この記事の結論
だしとスープの出方を主に決めるのは、素材の量と切り方、温度、時間です。水が関わるのは、素材の中へ水が入っていく速さと、雑味の出方で、硬度の高い水では昆布のうま味が出にくくなることが知られています。
ウルトラファインバブルを含んだ水は素材の表面を濡らしやすく、同じ素材の量でもうま味が出やすく、雑味が軽くなる方向に働きます。確かめるときは、素材の量と温度と時間をそろえ、水だけを変えて比べます。
だしの出が悪い、スープに雑味が残る、と感じている調理長さまと、商品開発のご担当者さまに向けて、水の側で変えられることと、厨房で確かめる手順をまとめました。
抽出で何が起きているか
ご存じのとおり、抽出では、水が素材の表面を濡らし、組織のすき間へ入り、うま味の成分を溶かして外へ運び出します。
このとき出方を左右するのは、温度、時間、素材の切り方と量、そして水です。温度と時間が同じなら、水が素材の内側へ入っていく速さが、出方の差になります。
雑味は、狙った成分より遅れて出てくるものや、素材の表面の油と汚れから来るものです。煮出す時間が長すぎたり、温度が高すぎたりすると増えます。
出が悪いと感じるときに見る条件
出が悪いと感じたら、下の5つを順に確かめます。はじめの4つは、手順を直せば店の中で変えられます。最後の硬度は店舗の立地で決まるので、店舗の条件として記録しておきます。硬度の高い水では、昆布のうま味が出にくくなることが知られています。
硬度の数字は、店舗のある地域の水道事業者が公表している検査結果に載っています。本部で複数の店舗のだしを比べるときは、この数字を横に並べておくと、差の読み方が変わります。
- 素材の量と、計り方(目分量になっていないか)
- 水から入れるか、湯から入れるか。火を入れてからの時間
- 沸騰させる手前で引き上げているか
- 素材の保管(開封からの日数と、湿気)
- 店舗の水道水の硬度
濡れ性と浸透力が働く場面
ウルトラファインバブルは、直径1マイクロメートル未満の、目に見えない細かな泡です。この泡を含んだ水は、ふつうの水よりも昆布や節の表面を濡らしやすく、組織の細かいすき間へ水を運び込みやすくなります。
理屈のうえでは、乾物の昆布や椎茸、厚めに削った節、骨付きの素材のように、表面から中へ水が入る速さが仕上がりを左右する素材ほど、この性質の働く余地が大きくなります。どの素材で差がはっきり出るかは、厨房で比べて確かめます。
うま味が出やすくなるぶん、調味料の量を見直しながら味を決めていく余地も生まれます。
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スープに雑味が残るときに見る条件
雑味は、出すぎた成分と、素材の表面から移ったものが重なって生まれます。まず見るのは、煮出す時間が延びていないか、アクを取るタイミングが人によってずれていないか、火が強すぎて対流が激しくなっていないか、の3つです。
骨や肉を使うスープでは、下処理の段階で表面の血や脂をどこまで落としているかも影響します。下処理の水は仕上がりの味に直接は入りませんが、ここで残ったものがスープの濁りと雑味になって戻ってきます。
水の側では、ウルトラファインバブルを含んだ水で仕込んだ惣菜やスープは、雑味が軽くなり、すっきりした味わいになる傾向があります。元栓で水が変わるので、下処理の水と煮出す水の両方が同じ水になります。
素材の量を変えずに試すやり方
比べるときは、素材の量を変えないのが原則です。水を変えた最初の段階で素材も減らすと、差が水から来たのか量から来たのかが分からなくなります。
量を減らす検討は、水を変えて風味が同じか上回ることを記録で確かめてからにします。減らす幅は小さく刻み、同じ人が同じ手順で味を見ます。
| そろえるもの | そろえ方 |
|---|---|
| 素材の量 | いまのレシピのグラムどおりに計る |
| 水の量と温度 | 同じ鍋・同じ火力で、温度計で確かめる |
| 抽出の時間 | タイマーで分単位にそろえる |
| 味を見る人 | 同じ2〜3人で、同じ順番に |
| 味を見る時点 | 引き上げた直後と、営業の途中の2回 |
厨房で確かめる順番
水だけを変える比べ方は、元栓に設置する前と後で行います。設置の前の1週間に、いつものだしを同じ手順で引いて記録を取り、設置の後に同じ記録を取ります。
UFB DUAL® は元栓に付けるので、だしの鍋だけでなく、スープ、うどんの茹で湯、炊飯、洗い場の水まで同時に変わります。一度の工事で、比べられる品目がいくつもそろうのが元栓に付ける方式の特徴です。
記録に残すのは、1〜5の点数と、気づいた言葉です。点数は前後の比較に、言葉はメニューの見直しに使います。
仕込みの量と店舗の所在地をご相談内容の欄にお書きいただければ、給水管の口径を確かめる段取りからご案内します。
よくあるご質問
水を変えると、だしの素材を減らせますか
少ない素材量でも豊かな風味になる傾向があるので、減らす余地は生まれます。減らすかどうかは、同じ量で比べて差を確かめたあと、小さな幅で試して決めてください。
硬度の高い地域でも変わりますか
変わります。濡れ性と浸透力が高まる働きは、硬度とは別のものだからです。ただ、硬度に由来する出にくさは水道水の条件として残るので、その店舗の水で設置の前後を比べて、どこまで差が出るかを確かめてください。
浄水器を付けていますが、そのまま使えますか
UFB DUAL® は元栓に付けるので、浄水器や軟水器の配管はそのまま残せます。浄水器を通したあとの水でどこまで差が出るかは、その蛇口で設置の前後を比べて確かめてください。
比べるときに、何を記録すればよいですか
素材の量、水の量と温度、抽出の時間、味を見た人と点数です。条件の欄が埋まっていれば、点数の差を水の違いとして読めます。
だしの鍋だけに付けることはできますか
鍋1つだけに付ける設備ではありません。UFB DUAL® は給水管に取り付けるので、付けた場所から先の水がすべて変わります。元栓に付けるのが基本で、厨房への系統だけに付けられるかどうかは、配管の取り回しを見て判断します。
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