この記事の結論
「活水器」という呼び名に決まった定義がなく、磁石・セラミックス・電気・渦など仕組みの違う装置が同じ名前で売られ、効果の数字に測った条件が書かれていないことが多いからです。
信用できるかどうかは、名前ではなく、第三者の認証番号とその対象範囲、特許の番号、条件つきの測定値が示されているかで確かめられます。たとえば日本水道協会の認証は、水圧に耐えるかと飲み水に触れて安全かを確かめたもので、効果の認証ではありません。
水の性質を変える装置を検討していて、そもそも信用してよい分野なのかを確かめたい方に向けて、確かめられる材料と、確かめられないことの線引きを書きました。
活水という言葉に、決まった定義がないこと
浄水器には、除去する物質と試験の方法が決まっています。軟水器には、硬度成分をイオン交換で取り除くという仕組みの定義があります。活水器には、それに当たるものがありません。
だから同じ「活水器」という呼び名で、磁石を使うもの、セラミックスに触れさせるもの、電気を流すもの、渦を作るものが並びます。何をする装置かが名前から決まらないので、名前では判断できません。
どこが問題にされてきたのか
指摘が集まってきたのは3つの点です。1つは、いま書いたとおり定義がないこと。2つめは、効果をうたう数字に測った条件が書かれていないことです。水温、流速、水質、測定の方法が示されていない数字は、別の現場で確かめようがありません。
3つめは、第三者が確かめた番号や試験の結果が示されないまま、体感の言葉で説明されることです。装置の話なのに、確かめる手がかりが読み手の側に渡されません。この3つは装置の良し悪しではなく情報の出し方の話なので、出し方を変えれば線が引けます。
磁気を使う方式について言われていること
磁気を使う方式については、流速や水質の条件によって効果が安定しない場合があることが、方式の一般的な弱点として指摘されています。同じ装置でも、条件が変わると結果が変わりうるということです。
ここから読めるのは、方式そのものの是非ではなく、条件が変わったときの振る舞いを示さない装置は評価できないということです。冷却塔ではインバータで流量が動き、夜間は負荷が落ちます。選ぶ側が聞くべきことは、どの流量帯で働くのか、流量が変わったときにどうなるのかの2つです。
認証は何を確かめているのか
認証番号があると効果が認められたように読めますが、確かめている中身は別です。当社が扱う emiiR®(エミール)は、日本水道協会の認証登録番号 Z-372 を持っています。認証を取得しているのはエミール・ジャパン株式会社です。
この認証の対象範囲は、水道法に基づく耐圧性能と浸出性能のみです。水圧に耐えるか、飲む水に触れさせて安全かを第三者が確かめたもので、スケールや尿石に効くことの認証ではありません。だから、認証があるから効果があるという読み方はできません。
型式の範囲も決まっています。登録証の型式の一覧には、給水の系統に使う JHW型、JEH-1〜11型、SRD-6型などが並びます。JEH-12型から15型は一覧にありません。冷却塔用の型式はこの一覧に入っていないので、冷却塔の話にこの認証を持ち出すことはできません。認証番号を示している装置があれば、この読み方で、何が確かめられているのかを見分けられます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 認証登録番号 | Z-372(給水用具(その他)) |
| 認証を取得している会社 | エミール・ジャパン株式会社 |
| 認証の対象範囲 | 水道法に基づく耐圧性能、浸出性能のみ |
| 対象の型式 | JHW型(20mm・25mm)/JEH-1型〜11型(20〜100mm)/SRD-6型(50mm)ほか |
| 対象に入っていないもの | JEH-12型〜15型、および冷却塔用の型式 |
出典:日本水道協会「給水用具(その他)の認証登録証」Z-372(2026年4月1日発行)
確かめられる材料の並べ方
装置を比べるときに、読む側で確かめられる材料は5つに絞れます。認証の番号とその対象範囲、特許の番号、型式、銘板に書かれた値、そして測定値に添えられた条件です。
このうち番号は、公開されているデータベースで自分で引けます。引いたら、その番号が何を確かめたものかまで読みます。銘板の値は装置の物理的な範囲を示すので、自分の系統の流量が入っているかどうかもここで分かります。
- 認証の番号と、その対象範囲(何を確かめたものか)
- 特許の番号と登録日(仕組みのどこが認められたか)
- 型式と、その型式が対象にする口径
- 銘板の値(処理できる流量、使用耐圧、材質)
- 測定値に添えられた条件(水温・流速・水質・測り方)
emiiR® が出せるもの
上の5つに当てはめると、次のとおりです。特許は3件が登録されています。異径のセラミックスを混合して充填するハイブリッド流動が特許第7578981号、流入水を整流する流水拡散板の構造が第7614636号、流動層を多段にする構造が第7620313号です。
小口径向けの JHW型の銘板には、処理能力が毎分0リットルから30リットル、使用耐圧 0.8MPa、試験耐圧 1.75MPa、材質 SUS304 と記されています。筐体は SUS304 または SUS316 で、中に特殊セラミックスボールを約半分まで充填し、通水の流速の目安は毎秒10cmから12cmです。
仕組みについて言えるのは、水がセラミックスの間を流れることで、成分が硬い結晶に成長して固着しにくい状態になるということです。原料はモンモリロナイト系の粘土鉱物ですが高温で焼いているため、粘土が本来もつ陽イオン交換容量は失われています。軟水器のようなイオン交換の能力は持たず、成分を取り除く装置ではありません。
第三者に採用された実績としては、大手給湯器メーカーのエコキュートと電気温水器に、スケール対策の機能部品として純正採用されています。
検証が済んでいない組み合わせ
働く水質の範囲は決まっています。中性からアルカリ性で働き、強酸性の水では働きません。温泉の泉質のように低いpHの水が相手なら、この方式は選ぶ対象になりません。
他社の尿石対策剤との併用については、メーカーの見解としては問題ないとされていますが、現場で検証した実績を当社が持っていません。この組み合わせが要る建物では、実証実験からご提案しています。作用の説明も、メーカーが示している推定の原理の範囲にとどめています。
自分で確かめる順番
順番は4段です。1段目、番号を聞いて自分で引く。認証と特許の番号が出てこない装置は、ここで止まります。2段目、その番号が何を確かめたものかを読む。3段目、銘板の値と自分の系統を突き合わせ、流量が変わったときにどうなるかを聞く。4段目、自分の水で測る。
当社では4段目のために、実際の冷却塔に装置を取り付けて3か月測っていただく無償のデモをご用意しています。強酸性かどうかと、上下水道の単価で効果の出方が変わるので、水質の分析表と請求書を先に見せていただければ、合わない建物はその前に分かります。お見積もりは無料です。
よくあるご質問
活水器という名前の製品は、どれも同じ仕組みですか
違います。磁石を使うもの、セラミックスに触れさせるもの、電気を流すもの、渦を作るものが同じ呼び名で並びます。「活水」に決まった定義がないため、名前から仕組みは決まりません。番号と銘板の値で1台ずつ見る必要があります。
認証番号があれば、効果が確かめられているということですか
いいえ。emiiR® が持つ日本水道協会の認証 Z-372 の対象範囲は、水道法に基づく耐圧性能と浸出性能のみです。水圧に耐えるか、飲む水に触れさせて安全かを確かめたもので、スケールや尿石に効くことの認証ではありません。
特許があることは、効果の証明になりますか
なりません。特許は仕組みの新しさが認められたもので、効果の大きさを認めたものではありません。読むときは、何の構造に対する特許かを見ると役に立ちます。流量が変わったときの安定を狙った構造なのか、処理のムラを減らす構造なのかで、現場での振る舞いが変わります。
自分の建物で確かめる方法はありますか
あります。実際の冷却塔に取り付けて3か月測っていただく無償のデモです。冷却水の戻り配管にバイパスで入れるので、建物や空調を長時間止めずに取り付けられます。測る項目は、始める前に一緒に決めます。
セラミックスの交換や補充は要りますか
要りません。水流で常に流動していて、大きい玉が小さい玉をこすり洗いする構造になっているため、内部が目詰まりしません。電源も配線も薬剤の補充もありません。
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