この記事の結論
朝だけ赤い水が出て、しばらく流すと澄むなら、出どころは建物の中の配管である可能性が高いです。夜のあいだ水が動かず、剥がれた赤錆が管の底に沈んでいたからです。
出どころを切り分けるには、どの蛇口で出たか、何秒で澄むか、ほかの部屋でも出ているかの3つを確かめます。1戸だけで流すと澄むなら建物の中の配管、複数戸で時間帯に関係なく出るなら受水槽や共用の配管、近くの水道工事や断水のあとなら道路側の配水管が、出どころの候補です。
朝いちばんに蛇口をひねったら水が赤かった、という方に向けて、出どころを自分で切り分ける手順を書きました。
まず、3つだけ確かめます
赤い水は、出どころによって連絡先も対処も変わります。先に次の3つを見ておくと、管理会社さまや水道局に伝えるときに1回で話が通ります。
- どの蛇口で出たか(台所だけか、洗面も浴室も出るか。お湯だけか、水も同じか)
- 何秒で澄んだか(10秒ほどで澄むか、数分流しても赤いままか)
- いつ出たか(朝いちばんだけか、日中も出るか。連休明けや断水のあとだったか)
白い容器に受けてみる
白いバケツや透明なコップに受けると、色の濃さと、砂のような粒が混じっているかが見えます。粒が沈むようなら、剥がれた錆がそのまま出てきています。
写真を1枚撮っておくと、あとで設備会社に見せるときに話が早くなります。色が付いた水は、飲用や洗濯には向きません。白い衣類に色が移ることがあるので、澄むまでは洗濯機を回さないでください。
よくある3つの出どころ
起きている場所は、大きく3つに分かれます。どれに当たるかで、連絡する相手が変わります。
建物の中の配管
鉄の給水管の内側には赤錆が育ちます。もろい層なので剥がれ、水が動かない夜のあいだに管の底へ沈みます。朝の1杯目で、それが押し出されてきます。
この場合、しばらく流すと澄みます。出るのは毎朝で、相手は住戸の中の器具ではなく、その部屋へ向かう枝管や共用の立管です。
受水槽と高置水槽
受水槽や高置水槽を経由している建物では、槽の内側や、槽から先の揚水管が出どころになることがあります。槽が相手のときは時間帯に関係なく出やすく、複数戸で同時に起きます。
受水槽の清掃は年1回の決まりがあるので、直近でいつ入ったかを管理会社さまに聞けば、切り分けが一段進みます。
道路側の工事や、断水のあと
近くで水道の工事があった日や、断水から復旧した直後は、配水管の中で水の流れる向きと速さが変わり、溜まっていたものが動きます。これは建物の中の話ではありません。
この場合は時間の経過で収まります。数時間から1日で澄むかどうかを見て、収まらないときは水道局へ連絡します。
自分でできる確認
道具はほとんど要りません。順番に見ていけば、範囲は絞れます。
- 水を1〜2分流して、澄むかどうかを見る
- 同じ建物の別の蛇口でも出るかを見る(1戸だけなら、その部屋へ向かう枝管が相手)
- 水とお湯を分けて見る(お湯だけなら、給湯機とその先の給湯配管の側)
- 隣の部屋や、上下の階でも出ているかを聞く
- 受水槽のある建物なら、槽の清掃をいつ行ったかを管理会社さまに確認する
ここまでで、連絡先が決まります
3つのうちどこの話かが分かれば、連絡する相手が決まります。分からないまま連絡すると、管理会社さまと水道局のあいだで話が往復して時間だけが過ぎます。
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連絡先の分け方
切り分けた結果を、そのまま連絡先に当てはめてください。伝える内容も決まります。
| こんなとき | 連絡先 | 伝えること |
|---|---|---|
| 1戸だけ、しばらく流すと澄む | 管理会社さま(オーナーさま) | 蛇口の場所、澄むまでの時間、毎朝かどうか |
| 複数戸で出る、時間帯に関係なく出る | 管理会社さま(オーナーさま) | 出ている戸数と階、受水槽の清掃の時期 |
| 近くで水道工事や断水があった | 水道局 | 住所、出始めた時刻、澄んだかどうか |
| お湯だけ赤い | 管理会社さま、または給湯機を見ている会社 | 給湯機の型と設置からの年数、水側は澄んでいること |
くり返すときに考えること
朝だけの赤水が毎日続くなら、それは一時的な出来事ではなく、配管の内側で赤錆が育っている状態です。澄むまで流すという対処を続けているあいだも、剥がれた分だけ管の肉は薄くなっていきます。
行き着く先は更新工事か更生工事です。金額が大きく、住んでいる方の生活にも影響する工事なので、時期は計画に載せて決めるものになります。いま起きている腐食を緩めれば、その時期を後ろへずらす判断ができます。
錆の性質そのものに手を入れる方法もあります。当社が扱う emiiR®(エミール)は、給水元に1台置いて、もろい赤錆を安定した黒錆に変えていく装置です。給水系での測定例では、水中の鉄分が設置前の約1mg/Lから1年後に約0.05mg/Lまで下がりました。
出どころが建物の中だと分かったあと
次に知りたいのは、管がどれくらい残っているかです。抜管調査で肉厚を見れば、更生工事が選べる状態かどうかが分かり、内視鏡で見れば錆こぶの育ち方と詰まり具合が分かります。
調査の結果を待たずに決められることもあります。給水方式と給水元の口径が分かれば、延命の装置の型式が決まり、お見積もりをお出しできます。電源も配線も薬剤も要らず、消耗品がないので毎年の費用がかかりません。
よくあるご質問
朝だけ赤いのは、放っておいて大丈夫ですか
毎朝くり返すなら、放っておかずに管理会社さまへ伝えてください。配管の内側で赤錆が育っている状態で、流せば澄むので生活は続けられますが、剥がれるたびに管の肉は薄くなります。出始めた時期を記録しておくと、調査の材料になります。
何分流しても赤いままです
住戸の中だけの話ではない可能性があります。ほかの部屋でも出ているか、近くで水道工事がなかったかを確かめてください。複数戸なら管理会社さま、工事や断水のあとなら水道局が連絡先になります。
お湯だけ赤いのはなぜですか
水側が澄んでいてお湯だけ赤いときは、給湯機とその先の給湯配管が相手です。お湯は温度が高く、鉄の腐食が進みやすい条件になります。給湯機を見ている会社に、設置からの年数とあわせて相談してください。
赤い水で食器を洗っても平気ですか
澄んでから使ってください。色が付いた水は、飲用にも洗濯にも向きません。判断に迷うときは、水道局に水質の相談窓口があります。
装置を付ければ、赤水はすぐ止まりますか
すぐには止まりません。変化は月の単位で進み、給水系での測定例では、水中の鉄分が1年かけて約1mg/Lから約0.05mg/Lまで下がりました。いま強く出ている赤水を今日止めたいなら、通水や洗浄、更生など管そのものへの手当てが先になります。
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