この記事の結論
10年先に建物を保有し続けるのか、売るのか、建て替えるのかを先に決め、そこから今年の投資を選びます。
修繕の予定、借入の返済と修繕積立の残高、出口の時期を1枚の年表に並べると、大きな支出を置ける年と置けない年が分かります。
10年以内に建て替えるなら長く使う設備への投資は控え、保有や売却を考えるなら、毎年の費用がかからず10年使える設備を計画に載せます。
10年先までの計画を立てたいオーナーさま向けに、3本の年表の重ね方と、そこに設備投資をいくらの行として置くのかを金額で並べました。
長期計画は、3本の年表を重ねると見えてきます
紙に横線を3本引きます。1本目は建物の年表で、外壁、屋上防水、鉄部塗装、給排水の更新、設備の交換が入ります。2本目は資金の年表で、借入の残高、返済の終わる年、修繕積立の残高が入ります。3本目は出口の年表で、保有を続ける、売る、建て替えるのどれをいつ選ぶかが入ります。
3本が交わる年が、判断の年です。防水の年と返済の終わる年が重なるなら、その前後に大きな買い物は置けません。逆に、返済が終わって大規模修繕がまだ来ない数年は、攻めの投資を置ける区間になります。
設備投資をどこに置くかは、製品の良し悪しより先に、この3本のどこに空きがあるかで決まります。
出口をどれにするかで、今の1手が変わります
10年先に何をしているかで、今年使えるお金の意味が変わります。3つの出口を並べます。
建て替えが近いなら、迷わなくてよい
当然ですが、10年以内の建て替えを決めているなら、10年使う設備に投資しても回収する期間が足りません。
保有を続ける、あるいは売るという出口なら、10年単位で効果が続くものを計画に置けます。
| 10年先 | 今の投資に求めるもの | 向く打ち手 |
|---|---|---|
| 保有を続ける | 毎年の手間と支出が減ること | 長く効いて、毎年の費用が立たないもの |
| 売る | 年間の純収益と、買い手に見せられる記録 | 収益に効いて、書類で残るもの |
| 建て替える | 短い期間で効果が出ること | 原状回復と募集の範囲でできること |
打ち手を、効果が続く期間で並べます
長期計画に載せられるのは、期間の長い打ち手です。短いものは毎年の運営で扱い、長いものを計画に載せる。この分け方で並べます。
| 打ち手 | 効果が続く期間 | 毎年かかるもの |
|---|---|---|
| 家賃の値下げ | 次の更新まで | 家賃の差額が毎年 |
| 原状回復のグレードを上げる | 入居1回ぶん | 退去のたびに |
| 家具家電を入れる | 5年ほど | 入れ替えと処分の費用 |
| 共用部の改修 | 10年ほど | 照明と清掃の費用 |
| 建物全体の水を変える | 保証の年数と同じ10年 | なし |
くわしいご案内賃貸の設備投資は何年で回収できるか|水回りの設備で計算してみる
10年の計画に載せると、いくらの行になるか
計画の表に載せるのは、初年度の支出と、毎年の行の2つです。水の設備は初年度に1回だけ支出があり、そのあとは毎年の費用がかかりません。
金額は給水管の太さで決まります。20Aなら本体350,000円に工事費50,000〜80,000円を足して400,000〜430,000円、40Aと50Aは工事費150,000円程度を基準に見積もります(いずれも税抜)。
広告料の1回ぶんと、並べてみる
10年で割ると、20Aの10戸の建物で年43,000円です。家賃1か月ぶんを広告料に払う建物なら、1回の募集にかかる広告料と同じくらいか、それより小さい金額です。
違うのは残る年数です。広告料はその募集で終わり、設備は10年のあいだ建物に残ります。
| 戸数 | 口径 | 初年度の支出 | 1戸あたり | 10年で1戸あたり年額 |
|---|---|---|---|---|
| 10戸 | 20A | 430,000円 | 43,000円 | 4,300円 |
| 24戸 | 25A | 680,000円 | 28,333円 | 2,833円 |
| 40戸 | 40A | 2,650,000円 | 66,250円 | 6,625円 |
この表は計算の例です。ご自身の数字を入れて確かめてください。
修繕計画のどこに置くか
大規模修繕の計画表には、外壁、屋上防水、鉄部塗装、給排水の更新が並びます。水の設備は、このどれの代わりにもなりません。置き場所は、給排水の更新の手前です。
配管の内側の付着が緩やかになることが期待できる、という働きなので、更新の時期を検討し直す材料になります。時期を何年動かせるかを約束できる設備ではありません。計画表では更新の年をそのまま置いたうえで、毎年の修繕対応の件数を見て見直す、という形が現実的です。
10年後に建物をどうするかが決まっていない段階でも、導入を先に延ばす理由にはなりません。毎年の費用がかからないので、途中で続けるかやめるかを判断する場面がないためです。
10年の窓口を、先に確かめておきます
10年の計画に載せる設備は、10年後に連絡が取れる相手から買うことになります。確かめるのは、本体の保証と工事の保証が同じ窓口かどうかです。
10年計画の期間と、保証の期間はそろえられます。UFB DUAL® の保証はメーカー保証2年と筆頭正規特約店 株式会社ライヴスの延長保証8年を合わせた計10年で、計画の最終年まで、不具合の連絡先は当社ひとつです。
お見積もりには製品代と工事代を分けて書き、提出した金額を超えてご請求することはありません。お問い合わせをいただくと担当からメールでご連絡しますので、水道メーターまわりの写真は、そのメールへの返信に添付してください。
今年やること、3年ごとに見直すこと
今年やることは2つです。3本の年表を1枚に書くこと。そして、水回りの修繕対応の件数と退去の理由を、記録として残し始めることです。
3年ごとに見直すのは、出口の選択です。市場と金利で変わります。設備の側は毎年の費用がかからないので、見直しの対象になりません。
- 1枚に3本の年表を書く(建物・資金・出口)
- 水回りの修繕対応の件数を月ごとに残す
- 退去の理由を分類して残す
- 3年ごとに出口の選択を見直す
よくあるご質問
長期計画に設備投資を載せるとき、何年で見ればよいですか
保証の年数に合わせるのが分かりやすいです。UFB DUAL® なら計10年なので、初年度の支出を10で割った額を年ごとの行に置きます。20Aで10戸の建物なら、1戸あたり年4,300円です。
大規模修繕の前に導入しても、無駄になりませんか
外壁や防水の工事とは対象が違うので重なりません。取り付けるのは水道メーターの二次側で、建物の外側の工事で外す必要もありません。給排水の更新を近く予定している場合は、更新の範囲と順番だけ先に確かめます。
10年以内に建て替える予定でも、意味はありますか
薄くなります。10年もつ価値に対して、回収する期間が足りません。その場合は、原状回復と募集の範囲でできる打ち手に寄せるほうが合います。
途中でやめることはできますか
続けるための契約や費用がないので、やめる手続きも要りません。電源も薬剤も消耗品もなく、点検の契約も要らない構造で、取り付けたあとは水道の水圧だけで働き続けます。
売却を予定している場合、何が残りますか
建物の設備として残ります。買い手に見せられるのは、認証と保証の書類、そして導入の前後の修繕対応の記録です。記録はあとから作れないので、導入と同時に始めておきます。
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