この記事の結論
グリストラップの臭いは、水面に浮いた油(スカム)が古くなって酸化することと、底に沈んだ生ごみ(スラッジ)が腐敗することの2つから出ます。どちらも、取り除くまでの日数が延びるほど、また気温が高いほど強くなります。
清掃は溜まったものを取り除く手立てです。これに加えて、流し込む水の側で油が管や槽の壁に付く力を弱めると、臭いの元が溜まる速さそのものが緩やかになる方向に働きます。
グリストラップの臭いで、近隣やお客様、従業員から声が上がっている店長さまとオーナーさまに向けて、臭いの出どころと、溜まる前の段階でできることをまとめました。
臭いの元になっている2つのもの
1つ目は、水面に浮いた油の層です。スカムと呼ばれ、時間がたつと酸化して、古い揚げ油のような重い臭いを出します。
2つ目は、底に沈んだ生ごみや食べ残しの層で、スラッジと呼ばれます。水の中で腐敗が進むと、鼻をつく臭いに変わります。
どちらも、取り除くまでの日数が延びるほど強くなります。臭いの強さは、溜まっている量と、溜まってからの日数の掛け算で決まる、と考えると整理しやすくなります。
気温と水温が上がる季節は、腐敗が早く進むので、同じ清掃の間隔でも臭いが強く出ます。夏だけ苦情が増える店舗は、溜まる量より、溜まってからの日数の側が影響していると読めます。
溜まる速さは何で決まるか
溜まる速さを決めるのは、流れ込む油と生ごみの量、槽の大きさ、そして流れ込んだ汚れが管や槽の壁にどれだけ付くかの3つです。
量は、下げ膳の段階で皿の油を拭き取る、残飯を先に分けるといった手前の工程で減らせます。槽の大きさは建物の設備なので、入居してから変えるのは簡単ではありません。
見落とされがちなのが、壁に付く分です。シンクからグリストラップまでの管や、槽の仕切り板に付いた油は、流れで運ばれずに残り、その上に次の汚れが重なります。清掃しても臭いがすぐ戻ってくる理由のひとつが、この付いて残る分です。
いま行われている手立て(日常清掃・高圧洗浄・薬剤)
どれも、溜まったものを取り除く手立てです。取り除いたあとは、同じ速さでまた溜まっていきます。間隔を詰めれば臭いは抑えられますが、そのぶん費用と作業の時間が増えます。
- 日常清掃:バスケットの生ごみを捨て、浮いた油をすくう
- 定期の汲み取りと清掃:底の層と槽の壁を業者さまが清掃する
- 排水管の高圧洗浄:管の壁に付いた層を水圧で落とす
- 薬剤とバイオ剤:油を分解する、においを抑える目的で投入する
くわしいご案内排水とグリストラップに、1年でいくら払っているか
流し込む水の側で変わるところ
壁に付いて残る分に働きかけるのが、流し込む水の側の手立てです。UFB DUAL® を元栓に付けると、厨房で使う水がすべてウルトラファインバブルを含んだ水になり、洗い物のたびにグリストラップへ流れ込みます。
この細かな泡は、油と管の壁のあいだに入り込むくさびのように働き、付いている力を弱めます。壁から離れた油は流れに乗って槽へ運ばれ、そこで浮いてバスケットや回収の作業で取り除かれます。管と仕切り板に付いて残る分が減れば、臭いの元がとどまる時間が短くなる方向に働きます。
変化が表れるのは、槽の壁と仕切り板の汚れ方、管の中の流れの速さ、清掃のときに業者さまが見る汚れの厚さです。清掃の報告書にこの3つを書いてもらうよう頼んでおくと、あとで比べる材料になります。
変わらないところ
バスケットの掃除と、浮いた油の回収は、いまの頻度で続けます。流れ込む油と生ごみの量は、下げ膳と洗い場の手前の工程で決まるからです。
水を変える対策が働くのは、臭いの元が溜まる速さです。排気のダクトやフードから出る臭いは、排気側の対策の受け持ちです。
頻度を見直すまでに見る期間
薬剤とバイオ剤を使っている店舗は、水を変えたあとも投入の量と間隔をいまのまま続け、溜まり方の記録だけを取り始めます。条件を同時にいくつも変えると、どれが変化の原因なのかを読めなくなるからです。
変化が表れるまでの時間の目安として、食品工場の排水管を追った事例があります。最初の数か月は見た目が変わらず、半年を過ぎたあたりから管の内側の汚れが減っていきました。
清掃のたびに、槽の壁、仕切り板、油の層を同じ位置から写真に撮り、蓋を開けたときの臭いの強さを1〜5で付けておきます。半年分がそろったところで、間隔を詰めたままでよいかを業者さまと話せます。
臭いの声が上がり始めた時期と、いまの清掃の間隔をお知らせください。どこから見直すかの順番を、一緒に組み立てます。
よくあるご質問
グリストラップが臭ういちばんの原因は何ですか
浮いた油の層と、底に沈んだ生ごみの層が、取り除かれないまま日数がたつことです。まず、バスケットの掃除と油の回収が毎日できているかを確かめてください。
においを抑える薬剤やバイオ剤と一緒に使えますか
一緒に使えます。元栓で水が変わるだけなので、いまの薬剤の投入はそのまま続けられます。量を見直すのは、溜まり方の記録で変化を確かめてからにしてください。
変化が分かるまで、どのくらいかかりますか
槽と管の汚れ方の変化は、半年ほどの記録で読むのが目安です。食品工場の排水管では、6か月を過ぎたころから変化が出た事例があります。
近隣から苦情が来ているときは、何から手を付けますか
まず臭いが排気から来ているか、排水から来ているかを分けます。排水から来ているなら、清掃の間隔を詰めていまの苦情に応え、並行して溜まる速さを下げる手を打ちます。
グリストラップの工事は必要ですか
必要ありません。グリストラップと排水管はいまのまま使います。取り付けるのは水道メーターのそばの給水管で、工事はその周りだけです。
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