配管の材質で、赤水の出方が変わる

配管の材質で、赤水の出方が変わる

この記事の結論

給水管の材質で、赤水の出方は変わります。亜鉛めっき鋼管はめっきが失われた内面全体から赤水が出やすく、ライニング鋼管は内面が樹脂で覆われていても、ねじを切った継手の鉄から錆びて赤水が出ます。

樹脂管・ステンレス鋼管・銅管は赤錆がほとんど出ないので、これらの建物で赤水が出るときは、受水槽の中や改修で残った鉄系の系統を先に疑います。赤錆を黒錆に変えて腐食の進みを緩める延命の装置は、鉄の面が水に触れている管で働きます。

自分の建物の給水管が何でできているかを確かめ、そこから打てる手を決めたい管理組合の理事さま・オーナーさま・設備のご担当者さまに向けて整理しました。

目次

使われてきた材質は、大きく3つの世代に分かれます

給水管の材質は、鉄をそのまま使う世代、鉄の内面を樹脂で覆う世代、樹脂やステンレスを使う世代へと移ってきました。世代が変わった理由は、赤水と腐食です。

1棟の中で、この3世代が混ざっていることがあります。改修で立て管だけ替えた建物、専有部だけ替えた住戸。赤水の出どころを探すときは、混ざっている前提で系統ごとに見ます。

材質が分かると、検討する中身も変わります。鉄系の管なら錆の話、樹脂系なら継手と受水槽の話です。最初にここを確かめておくと、見積もりを取るときの説明が短くて済みます。

亜鉛めっき鋼管

鋼管の内面に亜鉛のめっきを施したものです。めっきが働いているあいだ鉄は水に触れませんが、失われた場所から鉄が露出し、そこで赤錆が育ちます。

内面の全体が水に触れているので、赤水は広い範囲から出ます。錆こぶが積もって断面が狭くなり、水の出が落ちるのもこの管です。

めっきが残っている年数は、水質と流れ方で変わります。同じ建物でも、よく使われる系統のほうが先にめっきを失うことがあり、逆に止まりがちな系統では沈んだ錆が積もります。系統ごとに出方が違うのは、この2つが重なるからです。

ライニング鋼管

鋼管の内面を硬質塩化ビニルなどの樹脂で覆ったものです。覆われた面は錆びません。弱いのはねじを切った継手で、切った断面は鉄がむき出しになります。

そのため、管の真ん中が健全でも継手だけが先に錆びます。赤水が出始める時期が管の見た目と合わない建物は、これです。継手の内側に樹脂の輪を入れた管もあり、いつの工事かで中身が変わります。

くわしいご案内給水管の赤水・赤錆対策|更新・更生・延命の3つを費用と工期で比べる

ステンレス鋼管・銅管・樹脂管

ステンレス鋼管は赤錆が出にくく、弱いのは曲げや接合の部分、異なる金属と接する箇所です。

銅管は赤錆が出ません。水質や流速の条件で、管に小さな穴があく孔食が起きることがあります。また銅が水に溶け出すと、青みのある水で気づくことがあります。

樹脂管は錆びません。寿命を決めるのは継手と、熱や紫外線にさらされる部分です。

継手のところで、何が起きているか

材質が変わる場所と、違う金属が接する場所が、いちばん先に傷みます。鋼管と銅管、鋼管とステンレス鋼管が直接つながっていると、電位の差で片方の腐食が進みます。

改修で一部だけ材質を替えた建物では、替えた境目が新しい弱点になります。図面で系統をたどるときは、材質が切り替わる位置に印を付けてください。

自分の建物の材質を調べる

図面には、管種が記号で書かれています。記号の意味が分からなくても、その記号を写して管理会社さまか水道工事会社に伝えれば、相手が判断できます。露出している部分なら、写真からでも材質の見当が付きます。

  • 竣工図の給水設備図:管種の記号で分かる
  • 設備台帳と修繕の履歴:どの系統まで替わっているかが分かる
  • 目に見える管:メーターまわり、パイプスペース、天井裏、駐車場の露出配管
  • 抜管調査:1本切り取れば、材質と残っている肉厚を一度に確かめられる

材質ごとに、打てる手が変わります

錆の性質に働く延命は、鉄の面が水に触れている管が相手です。当社が扱う emiiR®(エミール)は、通る水の流れだけで特殊セラミックスを動かし、もろい赤錆を安定した黒錆に変えていきます。鉄系の管が残っている建物では、その面に働きます。

樹脂管やステンレス鋼管が主体の建物で赤水が出るときは、管より先に疑うところがあります。受水槽の中、改修で残った鉄系の系統、道路側の工事です。ここを切り分けずに機器を導入しても、出どころは変わりません。

材質 水に触れている面 赤水の出方 錆の性質に働く延命の相手か
亜鉛めっき鋼管 内面の全体 広い範囲から出る 相手になる
ライニング鋼管 ねじを切った継手 継手のある系統から出る 相手になる
ステンレス鋼管 接合部、異種金属との接点 ほとんど出ない 鉄の面がある範囲にとどまる
銅管 内面の銅 出ない。青みのある水が出ることがある 相手にならない
樹脂管 なし 出ない 相手にならない

よくあるご質問

図面が無くても、材質は分かりますか

露出している部分の写真と、建てられた年代、改修の履歴から見当は付きます。確定させたいときは抜管調査で1本切り取ります。材質と肉厚が同時に分かるので、更生工事が選べるかの判断にも使えます。

ライニング鋼管なら、赤水は出ないのですか

継手から出ることがあります。覆われた面は錆びませんが、ねじを切った継手は鉄がむき出しなので、継手の数が多い系統から赤水が出ます。管の見た目が良くても、継手だけが先に進んでいることがあります。

青みのある水が出るのは何ですか

銅管から銅が水に出ているときに見られます。石けんの成分と反応して青く見えることもあります。続くときは管理会社さまと所轄の水道局に連絡し、必要な水質検査を受けてください。

一部だけ替えてある建物では、どう考えますか

系統ごとに分けて考えます。替えた系統と替えていない系統では残り時間が違い、境目が新しい弱点になります。長期修繕計画も、1回でまとめて替える形ではなく系統ごとに並べたほうが、積立金の山を作らずに済みます。

樹脂管の建物でも、延命の装置は要りますか

鉄の面が水に触れていないなら、要りません。赤水が出ているなら、受水槽の中と、改修で残った鉄系の系統を先に確かめてください。

アリージェンス合同会社 代表 沼倉孝秀

沼倉 孝秀(ぬまくら たかひで)

アリージェンス合同会社 CEO。UFB DUAL®・emiiR®(エミール)・α-HT® の正規一次販売店として、製品の選定から設置、設置後の窓口までを担当しています。

アリージェンス合同会社

この記事に書いていないことは、直接お聞かせください。

お気軽にお問い合わせください。

送信後、24時間以内に一次回答いたします。回答が届かない場合は、ゴミ箱・迷惑メールBOX、allegiance.co.jp からの受信設定をご確認ください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次