この記事の結論
受水槽式は水を受水槽にいったん貯めるので、槽の中と槽から先の配管で水が滞留しやすく、赤水が出たら槽の状態と鉄系の配管の両方を疑います。直結増圧式は水を貯めないので、赤水が出るなら建物の中の配管か、道路側の本管の工事を先に疑います。
赤錆に働く装置を付ける場所も変わり、受水槽式なら受水槽に入る手前、直結増圧式なら水道メーターのすぐ建物側です。受水槽式では、取り付けの作業中も各戸は槽に貯まっている水を使えます。
自分の建物がどちらの給水方式か確かめ、赤水の出どころと工事の範囲を決めたいオーナーさま・管理組合の理事さま・管理会社のご担当者さまに向けて整理しました。
給水方式は2つ。水の通り道が違います
受水槽式は、道路の本管から受け取った水をいったん受水槽に貯め、ポンプで各階へ送る方式です。屋上に高置水槽を置いて落とす形もあります。
直結増圧式は、貯めずに本管の水を増圧ポンプで押し上げて各戸へ送る方式です。水槽が無いので、水が建物の中に留まる時間が短くなります。
受水槽式で起きること
水を貯める以上、槽の中の水が入れ替わるまでには時間がかかります。使用量が少ない時期や、空室が多い建物では、その時間がさらに延びます。
槽から先の配管も同じです。滞留した水と鉄の面が長く接していれば、溶け出した鉄がその場に沈みます。朝いちばんや連休明けに赤水が出るのは、この滞留が関わっています。
受水槽そのものの状態も疑うところです。内部の汚れ、ふたの隙間、流入と流出の位置による水の回り方。管を替えても槽の側が原因なら、水は変わりません。
直結増圧式で起きること
貯めないので、滞留は建物の中の配管で起きます。上階の枝管、空室へ向かう系統、使われない共用の水栓が、赤水の出どころになります。
本管側の工事や断水のあとに濁ることもあります。建物の中だけを見て切り分けられないときは、近隣で同じ時刻に起きているかを管理会社さまに確かめてもらってください。
直圧式は本管の圧力を使うので、上階で水の出が落ちたときに、増圧ポンプの調子と配管の狭まりのどちらかを切り分けることになります。錆こぶで断面が狭くなっていれば、ポンプを調整しても戻りません。
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どちらかを見分ける方法
- 敷地内に受水槽やポンプ室があるか(地下や駐車場の奥に置かれていることがあります)
- 屋上に高置水槽があるか
- 竣工図の給水設備図に、槽とポンプが描かれているか
- 断水のときに、しばらく水が出続けるか(貯めている水が使えます)
- 分からなければ、管理会社さまか所轄の水道局に聞けば分かります
機器を付ける場所が変わります
錆の性質に働く装置は、水がこれから通る手前に置きます。建物側の配管がすべて下流に入る位置でなければ、対象の範囲が欠けます。
受水槽式では、受水槽に入る手前の一次側に付けます。直圧式では、水道メーターの二次側です。どちらも給水元の1か所で、住戸ごとに配るものではありません。
当社が扱う emiiR®(エミール)は、ステンレスの筒に特殊セラミックスを詰めた装置で、通る水の流れだけでセラミックスが動きます。電源も配線も要らず、消耗品がないので、設置後に毎年の作業が増えません。保証は設置後10年で、10年後に検査を受けるとさらに10年、最長20年になります。
| 見るところ | 受水槽式 | 直結増圧式 |
|---|---|---|
| 水を貯めるか | 受水槽(と高置水槽)に貯める | 貯めない |
| 滞留が起きる場所 | 槽の中と、槽から先の配管 | 建物の中の配管(上階・空室の枝管) |
| 赤水で先に疑うところ | 槽の中の状態と、鉄系の配管 | 鉄系の配管と、本管側の工事 |
| 機器を付ける位置 | 受水槽に入る手前の一次側 | 水道メーターの二次側 |
| 工事のあいだの各戸の水 | 槽に貯まっている水を使える | 1〜2時間程度、水が止まる |
工事の範囲と、水が止まる時間
作業するのは給水元の1か所だけで、全体で3時間〜半日程度です。住戸には立ち入りません。直圧式で水を止めるのは、配管を切って装置をつなぎ込む1〜2時間程度です。
受水槽式の建物では、作業するのが槽に入る手前なので、そのあいだも各戸は槽の水を使え、断水はありません。直圧式では、止める1〜2時間程度を、管理会社さまから前もって掲示で知らせていただく形になります。
受水槽のある建物は、法定の管理も関わります
水槽の有効容量の合計が10㎥を超えると、水道法上の簡易専用水道にあたり、毎年の法定検査を受ける義務があります(水道法第34条の2)。10㎥以下は小規模貯水槽水道と呼ばれ、水道事業者の供給規程(給水条例)で扱われます(水道法第14条第2項第5号)。
10㎥以下の建物の扱いは、自治体ごとに違います。清掃や検査について何が求められているかは、所轄の水道局と保健所の案内で確かめてください。
よくあるご質問
受水槽を撤去して直結増圧に変えれば、赤水は止まりますか
止まるとは限りません。滞留の場所は減りますが、建物の中の配管はそのまま残るので、鉄系の管が入っていれば赤水は続きます。方式の変更を検討するときは、配管の材質と肉厚の調査を同時に入れてください。
工事のあいだ、住戸の水は止まりますか
受水槽式なら、作業するのは槽に入る手前なので、各戸は槽の水を使えます。直圧式では、配管をつなぎ込む1〜2時間程度、水を止めます。作業は給水元の1か所で、住戸への立ち入りはありません。
受水槽の清掃は義務ですか
水槽の有効容量の合計が10㎥を超える建物は、水道法上の簡易専用水道として、毎年の清掃と法定検査が義務づけられています。10㎥以下の建物に求められることは所轄の定めで変わるので、水道局と保健所の案内をご確認ください。
高置水槽がある建物は、どちらになりますか
受水槽に貯めてから高置水槽へ送る形なので、受水槽式です。滞留する場所が2か所になるため、どちらの水が動いていないかを分けて見ます。
機器を各戸に付ける方法もありますか
赤水は建物の配管の中で起きているので、各戸の蛇口の先に付けても、そこへ届くまでの配管は変わりません。給水元に1台置くのは、配管の全体を下流に入れるためです。
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