この記事の結論
赤水のクレームが出たら、最初の1週間は工事を決めず、記録、切り分け、入居者さまへの説明、調査の依頼、見積もりの依頼の順に進めます。1日目に、いつ・どの部屋・どの蛇口で出て、何分で澄んだかを記録すると、住戸の中、共用部、建物の外のどこが出どころかを絞り込めます。
入居者さまには、確かめたことと次に連絡する日だけを伝え、原因の断定は調査の結果が出てからにすると、説明が途中で変わりません。そのあいだは通水で出方を落ち着かせ、恒久の対策は更新・更生・延命の3つのお見積もりを、同じ範囲で取って比べます。
赤水のご連絡を受けた管理会社さま・オーナーさま・ビル管理のご担当者さまに向けて、最初の1週間で何をどの順番で進めるかを書きました。
1日目:記録を取る
連絡を受けた日にやることは、原因の特定ではありません。あとで比べられる記録を残すことです。原因の見立てを先に口に出すと、違っていたときに信用が減ります。
- 出た日時と、それが朝いちばんだったか
- 部屋番号と階、出た蛇口(台所・洗面・浴室、水かお湯か)
- 何秒、何分で澄んだか
- 白い容器に受けた水の写真を1枚
- 同じ日に、ほかの部屋から連絡が来ていないか
写真は経過を並べるために撮る
色の濃さと粒の有無が残るので、設備会社に見せるときに話が早くなります。撮った日時が分かるようにしておくと、翌週の水と並べたときに変化が読み取れます。
2日目:範囲を切り分ける
聞くことは決まっています。5つの欄を埋めるだけで、相手が住戸の中か、共用部か、建物の外かが分かれます。
埋まらない欄が、次にやることです
5つのうち空いている欄があるときは、そこを埋める確認を先に入れます。全部を埋めてから動くより、埋まった順に相手を決めていくほうが早く収まります。
| 確かめること | 分かること |
|---|---|
| 1戸だけか、複数戸か | その部屋へ向かう枝管の話か、共用の立管より前の話か |
| 水もお湯も赤いか、お湯だけか | 給水側か、給湯機とその先の配管か |
| 朝いちばんだけか、日中も出るか | 溜まっていたものが出ているのか、いつでも出ているのか |
| 近くで水道工事や断水がなかったか | 建物の外の話かどうか |
| 受水槽の清掃を、直近でいつ行ったか | 槽が出どころに入るかどうか |
3日目:入居者さまへの説明
この時点で言えるのは、確かめたことと、次に何をするかの2つです。原因の断定と、いつ直るかの約束は、調査の結果が出てからにします。
- 確かめたこと(何戸で出ているか、澄むまでの時間)
- いま分かっている範囲(建物の中か、外か)
- 次にやること(調査の依頼と、その日程)
- そのあいだの使い方(澄むまで流してから使う。色が付いた水で洗濯はしない)
- こちらから次に連絡する日
次の連絡日を先に伝える
「調べています」だけで止めると、連絡が続きます。次に連絡する日を先に伝えておけば、その日まで問い合わせは落ち着きます。日付を言うために、調査の日程を2日目までに押さえておきます。
くわしいご案内給水管の赤水・赤錆対策|更新・更生・延命の3つを費用と工期で比べる
4日目から5日目:調査を頼む
頼む先は3つに分かれます。建物の中なら指定給水装置工事事業者や管理会社さまが使っている設備会社、受水槽なら清掃を受けている会社、建物の外なら水道局です。
日程は、水を止められる時間帯をいつ取れるかで決まります。抜管調査は管を切るので、その系統の水を止める段取りが要ります。結果が出てから見積もりを頼む順番なので、調査の日程を先に押さえてください。
- 内視鏡で管内を見る(錆こぶの育ち方と、断面の狭まり)
- 抜管調査で肉厚を見る(更生工事が選べるかどうかの判断)
- 蛇口で採った水の鉄分を測る(朝いちばんと、流したあとを分けて)
応急と恒久を分ける
1週間のうちに恒久の工事は決まりません。決めるのは、そのあいだの手当てです。
通水は、判断の時間を作るためのもの
応急の通水は、赤水を止めるための工事ではありません。出方を落ち着かせて、調査と見積もりのための時間を作るための作業です。ここを混同したまま入居者さまに説明すると、直ったはずだという受け取り方になります。
| いまの状態 | やること | ねらい |
|---|---|---|
| 赤水が出ている系統 | 通水して溜まったものを出す。空室の系統も流す | 剥がれた分を外へ出し、出方を落ち着かせる |
| 受水槽が疑わしい | 清掃と点検の時期を前に出す | 槽を出どころから外す |
| 複数戸で続いている | 出た時刻と戸数を記録し続ける | 調査の範囲を決める材料にする |
| 恒久の側 | 更新・更生・延命の3本で見積もりを取る | 同じ範囲で金額を比べる |
6日目から7日目:費用の見立てを取る
3本の見積もりを、同じ範囲で頼みます。対象の系統、共用部だけか専有部まで含めるか、棟のどこからどこまで。ここをそろえないと、金額の大小は比べられません。
3本のうち延命は、給水元の口径が分かれば型式が決まり、すぐにお見積もりをお出しできます。当社が扱う emiiR®(エミール)は、給水元に1台置いて、もろい赤錆を安定した黒錆に変えていく装置で、電源も配線も薬剤も要らず、毎年の費用がかかりません。給水方式と給水管の口径をお知らせいただければ、型式とお見積もりをお出しできます。
更新と更生は、総延長と復旧の範囲で建物ごとに変わります。現地を確認したあとのお見積もりになるので、調査の結果を同じ紙で渡すと、条件がそろった3本が戻ってきます。製品代と工事代を明らかにし、お見積もりで提出した以上の金額はいただきません。
よくあるご質問
入居者さまに、原因をどう説明すればよいですか
確かめたことと、次にやることだけを伝えます。「朝いちばんに3戸で出ています。いまは建物の中の配管を調べていて、来週の火曜に設備会社が入ります」という形です。原因の断定と、いつ直るかの約束は調査のあとにしてください。
赤水が出ているあいだ、水は使えますか
澄むまで流してから使うようにお伝えください。色が付いた水は飲用と洗濯には向きません。澄むまでの時間を記録しておくと、そのまま切り分けの材料になります。
毎朝のことなので、すぐ止めてほしいと言われます
いま溜まっている分を外へ出す通水で、出方は落ち着きます。止める側の工事は、調査の結果が出てから決まります。そのあいだに何をしているかを日付で伝えると、待っていただけます。
同じことが、ほかの棟でも起きますか
同じ時期に建った同じ仕様の棟なら、条件がそろっています。1棟で出たら、ほかの棟の管の種類と給水方式を確かめてください。調査の順番を決める材料になります。
延命の装置を導入すれば、クレームは止まりますか
すぐには止まりません。変化は月の単位で進み、給水系での測定例では、水中の鉄分が設置前の約1mg/Lから1年後に約0.05mg/Lまで下がりました。今週の赤水を落ち着かせるのは通水で、装置はそのあとの進みを緩める側です。順番を分けて説明してください。
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