この記事の結論
冷却塔の水処理で効果を出す条件は、次の3つです。冷却水が中性〜アルカリ性であること、密閉式の冷却塔では付ける場所と台数を系統に合わせて決めること、上下水道の料金がかかっていて、水量を減らした分が金額に表れることです。
どれも導入の前に、水質分析表のpH、冷却塔の型式と系統図、水道料金の請求書の上水道と下水道の単価を見れば判定できます。
冷却塔の水処理を入れたものの思ったほど減らなかった、という話を聞いて足が止まっている設備担当・総務の方に向けて、先に分かれる条件を3つに整理しました。
条件1|水質が中性〜アルカリ性であること
水の性質を物理的に変える方式には、そもそも通用する水質の幅があります。当社が扱う emiiR®(エミール)は、pHが中性から上の側でだけ働きます。酸性に強く振れた水が相手だと、働きが出ません。
温泉の泉質のように酸性が強い水を回している系統では、この方式は選ぶ対象になりません。
判定は水質の分析表で付きます。水処理の業者さまから受け取っている報告書に、たいていpHが載っています。ここが中性からアルカリ性の範囲なら、1つめの条件は通ります。
条件2|型式に合った付ける場所と台数
開放式の冷却塔では、冷却水の戻り配管にバイパスで装置を入れます。系統を長時間止めずに作業できるので、付ける場所で悩むことはあまりありません。
密閉式は別です。循環している水そのものではなく、外側に散水しているポンプのラインに付けます。散水のラインが複数ある設備では、ラインごとに考えることになるので、台数と管径の見当が変わります。
ここを見ないまま「冷却塔1台に1台」と数えると、見積もりの前提が崩れます。開放式か密閉式か、密閉式なら散水のラインが何系統あるか。この2つを図面で先に確かめてください。
条件3|上下水道の料金がかかっていること
減る水量が同じでも、下がる金額は水の単価で変わります。上水を使っていて下水道使用料もかかっている建物では、水量の削減で請求書の2つの行が下がります。
井戸水や工業用水を使っている建物では、1㎥あたりの単価が小さくなります。水量が減っても金額はあまり下がらないので、水の代金だけを目的にすると期待とずれます。
ただし、井戸水の建物でも下水道使用料がかかっていることがあります。その場合、下水道の側では金額が下がります。水道料金の請求書(検針票)で、上水道と下水道の料金がそれぞれいくらか、1㎥あたりの単価はいくらかを先に確かめてください。
| 条件 | どう分かれるか | 先に確かめるもの |
|---|---|---|
| 水質 | 中性からアルカリ性で働く。強酸性では働かない | 水質の分析表のpH |
| 設備 | 開放式は戻り配管、密閉式は散水のラインごと | 系統図と冷却塔の型式 |
| 水の単価 | 上水と下水がかかっていると下がる金額が大きい | 水道の請求書の上水道・下水道それぞれの料金と単価 |
くわしいご案内冷却塔の水処理の費用|5つの費目と、費用の下げ方
続く薬剤と、続く清掃
薬剤は3つに分かれています。スケールの分散剤、藻と細菌に使う殺藻剤、金属に使う防食剤です。この方式で減らせるのは分散剤の側で、殺藻剤は続きます。藻と細菌は水の性質だけでは止まらないためです。
清掃も続きます。建築物衛生法の対象になる建物では、清掃は1年以内ごとに1回、汚れの点検は1月以内ごとに1回と定められています。この回数は設備を入れても変わりません。
変わるのは、1回の清掃の中身です。硬く固着していたものが緩むと、工具でこそげ落とす工程が減ります。同じ回数で作業の量が下がる、という形で費用が下がります。
薬剤費と清掃費のどちらも「ゼロになる」と考えて試算を組むと、あとで合いません。分散剤の数量と、清掃の工程の数で組んでください。
初期費用の考え方(買い切りと成果報酬型)
効果に確信が持てない段階で、設備投資の稟議を通すのは難しいものです。当社には払い方が2つあります。
買い切りは、本体と設置工事をご購入いただく形です。製品保証は設置から10年で、10年後に検査を受けていただくと、さらに10年延長できます(最長20年)。
もう1つは、削減できた金額の一定割合を5年間お支払いいただく形です。初期費用はいただきません。殺藻剤とメンテナンス、点検まで含むので、冷却塔の水管理そのものをまとめて引き受ける形になります。出た分から払うので、確信が持てない段階でも動けます。
割合と対象の範囲は、3か月の無償デモの結果を見てから決めます。何を削減額とみなすか(薬品費か、上下水道費か、その両方か)も、着手の前に文書で合意します。
| 払い方 | 初期費用 | 含まれるもの |
|---|---|---|
| 買い切り | 本体と設置工事 | 本体・設置工事・10年保証 |
| 初期費用をいただかない形 | なし | 本体・設置工事・10年保証に加え、殺藻剤・メンテナンス・点検 |
割合と対象範囲は無償デモの結果をもとに決めます。
確かめてから決める順番
順番は3段です。1段目は書類で判定します。水質の分析表でpH、系統図で冷却塔の型式と散水のライン、請求書で上水と下水の単価。この3つで、合わない建物はここで分かります。
2段目は、3か月の無償デモです。実際の冷却塔に装置を取り付けて、補給水量、ブロー水量、分散剤の使用量、伝熱面と充填材の写真を測ります。冷却水の戻り配管にバイパスで入れるので、空調を長時間止めずに取り付けられます。
3段目が、測った数字での判断です。投資回収は約2〜3年をめどにしていますが、いま出ている薬品費と上下水道費がいくらかで変わるので、デモの結果とお手元の単価で計算します。お見積もりは無料です。
よくあるご質問
強酸性かどうかは、どこで分かりますか
水処理の業者さまから受け取っている水質の分析表に、pHが載っています。中性からアルカリ性の範囲なら働きます。温泉の泉質を使っている系統のように酸性が強い水では働かないので、その場合は別の方式をご検討ください。
密閉式の冷却塔でも使えますか
使えます。付ける場所が変わります。循環している水そのものではなく、外側に散水しているポンプのラインに入れます。散水のラインが複数ある設備では、ラインごとに考えるので、系統図を先に拝見します。
井戸水の建物では、入れる意味がありませんか
意味はあります。水の代金だけで見ると下がり幅は小さくなりますが、下水道使用料がかかっている建物ではそちらが下がります。また、薬剤費と清掃の工程、伝熱面の状態による電気の使用量は、水の単価と関係なく下がる余地があります。
薬剤はどこまで減りますか
減らせるのはスケールの分散剤の側です。藻と細菌に使う殺藻剤は続きます。金属に使う防食剤は、系統の材質と水質で判断が変わるので、いまの管理内容を見せていただいてから決めます。
効果が出なかったら、どうなりますか
3か月の無償デモで数字が動かなければ、装置を外してお返しいただくだけです。費用の請求はありません。測った記録はお手元に残ります。
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