐づいています。壁面にバイオフィルムの層ができると、塩素は層の表面で消費され、水を動かしたときに剥がれて濁りとにおいになります。つまり換水を増やして対処しているのは、症状の側です。

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記録の取り方

換水の間隔を自分で決めるには、記録が4つ要ります。換水した日、換水の直後の濁度と遊離残留塩素、そして次に濁りが戻った日、その日の入館者数の合計です。

この4つが並ぶと、「何人ぶんの持ち込みで濁りが戻るか」が見えます。日数ではなく、入館者数で間隔を決められるようになります。混雑する時期と静かな時期で、同じ日数にしなくてよくなります。

同じ台紙に、ろ過器の逆洗の間隔と差圧、配管洗浄の日も並べてください。換水を増やしても濁りが戻る場合、原因は浴槽の水ではなく循環の系統の側です。

付着を抑えると、何が変わるか

押し上げている3つの理由が、どれも付着に行きあたるのなら、手を入れる場所もそこになります。

UFB DUAL® は元栓に取り付けます。浴槽に補給される水も、シャワーも、厨房も、同じ水になります。含まれる泡は直径1マイクロメートル未満で、浮き上がらずに水の中に散らばったまま保たれます。

面に定着しようとする汚れは、プラスに帯電した疎水性のものが多くを占めます。マイナスに帯電した泡がそこへ入り込むと結びつきが緩み、水流で離れやすくなります。循環配管とろ過器の内側で付着が緩やかになれば、塩素の保ち方と濁りの戻り方が変わります。

変わるのは、決まりの回数ではありません。決まりは守る前提です。動かせるのは、決まりの上に自主的に足している分です。記録を3か月から半年そろえて、足している分を少しずつ戻してください。

働くのは付着の側だけです。レジオネラ属菌への備えとして基本とされるバイオフィルムの抑制までが範囲で、そこから先の殺菌と消毒は、殺菌剤と専門の管理に委ねます。検査と記録の回数も、条例どおりのままです。

水道代と燃料費の両方に効く場所

館内で、水道代と燃料費の両方に乗っている作業は3つです。換水、ろ過器の逆洗、そしてシャワーとカランの使用です。前の2つは回数で動き、3つ目は使った量で動きます。

このうち回数で動く2つは、記録があれば自分で動かせます。逆洗は時間ではなく差圧で決める、換水は日数ではなく入館者数で決める。それだけで、回数は実際の汚れの量に合った形になります。

3つ目については、水量を絞る方式を入れると使用量が下がります。ただし、そのぶん水の出方が変わります。減水率が約5%であれば、シャワーとカランの出方はそのままです。館内の体験を落とさずに進めたい施設では、ここが判断の分かれ目になります。

よくあるご質問

換水は週に何回すればよいですか

連日使用している浴槽水を循環させて使う場合は1週間に1回以上、循環のろ過装置を使わない浴槽水は毎日とされています。自治体の条例がこれより強い場合があるので、所轄で確かめてください。

決まりより多く換水しています。減らせますか

決まりの回数は守る前提です。動かせるのは、その上に足している分です。濁りが戻る日数と入館者数を記録して、足している理由が消えたことを確かめてから少しずつ戻してください。

換水を増やしても、すぐ濁ります

原因が浴槽の水ではなく、循環の系統の側にあります。配管の内側とろ材に残っているものが、水を動かしたときに出てきます。換水の記録と、逆洗の差圧と配管洗浄の日を並べて確かめてください。

換水を1回減らすと、いくら下がりますか

施設ごとに違うので、金額や割合ではお答えできません。1回あたりの水量、上水と下水の単価、温度を戻すのに要した燃料。この3つを測れば、ご自身の数字で出せます。

水の設備を入れると、換水は要らなくなりますか

要らなくなりません。換水の回数は条例で定められていて、それは守る前提です。変わるのは、決まりの上に足している分と、濁りが戻るまでの日数です。

アリージェンス合同会社 代表 沼倉孝秀

沼倉 孝秀(ぬまくら たかひで)

アリージェンス合同会社 CEO。UFB DUAL®・emiiR®(エミール)・α-HT® の正規一次販売店として、製品の選定から設置、設置後の窓口までを担当しています。

アリージェンス合同会社

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