循環配管の洗浄は、年1回程度が目安として示されています。公表されている価格では、1循環系統2tまでで176,000円(税抜160,000円)という例があります。
ただし年1回で足りるかは施設ごとに違います。頻度を決めているのは、持ち込まれる汚れの量、湯の温度、配管の中で流れが緩む場所、そしてバイオフィルムの付き方です。
循環配管の洗浄を、言われた頻度どおりに出すのではなく、自館の条件から決めたい方に向けて、費用と要因を整理しました。
なぜ配管の内側を洗うのか
循環式浴槽では、湯が配管とろ過器を通って何度も戻ってきます。このとき、湯に混ざった皮脂と角質が、配管の壁面に触れ続けます。配管クリーニングが要るのは、この繰り返しがあるからです。
壁面では、微生物が膜をつくって居つきます。バイオフィルムです。この状態になると水流では離れず、内側から面積を広げていきます。
この層は、消毒剤から中の微生物を守る働きをします。だから浴槽の水の塩素濃度を保っていても、配管の内側の層はそのまま残ります。浴槽水を入れ替えても戻ってくる、という現象の説明がここにあります。
推奨されている頻度
配管の洗浄は、年1回程度が目安として示されています。あわせて、ろ過器を備えた浴槽では、ろ過器の清掃を1週間に1回以上、浴槽水の完全な入れ替えを1週間に1回以上行うこととされています。
この3つは、役割が違います。配管の洗浄は層を落とす作業、ろ過器の清掃は溜まったものを出す作業、換水は水そのものを替える作業です。どれかを増やしても、ほかの代わりにはなりません。
年1回という目安は、条件が標準的な場合の話です。混雑する施設や、湯の温度が高い施設では、1年もたないことがあります。逆に、条件が緩やかなら1年より長くもつこともあります。
洗浄の方法
方法は大きく2つです。薬剤を循環させて層を溶かし剥がす方法と、物理的に高圧の水で落とす方法です。多くの現場では、薬剤で緩めてから流し出す組み合わせになります。
薬剤を使うときは、配管とパッキンの材質を確かめます。溶かす力が強いものは、ゴムとシールに影響します。そして使った薬剤を含んだ水をどう処理するかまで、段取りに入れておきます。
洗浄が効いたかどうかは、出てくる排水の濁りで判断します。作業の前後で排水を採っておくと、次の回の判断材料になります。写真より、濁りを見たほうが分かります。
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費用の目安
費用は、系統の数と水量で決まります。系統が2つあれば、単純に2つぶんの作業になります。
| 作業 | 何で金額が決まるか | 公表されている価格の例 |
|---|---|---|
| 循環浴槽の配管クリーニング | 循環系統の数と、水量 | 1循環系統2tまで 176,000円(税抜160,000円) |
| ろ過器の清掃 | ろ過器の大きさと、ろ材の種類 | 作業の時間で決まる |
| ろ材の交換 | ろ材の量と、搬入搬出 | ろ材の費用と作業の費用に分かれる |
出典:ダスキン「循環浴槽配管クリーニング」(事業所用)。の公表価格(2026-09-27 確認)。1循環系統2tまで176,000円・税抜160,000円。
頻度を押し上げているもの
同じ設備でも、洗浄が要るまでの期間は施設ごとに違います。効いているのは4つです。
- 持ち込まれる汚れの量。入館者数と、かけ湯が守られているかで変わります
- 湯の温度。高いほど、付着が進む速さが上がります
- 流れが緩む場所の数。曲がり、継ぎ目、使っていない枝管に集まります
- 壁面への付着のしやすさ。ここが、設備の側から手を入れられる部分です
使っていない枝管を洗い出す
改装のときに止めた枝管が、そのまま残っていることがあります。水が動かないので、ここは層のできやすい場所になります。系統図を最新にして、使っていない枝管があれば切り離すところまで含めて考えてください。洗浄の費用より先に効くことがあります。
記録の取り方
洗浄の間隔を自分で決めるには、記録が要ります。書くのは日付と金額だけではありません。
残すのは4つです。洗浄した日、使った薬剤と方法、洗浄後に出た排水の濁りの様子、そして次に濁りが戻った時期です。この4つが並べば、自館の間隔が出ます。
あわせて、ろ過器の差圧と逆洗の間隔、遊離残留塩素の値も同じ台紙に並べてください。配管の層が厚くなると、塩素が消費されやすくなり、差圧も上がりやすくなります。洗浄の時期を、これらの数字から先に読めるようになります。
付着を抑える側に手を入れる
洗浄は、付いたものを落とす作業です。頻度を決めているのは、付く速さのほうです。だから手の入れどころは2つあります。
UFB DUAL® は元栓に取り付ける一体型のノズルです。水が通るときの圧力の変化で、もともと溶けている空気を直径1マイクロメートル未満の泡に変えます。密閉された配管の中だけで泡をつくるので、外の空気を取り込みません。
泡はマイナスに帯電していて、プラスに帯電した疎水性の汚れとのあいだに入り、面との結びつきを緩めます。壁面が泡で覆われることで、離れたものが再び付くのを抑える働きも期待できます。浸透する力が高く、継ぎ目のような細かい隙間にも入ります。
循環配管とろ過器の壁面で付着が緩やかになれば、逆洗の間隔とろ材の交換の周期を見直す検討材料になります。水道代、薬剤の費用、ろ材の更新にかかる費用を平準化することにつながります。
扱うのは上水、つまり給水の側です。循環している浴槽水に何かをするものではありません。落とす側の手、つまり洗浄と換水と消毒は、これまでどおり続けます。殺菌と消毒は、殺菌剤と専門の管理との併用が前提です。
入れたあとに消耗品と電源は要りません。減水率は約5%で、循環の流量の設計もそのまま使えます。保証は計10年(メーカー2年と当社の延長8年)です。
よくあるご質問
配管の洗浄は、年1回で足りますか
年1回程度が目安として示されていますが、足りるかは条件で変わります。入館者数、湯の温度、流れが緩む場所の数で違います。洗浄後に濁りが戻った時期を記録して、自館の間隔を出してください。
いくらかかりますか
系統の数と水量で決まります。公表されている価格では、1循環系統2tまでで176,000円(税抜160,000円)という例があります。系統が2つあれば、2つぶんの作業になります。
薬剤で洗うのと、高圧の水で洗うのはどちらがよいですか
多くの現場では組み合わせになります。薬剤で層を緩めてから流し出す形です。薬剤を使うときは、配管とパッキンの材質と、使ったあとの水の処理を先に確かめてください。
浴槽水を入れ替えても、すぐ濁るのはなぜですか
配管の内側とろ材に残っているためです。バイオフィルムの層は消毒剤から中の微生物を守る働きをするので、浴槽の塩素濃度を保っていても層は残ります。換水と合わせて循環の系統まで見てください。
水の設備を入れると、洗浄はやめられますか
やめられません。洗浄は落とす作業、こちらは付きにくくする手立てです。変わるのは、洗浄が要るまでの間隔と、1回に落とす量です。記録を並べて確かめてから間隔を動かしてください。
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