この記事の結論
賃貸の収益は「満室時の年間家賃収入 × 稼働率 − 運営費」で表せます。オーナーさまが変えられるのは、家賃の単価、空室の日数、駐車場などの付帯収入、運営費の4つです。
このうち数字に早く出るのは空室の日数で、家賃100,000円の部屋なら、決まるのが20日早まるだけで66,000円が残ります。
運営費は、単価の交渉よりも、水回りの緊急対応の件数を減らすほうが、翌年以降も続けて効果が出ます。
収益を上げたいが何から手を付けるか決めきれないオーナーさま向けに、式に分解して、動かせる場所と金額を並べました。
最大化という言葉を、式に置き換えます
「最大化」という目標のままでは、何から手を付けるか決まりません。満室想定の年収に稼働率を掛け、そこから運営費を引く形に直すと、変えられる場所が4つに絞れます。
掛ける側は賃料単価と空室日数でできています。引く側は修繕、清掃、緊急対応、設備の入れ替えです。どれも帳簿にすでに行があるものなので、新しく調べる必要はありません。
| 式の場所 | 変えられる数字 | 変え方 |
|---|---|---|
| 満室想定の年収 | 賃料単価 | 募集条件に足せるものを増やす |
| 満室想定の年収 | 付帯収入 | 駐車・倉庫・共用部の使用料 |
| 稼働率 | 空室日数 | 決まるまでの日数と、退去の件数を減らす |
| 運営費 | 修繕・清掃・緊急対応 | 単価ではなく件数の出どころを減らす |
この表は式の分解です。ご自身の帳簿の行を当てはめてください。
収入を増やす経路は3つ。数字に出る速さが違います
空室日数:いちばん早く数字に出る
家賃100,000円の部屋は、1日あたり3,300円ほどです。決まるまでが20日短くなれば66,000円、年に3室が入れ替わる建物なら200,000円ほどが残ります。
ここは募集条件と内見の印象で変わります。設備を足すなら、内見で説明できて、住んでからも毎日使うものが向いています。
賃料単価:同じ帯の中で選ばれる材料を1つ増やす
単価は設備だけでは上がりません。立地と間取りで家賃の帯が決まっていて、その帯の中で比べられたときに選ばれるかどうかの話になります。
検索条件の欄に並ぶ設備は、近隣のオーナーさまも同じ一覧を見ています。帯の中で差になるのは、欄に無くて、説明すると伝わるもののほうです。
付帯収入:水回りの設備は、ここに含めない
水の設備を入居者から別に徴収する形にはしません。募集条件の一部として建物に付けたほうが、空室日数を減らす側で役立ちます。
付帯収入で足せるのは、駐車場、倉庫、共用部の使用料のように、使う人と使わない人が分かれるものです。
くわしいご案内賃貸の設備投資は何年で回収できるか|水回りの設備で計算してみる
費用を減らすのは、単価ではなく件数です
単価の交渉は、1回で終わります。翌年からは元の水準に戻すか、据え置くかの話しかありません。続けて減らせるのは件数のほうです。
水回りで呼ばれる回数、退去のときに落とす汚れの量、立ち会いの回数。どれも汚れの付き方から出ています。
| 設備に起きること | 現場で変わること | 帳簿の言葉にすると |
|---|---|---|
| 排水口や配管の内側に、汚れが付きにくくなる | 掃除の手ごたえが変わり、においの連絡が減る | 緊急対応の件数と、清掃の回数 |
| 水回りの汚れが落ちやすくなる | 退去のときに落とす範囲が小さくなる | 退去1件あたりの清掃の費用 |
| 元栓型1台で建物全体が対象になる | 各戸に配る、回収する、探す作業が起きない | 設備台帳の行数と、立ち会いの時間 |
戸数別に、年あたりいくらの設備になるか
元栓型のウルトラファインバブルの設備 UFB DUAL® は、台数が戸数で増えません。決まるのは建物に水が入ってくる管の太さだけです。
メーカーが公開している導入では、32戸の新築マンションに40Aが1台です。50戸でも台数の欄は1のままで、増えるのは割る側の分母だけになります。
導入の翌年に、式のどこが変わったか確かめます
確かめる場所は、稼働率と運営費の2つです。賃料単価は更新のタイミングまで変わらないので、先に見るのはこの2つになります。
- 空室日数の合計(募集に出した日から契約日まで、室ごとに足す)
- 水回りで管理会社さまから上がってきた連絡の件数
- 退去1件あたりの水回りの清掃費(原状回復の明細から抜き出す)
- 共用部と空室の清掃の回数
導入前の数字を、先に控えておく
4つとも、導入後に集め始めると比べる相手がいません。着工の前月までの1年ぶんを控えておけば、翌年の同じ月に並べるだけで済みます。
汚れが付きにくくなる働きなので、数字に変化が出るのは数か月たってからです。1年単位で並べてください。
よくあるご質問
収益を上げるのに、いちばん早く数字に出るのはどこですか
空室日数です。家賃100,000円の部屋なら1日3,300円ほどで、20日短くなれば66,000円になります。賃料単価は更新のときまで変わらないので、先に手を付けるのはこちらです。
導入の総額はいくらですか
20Aなら本体350,000円(メーカー希望小売価格498,000円)に工事費50,000〜80,000円で、総額400,000〜430,000円です。25Aは本体600,000円(メーカー希望小売価格850,000円)で総額650,000〜680,000円、40Aは本体2,500,000円に工事費150,000円程度で総額2,650,000円になります。いずれも税抜です。
毎年かかる費用はありますか
ありません。電源も薬剤も消耗品もなく、水道の水圧だけで働く構造です。可動部と交換部品がないため、点検の契約も発生しません。
家賃に上乗せできますか
同じ家賃の帯の中で選ばれる材料として使うほうが、数字に出やすいです。上乗せは立地と間取りで決まる帯を超えられないので、空室日数の短縮で回収する形をおすすめしています。
工事は満室のままできますか
できます。作業するのは水道メーターの周りだけで、各戸に入る必要がありません。断水は1〜2時間で、配管をつないだ接着剤が固まるまで水を通せないためです。受水槽のある建物では、工事のあいだも、受水槽に貯まっている水があるうちは、入居者さまはふだんどおり水を使えます。
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