この記事の結論
賃貸収入を安定させるには、収支がぶれる原因を、退去と空室、原状回復、給排水の修繕、設備の維持費の4つに分け、起きる前に手を打てるものから順に減らします。
前の3つは起きてから金額が決まるので、住み続ける理由を増やす、水回りに汚れをためない、配管の内側に汚れを付きにくくする、といった手で起きる回数を減らします。4つめの維持費は、毎年かからない設備を選ぶことで、導入の時点で固定できます。
毎月の入りと出のぶれを小さくしたいオーナーさま向けに、ぶれの原因を4つに分けて、前もって打てる手を整理しました。
収支のぶれは、4つの費目に集まる
年間の収支を月ごとに並べると、平らな月と大きく凹む月が出ます。凹む月に出ていくのは、たいてい下の表の4つの費目です。
このうち退去と空室、原状回復、給排水の修繕の3つは、起きてから金額が決まります。予算の段階では幅を持たせるしかありません。4つめの設備の維持費だけは違い、毎年かかるかどうかが設備を選ぶ時点で決まります。ここは、自分で読める支出に変えられる場所です。
| ぶれの原因 | いつ起きるか | 金額の決まり方 | 起きる前に打てる手 |
|---|---|---|---|
| 退去と空室 | 契約更新の前後に集まる | 空室の期間と、募集にかかる費用で決まる | 住み続ける理由を増やす |
| 原状回復 | 退去のたび | 水回りの汚れの程度で見積もりが変わる | 汚れがたまりにくい状態にしておく |
| 給排水の修繕 | 読みにくい | 1件ごとに見積もりを取る | 配管の内側に汚れをためない |
| 設備の維持費 | 毎年 | 契約で決まっている | 毎年かからない設備を選ぶ |
この設備で、年ごとにかかるもの
支出の側から先に固めます。水回りの設備を1台導入した場合に、年ごとにかかるものを下の表にまとめました。
毎年の費用がかからないことの意味
年度の予算では、最初の1回だけを見ておけば足ります。電源を引かないので電気代がかからず、薬剤を使わないので発注と在庫の管理が要らず、消耗品とフィルターがないので交換の予定を組まなくてよくなります。
ここで変わるのは、支出の側のぶれが1つ減ることです。金額の大小より、毎年の支出が前もって読めるようになることに意味があります。
| 時期 | かかるもの | 金額(税抜) |
|---|---|---|
| 導入した年 | 本体と工事 | 20A で 400,000円〜430,000円 / 40A で 2,650,000円 |
| 翌年から10年目まで | 電気代・薬剤・消耗品・フィルターの交換 | なし |
| 10年目 | 計10年の保証が満了する | — |
税抜。
収入の側では、どこに変化が出るのか
収入の側は、断定できることが少ない領域です。分かっているのは、入居者さまが毎日触れる場所の満足が、住み続けるかどうかに出るという順番だけです。
水回りは、1日に何度も触れる場所です。台所で手を洗い、浴室を使い、洗濯機を回す。この回数の多さが、住み心地の印象を左右します。
配管の変化が、管理と募集の数字に届くまで
配管の内側に汚れが付きにくくなり、すでに付いた汚れも時間をかけて剥がれていくと、詰まりや水の色についての連絡が減ることが期待できます。その先で、緊急の呼び出しと立ち会いの回数が減り、管理会社さまの工数をほかに回せるようになります。
収入の側も同じようにつながります。水回りのぬめりが出にくくなると、退去のときに指摘される材料が減り、原状回復の範囲が小さくなって、次の募集を早く出せることにつながります。
くわしいご案内賃貸の設備投資は何年で回収できるか|水回りの設備で計算してみる
月ごとに並べると、どこが凹んでいるか分かる
年間の収支を12か月で横に並べ、家賃収入の行と、退去・原状回復・修繕の行を別に引きます。凹んでいる月と、その月に立っている費目が一目で分かります。
この作業に要るのは、管理会社さまからの月次の報告と、修繕の見積もりの控えだけです。表計算のソフトなら、1時間ほどの手間で形になります。
凹みが退去に集まっているなら、住み続ける理由を増やす側に手を回します。修繕に集まっているなら、配管の内側のように起きる前に手を打てる場所を探します。毎年の固定費が平らに高いなら、契約で続いているものを1つずつ見直します。
安定させる手順
手を付ける順番は、読めない支出を読める支出に変えられるものが先です。最初の3つは費用がかかりません。記録を読むだけで、どこが揺れているかが分かります。
- 1つめ:いまの退去の理由を1年分読み返す。水回りが出ているかを見ます
- 2つめ:給排水の修繕の起票を1年分数える。件数と金額を分けて数えます
- 3つめ:毎年かかっている設備の費用を書き出す。契約で続くものを見つけます
- 4つめ:そのうえで、建物の側で完結する設備を1つ足すかを決めます
設備とは別に動くもの
立地による募集の強さは変わりません。近隣に新築が建てば、その影響は受けます。
家賃の水準も変わりません。上げるための設備ではなく、下げずに決め、住み続けてもらうための材料です。
空室の出方は、転勤や家族の事情でも年ごとに変わります。数えられるのは、起きたときに出ていく金額と、前もって減らせる項目の数です。
よくあるご質問
収入がどれくらい安定しますか、数字で言えますか
一律の数字はありません。建物ごとに違うためです。確かめられるのは、毎年の支出の項目が減ることと、いまの退去の理由と修繕の起票の数です。この2つをご自身の記録で確かめてください。
回収は何年くらいで考えればよいですか
たとえば引き込み管が25mmで12戸、家賃80,000円の建物(25A、総額650,000〜680,000円)で、1年に3室が入れ替わり、それぞれ空室期間が1か月ぶん短くなるなら、年240,000円で約2.7〜2.8年です。ご自身の家賃と、いまの平均の空室期間に置き換えてください。
毎年かかる費用は本当にありませんか
ありません。電源を引かず、薬剤も使わず、消耗品もフィルターもないためです。保証は計10年で、窓口は当社ひとつです。
受水槽のある建物では、どこに付けますか
受水槽より前に付けるか後ろに付けるかで、対象になる範囲が変わります。給水方式と系統を見て決めます。
お見積もりは有料ですか
無料です。水道メーターの周りの写真、口径の表示、建物の全景の3枚があれば概算を出せます。
この記事に書いていないことは、直接お聞かせください。
お気軽にお問い合わせください。


